カーンとは、Magic:the Gatharingの登場人物の1人であり、かつて罪のない村人を誤って殺害してしまったことから不殺の誓いを立てた(プレインズウォーカーは除く)ゴーレムである。
概要と背景
プレインズウォーカーのウルザは、兵器としてカーンを造りましたが、目的はほかにもありました。5色すべてのマナを制御できるこの銀のゴーレムは、時空を渡る能力を持つプレインズウォーカーであり、強力なアーティファクトにして世界の創造者でもある頼もしい味方です。
カーンは、レガシーにおける最初のアーティファクトです。レガシーとはアーティファクトの一群で、その神秘の力は人工の機械次元、ファイレクシアに対抗する手段となり得ます。数十年後、ファイレクシアがドミナリアの次元に侵攻した際、カーンは同じレガシーのアーティファクトと共にファイレクシアの機械の始祖を倒すことで、その使命を果たしました。その瞬間、カーンは自らの創造主の才能を引き継ぎ、プレインズウォーカーとなったのです。
後にカーンは、自分の次元を作り出しました。アージェンタムという機械の世界です。カーンが多元宇宙を探索している間にこの次元は汚染され、次元が再形成されるにつれ、カーンが見張り用に造ったその番人の精神は腐敗していきました。
ドミナリアの時間危機の最中、カーンは時間の崩壊をくい止めるためにジョイラ、そしてプレインズウォーカーのテフェリーやヴェンセールと手を組みます。その過程で、自身の創造した次元において彼もまた汚染の影響を受けてしまいます。汚染によって精神を乱され、そして破壊されたカーンは ミラディン へと逃れ、そこで新ファイレクシア人たちに次の機械の始祖として祭り上げられました。プレインズウォーカーのコスは、故郷であるミラディン の次元を救うための仲間を探していました。そして彼はエルズペス・ティレルと、カーンの友人であるヴェンセールを仲間にします。しかし、3人が到着した頃には、この次元はもはや救済不可能なまでに毒されていました。汚染が他の世界に広がるのを防ぐため、ヴェンセールは自らを犠牲にし、カーンに汚染への耐性を与えました。
アージェンタムの運命と友人の死を悲しみながらも、カーンは再び多元宇宙を旅し、汚染を絶つべく自分の足跡をたどり、その源を見つけ出そうとしています。
対ファイレクシア用必殺兵器「レガシー」のパーツとして、そして、時間逆行実験の探査機として大魔術師「ウルザ」が製造した銀製のゴーレム。人格を形成するパーツとしてファイレクシア人「ザンチャ」[1]の人格マトリクス(心のようなもの)を使用している。
時間逆行実験の失敗後、カーンは「ウェザーライト・サーガ」[2]の主人公、「ジェラード・キャパシェン」の幼少期の保護者となった。しかし、キャパシェン家がファイレクシア人の襲撃を受けてジェラードとカーン以外は皆殺しに遭ってしまったため、2人は「シダー・コンド」の庇護を受けることとなった。
ジェラードはシダー・コンドの元で武芸の達人として成長していった。しかし、彼の実子でありジェラードの義兄弟「ヴュエル」[3]はそこまでのレベルに至らず、成人の儀式にも失敗してしまった。このことで、ヴュエルは父親を殺し、レガシーのひとつを盗み出して町を出て行った。カーンはヴュエルの犯罪に気付き、レガシーを取り戻そうと追いかけたが、その際に無関係の村人を誤って殺してしまった。さらにその悲劇の隙をつかれてヴュエルに機能停止させられてしまった。
機能停止したカーンは流れ流れて次元航行船「ウェザーライト」の船倉に置かれた。その後、ウェザーライトの艦長代行となったジェラードに発見され機能を回復、乗組員の一員となりメンテナンススタッフとしてファイレクシアとの戦いに加わった。
ファイレクシアとの戦いの最終盤でカーンはウルザ、そしてジェラードと融合してプレインズウォーカーとなった。そして、プレインズウォーカーの力を用いて機械の次元「アージェンタム」を作り、半休眠状態でファイレクシアとの戦いが終わった後の世界(ドミナリア)を監視していた。その後、いろいろあって管理者「メムナーク」にアージェンタムの管理を任せて多元宇宙への旅に出た。なお、メムナークがアージェンタムにいろいろやらかしてできあがったのが「ミラディン」である。
「時のらせん」ブロックでは、プレインズウォーカーがプレインズウォーカーの灯(自分のだったり他人のだったり)を消費して「時間の裂け目」を閉じるストーリー展開があり、カーンもこのときに自分のプレインズウォーカーの灯を使って時間の裂け目を閉じた。その結果、カーンの体内にあったわずかな「ファイレクシアの油」[4]が活性化してしまったため、弟子であった「ヴェンセール」に「誰もついてきてはいけない」と言い残して多元宇宙の暗部「久遠の闇」のかなたへ姿を消した。
だが、残念なことにファイレクシアの油に汚染されたカーンはなんだかんだで新ファイレクシア軍団に回収され、ミラディンに到着してしまった。そこで「新たなる機械の始祖」として祭り上げられ「完成」させられかけてしまう。しかし、ヴェンセールが自らの命と引き換えにプレインズウォーカーの灯を受け渡し、プレインズウォーカーとして復活、あと一歩のところで「完成」を免れた。
その後、カーンは再びミラディンを去り、各地の次元でファイレクシアの痕跡を探して旅をしている。
カードとしてのカーン
カーンとしてデザインされたカードは2014年10月現在で2枚存在している。ひとつは伝説のアーティファクト・クリーチャー、もうひとつはプレインズウォーカーである。
Karn, Silver Golem / 銀のゴーレム、カーン (5)
伝説のアーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem)
