※何が何でも守らなければいけないわけではない。
概要
上座に偉い人が座る。基本的に「入口から一番遠いところ」が上座となり、「入口から一番近いところ」が下座となることが多い。なお、和室の場合は、床の間や仏壇の前が上座とされる。
この位置の理由については諸説あるが、
- 武家社会のころに誕生したルールで、入口の人が斬り殺されてしまうリスクが一番高いため
- 入口の近くだと人の出入りがせわしない上、廊下の物音が聞こえてきてしまったりするため
- 下座側の方は入って来た人の対応や(宴会の場合は)注文をしやすいため
などがある。
洋室の場合はソファがある方が上座であり、1人掛けと2人掛けのソファがある場合は2人掛けが上座になる。
ただし、あまり上座・下座を気にしない人も増えてきており、そこまで重要なマナーでもなくなりつつある。寒がりな人を冷房の風が当たってしまう場所の上座に座らせるなど、かえって上座を気にしすぎると失礼になる場合もあるので、柔軟に対応することが必要である。
なお、勝手に上座に座った人を侮辱したり陰口を言ったりするのはマナー違反である。むしろマナー以上にいろいろ違反している。
乗り物の場合
車では上座から順番に「運転席の後ろ」「助手席の後ろ」「後部座席の真ん中」「助手席」「運転席」となるが、これは日本独自の慣習であり、国際的には「助手席の後ろ」に最高位の人間が座る。
列車や航空機では窓側が上座、次いで通路側。3列シートの場合は真ん中が最下位になる。ボックスシートの場合は進行方向に向いている側が上座。
船では最後部が上座になる。帆船時代に船長室が最後部にあった名残で、横須賀で保存されている戦艦三笠の長官室も艦尾にある。しかし、現在の艦船ではその限りではなく、ブリッジ付近などに艦長室・船長室が設けられている場合が多い。
将棋や囲碁
将棋や囲碁などの対局においては、序列が上位の棋士が上座に座って対局する慣習がある。ただし、タイトル戦では必ず当該タイトル保持者が上座に座る。例えば将棋の序列最下位タイトルである棋聖戦では、挑戦者が竜王名人だとしても棋聖が上座。
なお順位戦では前期成績に基づく順位に従う慣習があり、かつてA級順位戦で9位の羽生が1位の中原と4位の谷川を相手に「自分が四冠だから」と間違って上座に座ってしまったことがあった。
しかし、これはあくまで慣習であり明確な決まりがあるわけではないので、相手の序列が下であっても大先輩であったりする場合、上位の後輩棋士が下位の先輩棋士に上座を譲ったり、はたまた先輩棋士が断ったりといった「上座の譲り合い」が頻繁に生じているらしい。
関連動画
関連静画
関連項目
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