ペンかパンか 単語

ペンカパンカ

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ペンかパンか」とは、報道とそれに関わる利関係に関連する言葉である。

ペンか、パンか」という、読点を含んだ表記で記されることもある。

概要

報道機関やそれに所属するジャーナリストが「行うべきと考える報道」を「ペン」に例え、そしてそれに対するものとして「報道機関の利益や、それに所属するジャーナリスト家族生活」を「パン」に例えた言葉。

ペン」と「パン」が対立する状況、すなわち「報道することで自分たちの利益・生活が損なわれる状況」となった時に、それでも信念を曲げずに「報道すべきと考えることを報道する」ことを選べるのか、というジレンマを表現している。

「パンかペンかを迫られる状況」「パンの圧ペンが屈した」「ペンパンの圧に勝つ」などの表現で用いられる。

共同通信の編集幹も務めた昭和平成期のジャーナリスト「原寿雄」(1925年生まれ、2017年)がジャーナリズムが時に直面する問題として使用していた表現だと言われる。1992年の原寿雄の著作『新しいジャーナリストたちへ』や、同じ1992年に原寿雄が刊誌『東京』に寄稿した『現代社会情報操作』内で使用されていることが確認できるが、その後の著作でも使用しているという。

元々は反戦などの文脈での表現だったようである。原寿雄は、満州事変の頃に『朝日新聞』が軍と在郷軍人会が中心になったボイコット運動などを受けたためにそれまでのリベラル報道姿勢を変えたことについて、この「ペンかパンか」の例えを用いている。

だが、なんらかの「利」が絡めば、「反戦」などに限らずいかなる報道についても用いられうる言葉である。例えばNHKドキュメンタリー番組『クローズアップ現代』の2023年9月11日放送回「“ジャニーズ性加”とメディア 被害にどう向き合うのか」内では、ジャニー喜多川による性加の問題を2023年までテレビが報じてこなかったことについて、元民放プロデューサーだった吉野嘉高が「スポンサーなどへの配慮から、当時ジャニーズ事務所の問題を放送で取り上げることはタブーだった」「ペンかパンかの選択において、結果的にはパンの方を選択してしまったのかもしれない」との自省の言葉を述べた。

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最終更新:2024/06/02(日) 05:00

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