東京から1700km離れたところにある孤島である。東小島(東露岩)と北小島(北露岩)の二つの島からなる。かつては6つ(南露岩ほか4つ)ほどあったが、4つがいつの間にか消えている。このため残りの二つの島が排他的経済水域40万k㎡分とともに消えてしまうのではないかと危惧されたために、1988年ごろになってから消波ブロックやコンクリート護岸・チタン合金の網が設置された。
しかし、地球温暖化のために海中に没してしまうのではないかということから、最近ではサンゴ礁を生育させることで死んだサンゴの粉(砂)によって島自体を大きくしようとする計画が進んでいる。
1939年から灯台と気象観測所の建設が進められていたが、大東亜戦争の激化に伴い中断。それから半世紀放棄された後、1988年ごろになって海洋科学技術センターが無人の気象観測タワーを建設。(その後気象観測装置は近くに立てられた作業基地に移転) 2007年ごろには沖ノ鳥島灯台が立てられた。
島の地形及び海水の温度差から海洋温度差発電に適しており、事業化にむけて動き出している。
沖ノ鳥島を基点とし、排他的経済水域及び大陸棚が設定していることについて、中国や韓国など一部の国から沖ノ鳥島は「海洋法に関する国際連合条約」(海洋法条約)第121条3項における「岩」であり、排他的経済水域及び大陸棚の設定は認められないのではないかと、疑義が呈されている。
1.島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう。
2.3に定める場合を除くほか、島の領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚は、他の領土に適用されるこの条約の規定に従って決定される。
沖ノ鳥島は自然に出来た島であり、かつ、満潮時においても水面上にあるので1項における「島」の定義を満たしている。ただし、広義の島の中に岩と狭義の島があり、1項は広義の島の定義を示したに過ぎないとする解釈(大多数の学説や2016年の南シナ海仲裁判決はこの立場をとる)も十二分に考えられ、1項における「島」に該当するということは3項における「岩」でないことの決定的な証拠には到底なり得ない。
日本政府は2008年に7つの海域について大陸棚延伸を国連の大陸棚限界委員会に申請した。
(通常、大陸棚は領海基線から200海里以内だが、一定の要件を満たせば最大350海里まで延伸できる。その際、必ず国連の大陸棚限界委員会による勧告が必要となる。)
このうち、「四国盆海域」、「九州・パラオ海嶺海域」は沖ノ鳥島周辺の延伸大陸棚である。四国盆海域については大陸棚延伸を認める勧告がなされたが、九州・パラオ海嶺海域については、前述のように沖ノ鳥島を大陸棚の基点とすることについて日本と他国の間に見解の相違があるため大陸棚限界委員会は勧告を控えた。
四国盆海域については認める勧告をしたことについて、沖ノ鳥島を大陸棚の基点とした大陸棚の延伸を認めたとも考えられるし、あくまで日本本土を基点とした大陸棚の延伸が認められたという考えもできる。
しかし、いずれにしろ大陸棚限界委員会はあくまで大陸棚の延伸について科学的・技術的な観点から判断する国際組織であり、121条の解釈問題を扱う権限はないため、大陸棚限界委員会が四国盆海域についての勧告をどのように考えていたとしても、それによって沖ノ鳥島の法的地位が左右されることはありえない。
(大陸棚限界委員会に121条の解釈問題を扱う権限がないことは、大陸棚限界委員会自身が認めている)
掲示板
221 ななしのよっしん
2024/06/02(日) 07:46:50 ID: ktRnfS0VLr
あらゆる事例に当てはめ可能だからなんなんすか?って話かな多分
222 ななしのよっしん
2024/06/02(日) 08:06:44 ID: 1jXljM85+B
海洋法は専門外だから分からんところは多いけど
疑問に思った事として、「居住」の要件は、実際に人が住んでるかどうかではなく
人が住んでコミュニティを形成することが可能かどうかではないかと思ったわ
そうでないと無人島を領土としている国が存在する事の理屈が法的に繫がらない
あと、>>213の「その島で生まれ育ち、その島に定住するような
コミュニティが沖ノ鳥島で存在し得るかというと、まぁ考える
までもなく到底無理だろう」
というのは、法の解釈論ではなく個人的な主張の域を超えてないから
そこは軽く流すべきところではないと思った
223 ななしのよっしん
2024/06/02(日) 12:39:52 ID: X4WcL/9xDo
領土の概念が自然発生的なものであるのに対し
元々の領海の概念は「海は本来誰の所有物でもないが、国防上必要だから例外的に領有を認める」というもので
国防上必要ないエリア、すなわちコミュニティと呼べるほどの人が居住しない島は
「うちはここの領海を宣言しないから自由に入ってね、そのかわりおたくの島も入らせてね」ということにしておくほうが
緊急に寄港して物資を補給したり投錨して嵐をさけたりする必要のある帆船の時代には都合が良かった
領土と領海はセットの概念ではないので
公海自由の原則からは領海ひいてはEEZを持たない島が存在し得るという結論は不自然ではない
貰えるもんは貰っとけの精神で限界まで主張しているだけ
おかげでフランスみたいに「国防上必要である」ことを示すために
あの規模の海軍で手を広げまくる羽目になる国もあるけどな
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最終更新:2024/06/04(火) 00:00
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