タイタス・クロウとは、CCD(クトゥルー眷属邪神群)と死闘を繰り広げるオカルト私立探偵である。
日本では斬魔大聖デモンベインの主人公「大十字九郎」の名前の元ネタになった人として有名。
(タイタス→「大」「+(たす)」、クロウ→「九郎」)
概要
イギリスのホラー小説家、ブライアン・ラムレイが1975年から発表しているクトゥルフ系ホラー小説群の主人公。
数秘術やクトゥルフ神話の知識とかを駆使するオカルト探偵。年齢は初登場時で既に壮年。
親友は、ラヴクラフトの短編「銀の鍵の門を越えて」で登場したエティエンヌ=ローラン・ド・マリニーの子孫、アンリ・ド・マリニー。
タイタス・クロウ・サーガ(ネタバレ注意)
全6巻からなる、二巻迄はタイタスが主人公のクトゥルフ神話冒険譚。
……冒険譚である。あんまり恐怖ではない。少なくとも、いわゆる「クトゥルフ的」な恐怖を求めて読んではいけない。
ベースは「邪神に立ち向かう人間」という構図だが、
- 人間が旧神の石を量産したり
- 超能力者を使って邪神の居所や意志を探ったり
- クトゥルーの寝床に核をぶちこんだり
- 運命の絆で結ばれた美少女と恋愛したり
- 挙句の果てにタイタスとヨグ=ソトースが、一対一のガチバトルを繰り広げたり
他色々、いわゆるラノベ的なノリの何かである。しかし、第1巻「地を穿つ魔」は1974年に原語版が上梓された作品なので、「クトゥルフ神話で」「このノリを」「70年代に」実現したことは実にスゴイことだ。
あと、そんなノリだからつまんないということは全くない。と個人的には思う。まあ読んでくれ。
なお、二巻でタイタスは旧神のスポークスマンにして銀河最高の科学者クタニドに依りサイボーグに改造されている。
ちなみに、ウィキペディア先生によると6巻全ての邦訳が決定している。(現在、2巻目の「タイタス・クロウの帰還」まで発売中)
たぶんというか間違いなくデモンベインが売れたからだと思う。
邦訳作品紹介(詳細なネタバレ注意)
邦訳は、現在、創元推理文庫から短編集1冊と、タイタス・クロウ・サーガに属する長編2冊が発売されている。
(短編集に関しては、国書刊行会から「黒の召喚者」というタイトルで出ているが、入手は困難だと予想されるので、現在簡単に手に入るものを記載)
タイタス・クロウの事件簿(短編集)
タイタス・クロウの周辺で起こる怪事件を年代順に並べたもの。
ラヴクラフトの中編「銀の鍵の門を越えて」に出てきた「ド・マリニーの掛け時計」がなんなのかというヒントが出る短編があったり、なんでタイタスはそんなにスゴイのん? という疑問に身も蓋もなく答える短編が最初にあったりする。
地を穿つ魔(タイタス・クロウ・サーガ #1)
「地を穿つ魔」シャッド=メル退治をめぐってタイタスとアンリが右往左往する話。
しかも、邪神対策が後手後手に回ってて徐々に余裕がなくなってくる。
後の展開を考えると、まだこの頃はまともにクトゥルフホラーものをやっていたのかもしれない。
タイタス・クロウの帰還(タイタス・クロウ・サーガ #2)
タイタスが超未来や恐竜時代、宇宙の彼方などを彷徨った末に、大十字九郎もびっくりの若々しい超人イケメンサイボーグになる話。サイボーグの描写がアレなのは70年代なので許して欲しい。
また、タイタスVSヨグ=ソトースという無理ゲーにも思える決闘も描かれる。その結末は……
しかし、緑髪緑目の美少女に出会う前からぞっこんラブされ、出会ったその晩にベットインとかそれなんてエロゲ? これにはさすがのマスター・オブ・ネクロロリコンもびっくりである。
幻夢の時計(タイタス・クロウ・サーガ #3)
壮年でどちらかと言うと知能と霊感が売りだったのに、前作で改造された結果肉体的にも超人になったせいか、やや力技が目立つようになったタイタスが「夢の国」を舞台に縦横無尽に立ち回る話。
「夢の国」と言っても舞台はネズミの国ではなく、「未知なるカダスを夢に求めて」の舞台である。
全体的に「未知なるカダスを夢に求めて」を前提としているストーリーであり、もし未読であれば一度こちらを読む事が望ましいと思われる。
登場するキャラクターや土地について基本的には御大の設定を踏襲しつつも独自の解釈がなされており、クトゥルフ神話がシェアードワールドであることを全力で活用している作品である。
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関連項目
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