『キン肉マンII世』とは、『週刊プレイボーイ』およびその公式サイトで連載されていた、ゆでたまごによる漫画作品およびアニメ作品やゲーム作品である。
1980年代に『週刊少年ジャンプ』で連載していた『キン肉マン』の続編。
概要
1997年に『週刊プレイボーイ』誌上において読み切り作品として掲載され、その後5回にわたる短期連載を経て、1998年19・20合併号より正式に連載がスタート。
かつて世界の危機を救った正義超人たち(伝説超人)だが、時は流れ、再び悪行超人たちは侵略を始めた。伝説超人たちは若く力強い新世代の悪行超人に対抗すべく閉校していたヘラクレス・ファクトリーを復活させ、鍛え上げた超人(新世代超人)たちがリング上で超人プロレスを行う。
連載開始序盤はアダルト要素が目立ち、万太郎や凛子が風俗店にいる描写、下品な技もいくつかあったが、アニメ版(TX)が午後6時に放送されてからは、徐々にそういった要素は薄れ、原作の方も第二部になると完全に消えた。
敵味方ともに『キン肉マン』時代の超人やその息子・弟子が多数登場し、何も語られずフェードアウトしていった超人の後日談が語られたり、過去の因縁が蒸し返されることが多い。その一方で描写・設定がころころ変わるのも受け継がれており、独特の「ゆで理論」もまた健在である。
初代で登場した残虐・悪魔・完璧の3属性を「悪行超人」としてひとまとめにしているのも特徴。これは新規読者へ分かりやすく配慮したものだが、各属性のキャラクターを深く掘り下げることができなくなってしまうという弊害も発生した。この反省を踏まえ、Ⅱ世終了後に再開した初代キン肉マンでは各属性のイデオロギー闘争が細かく描写されている。
万太郎達の闘いと成長を描いた第一部と、万太郎達が初代『キン肉マン』のタッグ編の時代にタイムスリップして時間超人らとタッグ戦で闘う第二部「究極の超人タッグ編」に分かれている。第二部の連載途中で『週刊プレイボーイ』の公式サイトに連載の場を移し、2011年10月3日更新分にて完結。
現在は初代『キン肉マン』の王位争奪戦の直後を描いたストーリーがウェブサイト上で連載中である。
また、スピンオフ作品が『キン肉マンII世〜オール超人大進撃〜』のタイトルで『Vジャンプ』に2001年7月号から2007年5月号まで連載されていたこともある。内容はオリジナル展開で子供向けのものになっている。そのため、本編のような性表現やグロ描写は控えめになっており、本編で活躍の場が少ないキャラクターが脚光を浴びたり、女性超人の登場が特徴的となっている。
第一部(1997年~2004年)
主人公である万太郎がヘラクレス・ファクトリーで奮闘、伝説超人との出会い、火事場のクソ力を身に付けさせるための鍛錬など多くの闘いを経て成長していく物語。
「ヘラクレスファクトリー編」、「d.M.p編」、「一期生・二期生入れ替え戦編」、「火事場のクソ力修練編」、「超人オリンピック ザ・レザレクション」、「悪魔の種子編」という構成になっている。
なお、ゆでたまご公式サイトでは『キン肉マンII世 second generations』とサブタイトルが付けられている。
第二部 究極の超人タッグ編(2004年~2011年)
時間超人がキン肉マン達を抹殺しようと、正義超人たちはそれを阻止しようと、それぞれタイムワープして過去に遡り、宇宙超人タッグ・トーナメントを終えたばかりの現役時代の伝説超人たちと共に、新旧入り乱れてのタッグトーナメントを行う。
ちなみに、単行本の巻数はリセットされて1巻からスタート。なお、究極の超人タッグ編を収録した文庫版は発売されていない。
スピンオフ作品 オール超人大進撃(2001年~2007年)
本編である週プレ版とはパラレル世界となっており、Vジャンプ版とも呼ばれる。一部本編と共通するストーリーもあるが、設定の違いなど異なる部分が多く、オリジナルの超人も多数登場する。
「d.M.p編」、「超人一等祭編」という二部構成になっている。
登場キャラクター
新世代超人の多くは父親譲りの風貌。それぞれ独特のコスチュームを身に着けている。
