ボルトガンダムとは、ネオロシアが第13回ガンダムファイト用に開発したモビルファイターである。
概要
奇想天外かつ奇天烈なデザインのメカが揃うGガンダムにあって、機体の外見に華やかさがほとんど存在しないという珍しいモビルファイター。申し訳程度に頭部がコサック帽っぽい点が唯一の愛嬌か。
それもそのはず、この機体はネオロシアが自国を訪れたモビルファイターを鹵獲しまくり、そこから使えそうな技術をとことん引っ張りだし、その末に完成した結果のモビルファイターなのである。
最大の特徴はビクトルエンジンの搭載にあり、出力はなんと通常のモビルファイターの二倍。おかげで重装甲なのにも関わらず機動性を著しく落とすことがなく、加えて外見以上のとてつもないパワーを誇る。
劇中ではシャイニングガンダムの腕を引きちぎったり、ビームチェーンで岩と結び付けられた際に自分の腕部をもぎ取ったり、マスターガンダムを押さえつけたりなど、その怪力は作中の随所で見受けられる。
装備が少なくて済むのも、このビクトルエンジンのおかげであると言えよう。
完成度の高いモビルファイターではあるが、実は膝部の耐久度が意外と低く、新必殺を使った際には文字通り足かせとなって敗れてしまった。
武装
- 頭部バルカン砲
使用率は高い。サイサリスのようにかなり高い威力を誇るのか、デスバーディを落としている。 - グラビトンハンマー
左肩に装備されている鉄球武器。両腕の甲に内蔵されているグリップからビームチェーンを吐き出させて接続し、鉄球を振り回して攻撃する。純粋な質量兵器であるが故に防げないというのが最大の特徴。しかしその設定はほとんど活かされておらず、直撃回数はほとんどない。アルゴは鉄球を射出することで敵を迎撃するといった使い方をしたことがあり、鉄球だけを打ち出すだけでも十分実用に足るようである。
必殺技
- 炸裂・ガイアクラッシャー
ボルトガンダムの中で唯一明確に必殺技とされているもの。大地を隆起させ、相手を閉じ込めたり粉砕したりする技。フィールドを分割するという使い方もされたり、ゴッドガンダム・ドラゴンガンダムらとともに「トリプルガイアクラッシャー」という必殺技を放ったり、真・流星胡蝶剣とは対照的に安く扱えるうえにかなり便利な万能技。ただし、ボルトガンダムの膝へ対する負担が半端ではないという欠点があるため、実は機体的にはあまり乱用してはいけない技である。実際そのせいでゴッドガンダムには惜しくも負けてしまい、ナスターシャは悔しさに震えることとなった。スーパーロボット大戦MXでは、「零距離ガイアクラッシャー」として、ドモンに放った捨て身のガイアクラッシャー(自分の身を犠牲に、両腕でゴッドフィンガーを潰す)が再現されている。
ゲームなど二次作品での扱い
上記のようにMXではドモン戦の技を再現+宇宙でも使いやすくするために零距離ガイアクラッシャーなる技が捏造されるなど、なかなかに愛されている機体ではある。
だが、当時のボルトガンダム人気はかなり低かった。活躍こそ目を見張るものがあったが、ボルトガンダム、もとい搭乗者のアルゴエピソードは後半となるにつれ誰かとセットになったりするなど、不遇になっていたのはそれが尾を引いたためであろう。
デザインもGガンダムを愛する子供達、というより今まで宇宙世紀を愛してきたガノタ向けの外見である。しかしそういったガノタはみんなGガンを敬遠していたため、人気が爆発しなかったのも仕方なしと言える。
スーパーロボット大戦ではその重装甲を再現され、意外と強く設定されるパターンがよく見られる。やはり大人のツボにはまりやすい機体なのかもしれない。
ただ、出演率としてはその際立った特徴が少ないことが災いして出づらい状態になっている。特にSDガンダム スカッドハンマーズにおいて存在を無視られた際は結構嘆く声が聞かれた(もっとも鉄球仲間のレイダーガンダムなどの同胞もあっさりハブられたが)。
商品化に関してもかなり不遇である。やはりボルトガンダムを愛する人はいても、深く愛でるところまでいくユーザーは少ないのかもしれない。地味だし。
機動戦士ガンダム EXTREME VS. MAXI BOOSTでは前作で「なんでボルトじゃなくてマーメイド召喚だよ!」と言われていた中、ついに念願のアシスト実装を果たす。これに伴い、サイ・サイシーがアルゴに「行くぜ、おっさん!」と呼びかけるボイスも収録された(アルゴ役の宇垣秀成は不参加であり、アルゴボイスはなし。残念)。
しかしあまりにも使いどころが限定されすぎているうえ、それすらも実用レベルには及んでいるとは言い難い。
現状はマーメイドガンダムを召喚する際の暴発扱いが基本と言わざるをえない。また、マーメイドガンダム召喚時にはある勝利ポーズも、ボルトガンダムには存在しない。せっかく実装されたのに、いかんせん人気があるとは言えない微妙さからか、かなり不遇である。
関連動画
関連項目
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