西九州自動車道は福岡県福岡市から佐賀県・長崎県を経て佐賀県武雄市に至る高速道路(自動車専用道路)。
概要
「国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路(一般国道自動車専用道路)」に指定されている道路。「西九州」という名の通り、福岡県福岡市を起点に佐賀県唐津市・伊万里市、長崎県松浦市・佐世保市を経由する。但し、西九州道としては完全な西九州沿いを通る訳ではなく、佐世保市に到達したら進路を大きく東寄りに変え、再び佐賀県に戻って武雄市に戻る。
ほぼ全てが自動車専用道路であるため、西九州自動車道=高速道路と言うイメージを持たれるかもしれないが、実は前述の法律上、この道路は全域が国道497号に指定されている。地図などでは国道497号が省略されている場合もあり、「幻の国道497号」と思われるだろうが、何のことでもない。西九州自動車道そのものである(圏央道・東海環状道・三遠南信道と同じ理屈である)。
原則として4車線。但し、現段階では福岡前原道路(福岡市~糸島市)を除いて多くの区間で暫定2車線が残る。また、計画の見直しで佐賀県伊万里市~長崎県佐々町までの区間は完成2車線(即ち、拡幅を前提としない)で建設・供用される事になっている。
なお、糸島市内にある二丈浜玉道路は並行する国道202号のバイパスという位置付けである為、厳密には西九州道ではないものの、唐津市の手前で西九州道と直結していることや、東交差点(後述)~糸島市二丈福井地区までの区間(現在検討中)も西九州道として直結する計画であることから、実質的に西九州道の一部として捉えられることが多い。二丈浜玉道路は自動車専用道路ではないため、理論上は一般道路と同様、人やバイクも通行できる。
ルートを見ても分かるとおり、既存の国道に対するバイパスといった意味合いが強く、福岡~伊万里までは国道202号、伊万里~佐世保は国道204号、佐世保~武雄は国道35号と並行している。「武雄佐世保道路」(武雄JCT~佐世保大塔IC)は供用した当初は国道35号のバイパスだったが、国道が改正された1993年に国道497号に切り替えられている。
管理者
西九州道の整備にあたっては道路を管理する機関が路線単位で大きく異なっている。
- 福岡前原道路(福重JCT~糸島市・東交差点):福岡県道路公社
- 二丈浜玉道路(糸島市二丈福井~二丈鹿家IC):福岡県道路公社・佐賀県道路公社
- 唐津道路(二丈鹿家IC~唐津IC):国土交通省
- 唐津伊万里道路(唐津IC~伊万里東IC):国土交通省
- 伊万里道路(伊万里東IC~伊万里西IC):国土交通省
- 伊万里松浦道路(伊万里西IC~松浦IC):国土交通省
- 松浦佐々道路(松浦IC~佐々IC):国土交通省
- 佐々佐世保道路(佐々IC~佐世保中央IC):国土交通省
- 佐世保道路(佐世保中央IC~佐世保大塔IC):NEXCO西日本
- 武雄佐世保道路(佐世保大塔IC~武雄南IC):NEXCO西日本
- 長崎自動車道(武雄南IC~武雄JCT):NEXCO西日本
国土交通省が管理するエリアは全線無料だが、それ以外は通行料金が発生する。特に佐世保中央~武雄JCTまでの区間は本線料金所が合計3箇所も設置されており、少し走っただけでも料金所に出くわすため、通行が面倒である(そこでETCの出番ですよ)。
なお、福岡前原道路・二丈浜玉道路にはETCレーンが無い(例外として福岡西TB→福重JCTにはETCレーンがあるものの、これは福岡高速都市高環状線へ乗り継ぐ人のために設置されている)。福岡前原道路の場合、本線料金所では行き先を尋ねられるため、隅っこから隅っこまで走る場合は事前に通行料を支払うと、特製の通行券が渡される(反対側の本線料金所で係員に渡す)。
ちなみにこの通行券は、ETCで通行する場合、上り方向(糸島→福岡)の場合はおのずと持ち帰ることが出来る。これは糸島側の本線料金所にはETCレーンが無く、福岡西TBでETC無線通行をすると係員に通行券を手渡す必要が無くなるため。
インターチェンジなど
福重JCT(福岡高速都市高環状線)
拾六町IC
福岡西TB
今宿IC
周船寺IC
前原TB
前原IC
東交差点(暫定出入口・国道202号今宿バイパスと直通)
(この間未開通)
二丈浜玉道路(糸島市二丈福井~二丈鹿家IC)
二丈鹿家IC
浜玉IC
唐津IC
唐津千々賀山田IC
(この間未開通)
8.佐々IC
7.相浦中里IC
6.佐世保中央IC
5.佐世保みなとIC
4.佐世保大塔IC
3.佐世保三川内IC
2.波佐見有田IC
1.武雄南IC・武雄南TB
(6)武雄JCT(長崎自動車道と接続)
途中にはサービスエリアが一軒も無いので注意(二丈浜玉道路などでは牧のうどんなど、ロードサイド店舗が結構ある)。PAは福岡西TBの脇に小規模ながら設置されている。但し、駐車マスが非常に少ない上に見逃しやすい所にあるので注意。
アラカルト
- 福岡前原道路と二丈浜玉道路との間は今宿バイパスが通っているため、自動車専用道路部分の開通までは今宿バイパスで乗り継ぎする事になる(建設される気配は無いが、国土交通省による設計地図ではその上に自専部を作る模様)。ぶっちゃけ、無料にしない限りは自専部は通らないと思うが、皆さんどうだろうか?