- キン肉万太郎 (声:小野坂昌也)
- 父・キン肉スグル、母・ビビンバ。
本作の主人公。キン肉マスクの額部分には前髪が垂れ下がっており、「肉」の文字は無いが、火事場のクソ力を発揮すると「肉」の字が浮かび上がる。普段は下品で臆病だが、友情に厚く、友の危機にはたとえ強大な敵であろうと立ち向かうガッツをみせる。 - アニメ版では、父の影響か「牛丼音頭」ではなく、自身が好物である「カルビ丼音頭」が頻繁に流れた。キメ台詞は「股間にイチモツ手にニモツ」読者による人気投票ではイマイチな順位に甘んじている。
- テリー・ザ・キッド (声:森川智之)
- 父・テリーマン、母・翔野ナツ子。
テリーマンにそっくりな顔立ちだが、額の文字が「K(キッド)」になっている。登場初期は、いつもキン肉マンに手柄を譲り二番手に甘んじていた父に反発し、キン肉マンの息子である万太郎に強い対抗意識を抱いていたが、徐々に友情を重んじた偉大な父を尊敬するようになり、さらに地味になった。 - また、幼少の頃より父にさまざまな知識を与えられており、試合観戦時は父と同じく解説役に回ることもしばしば。その際のお約束の台詞は「そういえばパパからきいたことがある。」。
- セイウチン (声:山崎たくみ)
- H・F(ヘラクレス・ファクトリー)第一期生で、万太郎・キッドの同僚。
ドレッドヘアーのセイウチ族超人で、心優しい性格。しかし闘いではその優しさが仇となりつけ込まれてしまうこともしばしば。ネプチューンマンに完璧超人にされたことも。
彼の試合にはよく母と妹が登場する。 - ガゼルマン (声:増谷康紀)
- H・F(ヘラクレス・ファクトリー)第一期生で、万太郎・キッドの同僚。
ガゼルを人型にしたような超人。H・F(ヘラクレス・ファクトリー)を首席で卒業したことを何かと持ち上げるが、そのたびに新たなライバルの手にかかり倒される。所謂かませ犬ポジション。 - アニメ版ではギャグ的な部分がプラスされ、出番が増えた。…にもかかわらず、第二部・究極の超人タッグ編では小鹿可愛さに現代に残る。
- ちなみに、ここまでの上記4人を総称して「TEAM AHO(チーム アホ)」と呼ばれる(名付け親:ハラボテ・マッスル委員長(当時))。
- ケビンマスク (声:置鮎龍太郎)
- 父・ロビンマスク、母・アリサ。
幼い頃からの父・ロビンマスクによるスパルタ指導と、名門ロビン一族の跡継ぎという重荷に耐え切れなくなり家を出る。一度は悪魔超人側に身を置くも考えの違いから離反。正義側・悪魔側、どちらにも属さないフリーの立場となる家出はしたが、ロビン家伝家の宝刀「タワーブリッジ」はちゃっかりしっかり受け継いでいる。 - 読者による人気投票では常にトップ争いの常連。その影響か第二部では…。
- チェック・メイト(声:遠近孝一)
- サンシャインの弟子。
チェスの駒を模した服装をした超人。口調は丁寧で礼儀正しいが、慇懃無礼な傾向がある。師・サンシャインからネガティブな言葉と感情を教えられずに育てられたため、痛みを感じないが、それを「どんな技でも耐えられる身体を持っている」と勘違いしていたため、ダメージを蓄積し敗れる。 - その後、正義超人に転身するが、現在までまともに試合が組まれたことがない。
- ジェイド (声:野島健児)
- ブロッケンJr.の弟子。H・F(ヘラクレス・ファクトリー)第二期生。
「ベルリンの赤い雨」など、彼直伝の技を使いこなす。真面目な性格の金髪イケメン。Vジャンプ版だとヘルメットがカタカタ伸びたりする。 - スカーフェイス (声:乃村健次)
- H・F(ヘラクレス・ファクトリー)第二期生。
悪質かつクールに戦う超人で、その正体はH・Fに潜入していた悪行超人。必殺技「アルティメット・スカー・バスター」で多くの正義超人をKOさせるも、万太郎に敗れてからは、正義超人側に回りサポートするようになった。 - カオス・アヴェニール
- 第二部に登場。記憶を失くし、孤児院で暮らす青年。幾多の謎を抱えたまま、万太郎と共にタッグで出場する事になる。超人オタクだけどイケメンなんだぜ!
