ビル・スティアーとは、イギリス出身のヘヴィメタルミュージシャン（ギター、ボーカル）である。
概要
本名はウィリアム・ジェフリー・スティアー(William Geoffrey "Bill" Steer)。
イングランド北東のストックトン・オン・ティーズにて、イングランド人の父と、スコットランド人の母の間に生まれる。
少年期から10代までの間に、ヘヴィメタル/ハードロックに引き込まれ、モーターヘッド(Motorhead)やディープ・パープル(Deep Purple)、AC/DC、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、UFO、アイアン・メイデン(Iron Maiden)などに影響を受け、ギターを始める。
1985年に、ディスアタック(Disattack)というバンドを結成。2年後に、カーカス(Carcass)と名前を変更する、カーカスの前身バンドであり、ハードコア・パンクの影響を色濃く残したバンドであった。
また87年には、グラインド・コアの始祖である伝説のバンド、ナパーム・デス(Napalm Death)にギタリストとして加入。この時期、ビルはまだ10代であった。アルバムとしては、2枚しか参加していない(内1枚はアルバムの半分だけ)ものの、1989年まで在籍し、19歳の時に来日ツアーも行っている。
ホテルにだけ泊まるのではなく、知り合いの家を転々としていた事もあったようで、ビルは後に「クレイジーエクスペリエンスだったね！」と述懐している。
日本からのツアーの後に、ナパーム・デスのボーカルであったリー・ドリアンと共に、バンドを脱退。カーカスを結成。(リー・ドリアンはドゥーム・メタルバンドのカテドラルを結成。)
初期のアルバムは、ゴア・グラインドというジャンルの確立に、後にマイケル・アモット(元Carnage～現Arch Enemy)が加入すると、メロディック・デスメタル、所謂メロデスというジャンルを確立した。
しかし、1995年にカーカスを脱退。事実上、カーカスは解散となった。
後にしばらく音沙汰が無かったが、オーストラリアに移住し、ブルース・ロックに傾倒し始める。
また、この時期に、スライドギターやブルースハープの技術を習得していたという。
1999年に、ビル、元カテドラル(Cathedral)のレオ・スミー、スピリチュアル・ベガーズ(Spiritual Beggars)のラドウィッグ・ウィットのトリオ編成でブルース・ロックバンド、ファイアバード(Firebird)を結成。
クリーム(Cream)やマウンテン(Mountain)等の、70年代のブルース・ロックの影響を強く残すオーガニックな演奏を聴かせるバンドであった。
しかし、2011年にファイアバードによる活動を休止。Facebookにて今までバンドを支えてくれたファンに対して感謝の意を表した。
(活動休止に至った理由については「書き尽くせない」とコメントしている。)
また、2007年に突如、カーカスを再結成しており、2008年には海外でのツアーや来日も行っており、2013年の9月にニューアルバム「Surgical Steel」をリリースする。
現在は、カーカスと、2009年に加入したジェントルマンズ・ピストルズ(Gentlemans Pistols)、2010年にライブギタリストとして加入したエンジェル・ウィッチ(Angel Witch)の3バンドを掛け持ちしていることになり、今も精力的に活動している。
余談
・イギリスでも最初期のテープトレーダーの1人らしく、知名度は高くなかったものの、グラインド・コア、ファスト・コアに多大な影響を与えたバンドであるシージ(Siege)のデモテープを、ナパーム・デス加入前のシェーン・エンバリーに手渡し、後のナパーム・デスの音楽性に深いインスピレーションを与えた。
・カーカスを辞めた後、音楽とは関係ない仕事を転々としていたらしく、ワインの知識があった為、倉庫のようなところでワインのアドバイザーなどもやっていたらしい。ビル曰く「(あの頃やってた仕事は)皆給料が安かったね」と述懐している。
・相当な愛犬家であり、インタビューで犬の話題が出ると、とたんに表情を和らげるような一面もある。
現在は犬を飼っていないが、引っ越しの影響で飼えなくなった、前に元彼女と飼っていた犬が実家で飼われているらしい。
・ビール党。
・今年(2013年)で44歳になるが、元カーカスメンバーの中で最も風貌が変わっておらず、今なおサラサラの金髪をしたイケメンである。
・初めて買ったギターはレスポールのコピーだったらしく、今のカーカスでもレスポールカスタムを使用しているのが見られた。ファイアバードとジェントリマンズ・ピストルズではレスポールジュニアを使用している。
・初めてお金を出して買ったレコードは、モーターヘッドの「The Golden Years」(4曲入りのEP)である。
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関連項目
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