エアコン(DDLC)とは、ゲーム『Doki Doki Literature Club!(ドキドキ文芸部!)』のキャラクター「サヨリ」の部屋にあるエアコンである。
かなり特徴的なエアコンのため、「例のエアコン」と言われることもある。
概要
ゲーム画面のサヨリの部屋では、奥角の左側、窓の上にエアコンが設置されている。しかし…
あまりにもサイズが小さい。
どの程度小さいのかというと、横幅がエアコンの下に置いてあるベッドの半分程度になっている。当ゲームの舞台は日本であり、一般的な日本の一人用ベッドの横幅は80~120cmである[1]ので、エアコンの横幅は目算で40~60cmとなる。ちなみに、現実の日本で「コンパクトなエアコン」として売り出された富士通の「nocria」の横幅は68.6cmである。あまりにも小さすぎるため、「例のエアコン」に加え「クソミニエアコン」と言われることもある[2]。
しかも、このエアコンはゲームのストーリーの中で非常に重要なシーンでも背景に写ってしまっている。たいていのプレイヤーはストーリーの内容に目を奪われてしまうのだが、「肝心なところでエアコンの小ささが目に付いて集中できない」という声も一部から上がっている。
画面を見てエアコンの小ささにすぐ気付いて「エアコンちっさ!」とツッコミを入れるプレイヤーもいたが、それでも必ずしも全員が気づくわけではなかった。しかし、バーチャルYouTuberなど、生放送での当ゲームの実況プレイヤーが増加するにつれ、リアルタイムのコメントでエアコンの小ささを指摘され、プレイヤーがそれに気づいて笑ってしまう様子も見られるようになり、徐々に知名度が上がりつつある。
なお、当ゲームはアメリカで製作されており、背景には「日本ではありえなくはないが珍しい」という点がいくつか見られる。例えば住宅街では瓦が上に載った塀が多かったり、高校の教室の教壇横にパソコンの置かれたデスクがあったり、学校の廊下にベンチがあったり…といったものが挙げられる。ただし、ストーリーの進行には一切かかわらない些細な点なので、気づいても「そういう街・学校なんだ」と割り切れば気にならないレベルのものである。ただしエアコン、テメーはダメだ
上記の点を除いても、さほど背景に奇妙な箇所は見当たらない。このこともエアコンが際立ってネタにされてしまう一因となっている。
エアコンが小さい理由
この項目は独自研究を元に書かれています。 信じる信じないはあなた次第です。 |
空調文化の違い説
エアコンが小さい理由はまず単純な作画ミスが考えられる。作画ミスは多くの場合、うっかりミスや予算・スケジュール不足が原因とされる。
しかし、それに加えて製作者が日本のエアコンに見慣れていなかったため、ということも考えられる。日本冷凍空調工業会「世界のエアコン需要推定」(2019年6月)、株式会社フカガワ「世界の空調文化の違い―日本・アメリカ・ヨーロッパ」を踏まえ、以下に記述する。
ゲーム『Doki Doki Literature Club!』を製作したのはアメリカ合衆国のチーム・サルバトである。そのアメリカで需要のあるエアコンは、ダクト等によって建物全体に送風するパッケージエアコンが半分程度を占める。ちなみに日本でのパッケージエアコンの需要は約10%ほどである。
そうではない残り半分のルームエアコンについても、アメリカでは窓に設置するウインド型がルームエアコンの約89%を占めており、日本で見られるような壁掛け型のエアコンが含まれるセパレート型(スプリット型)のエアコンのシェアは少ない。
また、この絵を描いたVelinquenT氏はTwitterアカウントの情報によるとウクライナ在住である。ウクライナではセパレート型エアコンが主流ではあるが、エアコン自体の台数が約20万台と少ない(人口一人当たり約0.004台)。対する日本は約1億1千万台(人口1人あたり約0.87台)ものエアコンが設置されているので、ウクライナは日本ほどエアコンが一般的ではない。
さらに、pixivに投稿されている本人投稿の背景画像のコメント欄(上述の重要なシーンに触れるコメントがあるので未プレイの人は注意)にも、2019年7月末時点では英語圏の人々からは特にエアコンに対してコメントが無い一方、日本人からは「エアコン小さくね?」、日本と同様にセパレート型エアコンが主流の中国語圏の人[3]からは「空调比例不正确」というコメントが残されている。
つまり、製作者が暮らす地域では日本で見られるような型のエアコンは少なく、見慣れていなかったため、エアコンのサイズを誤って描いてしまった可能性がある。
エアコンではない説
また、別の説として「そもそもあれはエアコンではない」というものも挙げられることがある。しかし、そうとすればこの横長の銀色の箱は一体何なのかという問題が新しく発生してしまう。今のところその答えとしては
などが挙げられている。
確かに蛍光灯の照明にも見える。窓際の高いところにわざわざピンポイントで設置する理由が不明だが、夜間にベッドで寝るときに使う照明なのだろうか。ロールスクリーンとすることもできるが、窓幅に合わず、右側の窓についていない理由が不明である。
換気扇か送風機もありえそうである。紐などのスイッチが付いていないが、もしかしたら電灯のスイッチのように壁についているのかもしれない。実際、換気扇についてはエアコンのように見えるものも実在している(参考)し、背景の窓の右下にも実際スイッチのような金具が取り付けられている。また、少し古めの壁掛け型の空気清浄機やブレーカーBOXが小型のエアコンに見えるため、それではないかという説もある。
その他の説
「遠近法で小さく見える」というものもあるが、それだとベッドや窓が逆に不自然に大きいことになってしまう。また、「エアコンは実は普通サイズで、部屋にある他のものが異常に大きいだけ」というコペルニクス的転回のような説もある。
他にもストーリーに絡めた深い考察もあるが、ネタバレになるためここでは記載しない。
なお、VelinquenT氏はTwitterであの箱の正体について「AC」と回答しているため、少なくとも製作側としては「エアコン」として描いたことは間違いないようだ。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/kazuyan0516/status/1410583439594582022
また、HDリマスター・追加要素のある『Doki Doki Literature Club Plus!』でも特に修正されておらず、「エアコンの大きさはプラスされなかったのか」等とファンから言及されている。
関連動画
関連項目
脚注
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