- ライトニング
- 第二部に登場する時間超人。サンダーと共に足を変形し「死時計の刻印」で多くの超人を葬っている。
- サンダー
- 第二部に登場する時間超人。ライトニングと共にタッグを組んで出場。腕を鐘に変形することが出来るがジェロニモによって破壊された。
アニメ
2002年1月より、テレビ東京系列にて放送。2004年と2006年に続編が放送され、計三度アニメ化され、映画作品も2本制作されている。もっとも初代と違い、原作の全てのストーリーがアニメ化されておらず、「悪魔の種子編」以降のアニメ化は実現していない。
アニメの製作は初代と同じく東映アニメーションが担当。シリーズディレクターには小村敏明が起用されている。
プレイボーイで連載された原作をアニメ化したものの、第1期が夕方に放送された子供向けの作品だったことから性表現やグロ描写は控えめとなり、主人公キン肉万太郎の性格も若干マイルドになっている。そのため、作風としてはVジャンプ版の「オール超人大進撃」に近い。また、作中でのギャグ描写も多く、旧作の第1期を意識したと見られる演出が施されていた。
なお、キン肉スグルとアレキサンドリア・ミートの声優が変更となり、逆にテリーマンとロビンマスクの声は初代の声優陣に戻る形となった。唯一サンシャインのみが旧作から一貫して同じ声優が起用されるキャラクターとなる。
キン肉マンII世(第1期)
2002年1月9日から2002年12月25日まで毎週水曜日の18:00から放送。全51話。
内容は原作の「ヘラクレス・ファクトリー編」から「超人オリンピック編(アニメでは超人ワールドグランプリ)」の予選までが描かれており、最後の7話はアニメオリジナルストーリーとなっている。
主題歌
- オープニングテーマ「HUSTLE MUSCLE」
- 作詞・里乃塚玲央/作曲&編曲・渡部チェル/歌・河野陽吾
- 前期エンディングテーマ「愛のマッスル」(第1話 - 第26話)
- 作詞&作曲・田光マコト/編曲・ザ・パーマネンツ/歌・ザ・パーマネンツ
- 後期エンディングテーマ「恋のMy chop!!」(第27話 - 第51話)
- 作詞・松本悠/作曲・西田昌史/編曲・MIN/歌・横須賀ゆめな
キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE(第2期)
2004年4月8日から7月1日まで毎週木曜日深夜1:00から放送。全13回。
時間帯が深夜枠に移り、1クールのみの放送となった。内容も「超人ワールドグランプリ編」の2回戦までと中途半端なところで終了している。
主題歌
- オープニングテーマ「believe」
- 作詞・The NaB's /作曲&編曲・芳野藤丸/歌・The NaB's
- エンディングテーマ「赤色ダンスホール」
- 作詞&作曲・田中大我 /編曲・sui/歌・sui
キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE2(第3期)
2006年1月5日から3月30日まで毎週木曜日深夜1:00から放送。全13回。
内容は2期の完結編という形で「超人ワールドグランプリ編」の準決勝と決勝を描いている。なお、決勝の結末が原作とは異なっている。
主題歌
- オープニングテーマ「Trust Yourself」
- 作詞&作曲・高取ヒデアキ/編曲・籠島裕昌/演奏・ZETKI/歌・高取ヒデアキ
- エンディングテーマ「誓ノ月」
- 作詞・一志/作曲&編曲・Kagrra/歌・Kagrra
劇場アニメ
全作品とも「東映アニメフェア」内で公開。ちなみに劇場版第1作はテレビアニメ放送開始よりも先に公開されている。
作品数 | タイトル | 公開日 | 主題歌 |
---|---|---|---|
第1作 | キン肉マンII世 | 2001年7月14日 | MUSCLE BEAT(角田信朗) |
第2作 | キン肉マンII世 マッスル人参争奪!超人大戦争 | 2002年7月20日 | HUSTLE MUSCLE(河野陽吾) |
関連動画
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ゲーム
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関連項目
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