- 西九州道は福岡~糸島を除いて殆どが対面通行であるため、最高速度が70km/hに規制されている(一部は60km/hの所もあるので注意。なお、二丈浜玉道路は一般道路の法定速度(最大60km/h)に指定されている)。福岡~糸島(東交差点)までは4車線化されている上、一部は高速自動車国道と同様、最大100km/hで通行できる所もある。
- 仮に全通した場合でも、伊万里市~佐世保市の間を行き来する場合は西九州道経由だと遠回りになる(松浦・平戸経由になるため)。ここは伊万里市から国道202号を経由して佐世保三川内ICから佐世保市中心地へ向けて通行する方が圧倒的に速い。
- 前述の通りにPAは目立ちにくいところに、SAに関しては一軒すら無い。トイレに行きたくなった場合は一般道に降りてコンビニなどに寄るしか選択肢が無い。是非ともSAPAあるいは道の駅の設置をお願いしたいところである。
- 佐世保大塔IC(長崎道方面側)は、かつてはそこで西九州道が強制終了し、国道205号針尾バイパスと繋がっていた。そのため、佐世保市中心地へ向かう場合、もしくは長崎道方面へ向かう場合は「右側から入場あるいは出場」という、都市高速で見られるような構造をしている。なお、後から開通(市街地・佐々方面)からの入出場に関しては従来どおり左側からとなる。
- 佐世保中央IC(無料及び有料の切り替わり地点)のICは非常に複雑な構造をしている。佐世保市街地にあって地形的に不利な状況下にあるのも理由の一つだが、元々は九州文化学園高等学校の旧敷地とその周辺(下矢岳町地区にあった海軍の練兵場跡地)があったところを無理やりICにしたため。一般道⇔高速道路へは一旦1周した後でどちらかの方向(長崎・佐々方面)に向かう形態をとる。これは色んな意味で都市高速のジャンクションのようにも見えるため、ジャンクションマニアの方々には是非とも見て貰いたい穴場スポットである。佐世保中央ICの下には市営駐車場があるので車で来ても問題ない。また、ICが繋がる部分には有名な佐世保バーガーのお店があり、2階からICの様子を眺められるので、佐世保バーガーを食べながら高速道路を眺めるのもある意味良いかも。
- 武雄南ICは西九州道専用のインターチェンジであるため、ここから長崎道への入出場はできない。そのため、J-sapa/Hallo Squareが配布していた地図には「長崎自動車道から武雄南I・Cを通って一般道へは出られません。一般道から武雄南I・Cを通って長崎自動車道へは入れません」という旨のお触れ書きがあった。ちなみに、現在のNEXCO西日本が配布している地図でも武雄南ICから長崎道(あるいはその逆)は利用できないことが説明され、尚且つ、長崎道本線でも「武雄南では出られません」という標識がたくさん設置されるようになった。もしも武雄JCT近くから長崎道に入る場合は、隣の武雄北方ICか嬉野ICのどちらかを選ぶことになる。
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関連コミュニティ
関連項目
- 福岡高速環状線
- 西九州自動車道
- 長崎自動車道
- 日本国:高速道路一覧
- 道路関連項目一覧
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