銀のゴーレム、カーンがブロックするかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで-4/+4の修整を受ける。
(1):クリーチャーでないアーティファクト1つを対象とする。それはターン終了時まで、パワーとタフネスがそれぞれ自身の点数で見たマナ・コストに等しいアーティファクト・クリーチャーになる。4/4
「ウルザズ・サーガ」に収録されたカード。伝説のアーティファクト・クリーチャーとしては最初のカードである。
1つ目の能力はストーリー再現のための能力でクリーチャーと戦闘する際には相手を殺さないようパワーを0に下げ、防御体制をとる。だが、プレイヤーとプレインズウォーカー、お前らはダメだ。
《包囲の搭、ドラン》[5]と一緒にいると逆に8ダメージでぶん殴るのはご愛嬌。
2番目の能力はアーティファクトのクリーチャー化。自分が使ったアーティファクトを戦力化してもよいし、対戦相手の0マナアーティファクトを指定して破壊したり、装備品を指定して装備解除したりしてもいい。
Karn Liberated / 解放された者、カーン (7)
プレインズウォーカー — カーン(Karn)
[+4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札からカードを1枚追放する。
[-3]:パーマネント1つを対象とし、それを追放する。
[-14]:解放された者、カーンにより追放された全てのオーラ(Aura)でないパーマネント・カードを別にした状態にしたまま、ゲームを再び開始する。その後、それらの別にしたカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。6
「新たなるファイレクシア」に収録されたカード。ヴェンセールの灯を受け取り、プレインズウォーカーとして復活したカーンを表している。
プラス能力は手札追放。一応自分の手札を追放することもできる。大マイナス能力との兼ね合いを考えて飛ばすことを考えるシチュエーションもあるかもしれない。忠誠度上昇も驚異の[+4]。初期忠誠度[6]とあわせて忠誠度10を一気に削るのは至難の業である。(それに1ターンで10点も削れるならプレイヤーを殴れば殺せるところまでライフも減ってるだろうし)
小マイナス能力はパーマネント追放。もう何か言うこともないくらい強力。だだし、忠誠度消費が大きいのでこの能力から使うとちょっと悲しいことになってしまう可能性がある。
大マイナス能力はゲームの再スタート。2014年10月時点ではこのカードのみが持つ効果であり、専用ルールも存在する。
プラス能力、小マイナス能力で消し飛ばしたパーマネント・カードはこの再ゲームで最初から自分の戦場に置くことができる。大型のクリーチャーを消し飛ばしていたら始まる前から試合終了である。 また、再ゲームには「紋章」や「毒カウンター」は持ち込まれないのでこれらの消去手段となる効果である。
余談だが「紋章」を消去する効果を持つカードはマジック:ザ・ギャザリングには存在しない。とんち話みたいだが、この効果は「今のゲームを無勝負(勝敗をつけない)で終了させて新しくゲームを始める」のである。「毒カウンター」は1種類だけ消去効果を持ったカードが存在する。
出てしまえば理不尽かつ凶悪な能力で対戦相手を蹂躙するカードである。とはいえ、7マナは無色でも非常に重いコストであるため大量のマナを一気に生産できるデッキでないとこのカードを出した時点ですでにゲームは終了直前、もう出番ないよ、ということになりかねない。
主にモダンの【ウルザトロン】(「ウルザの塔」「ウルザの魔力炉」「ウルザの鉱山」の3種類の土地を主軸に置いたデッキ。この3種が全部そろうと土地3枚で7マナが出る)で決戦兵器として使われている。
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関連項目
脚注
- *潜伏工作員(人間の姿を真似て作られたスパイ)の女性型ファイレクシア人。通常のファイレクシア人と異なり自然を愛する汚れ無き性格を持っていたため廃棄処分されかけていたところをウルザに助けられた。
ウルザ関係のストーリーでは非常に重要なキャラクターであり、どのくらい重要かというとMTGwikiでの文章量がカーンの3倍くらいあるくらい重要である。 - *「ウェザーライト」から「アポカリプス」までの4年間に渡って続けられた冒険譚。スタンダードな物語(すごい勢いでキャラが死ぬけど)として人気は高いものの、基本的に最長2年でカードが使えなくなるゲームの背景ストーリーとしては長すぎたため、この時期の途中からMTGを始めた人は背景ストーリーが全然わからない、という問題を発生させた。この反省は後の背景ストーリーの作り方に影響を与えている。
- *後にファイレクシアで人体改造を受け、自らを「ヴォルラス」と名乗るようになる。ウェザーライト・サーガ前半の大ボスであるが、後半になるとかませにかませそしてかませ死する扱いがかわいそうな人である。
- *ファイレクシア人の体内に存在する油。これが少しでも付着してしまうと徐々にファイレクシア人化していくという非常にヤバい代物である。ただし、ファイレクシア人は決してプレインズウォーカーになれないという特性があるため、逆説的にプレインズウォーカーになってしまえば、ファイレクシアの油をがぶ飲みしようとファイレクシア人化することはない。
- *塔ではない。意味が通らなくても「塔」ではなく「搭」。
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