カルロス・サインツJr.(Carlos Sainz Vázquez de Castro, 1994年9月1日 - )とは、スペイン出身のレーシングドライバーのことである。
なお本人は「ジュニア」と呼ばれることを好まず、F1では父親と同名の「カルロス・サインツ」として登録しているが、この記事では混同を避ける目的で記事名を「カルロス・サインツJr.」と表記している。
経歴
F1デビュー以前
世界ラリー選手権 (WRC) で2度の世界チャンピオンを始め、数々タイトルを獲得したラリー界のレジェンド「エル・マタドール(闘牛士)」ことカルロス・サインツの息子として生まれる。
4歳の頃からカートを始め、11歳の頃から競技カートに参加し始める。
2010年からフォーミュラカテゴリへ転向。レッドブルのサポートを受けながら2011年にはフォーミュラ・ルノー・ノーザン・ヨーロピアン・カップ、2014年にはフォーミュラ・ルノー3.5シリーズでチャンピオンとなる。
この活躍が認められ、二転三転あったもののスクーデリア・トロ・ロッソからF1デビューすることとなった。
F1参戦後
トロ・ロッソ(2015~17年途中)
デビューイヤーの2015年、開幕戦で好走するもピット作業のミスで順位を落とし、なんとか9位でフィニッシュし初のポイント獲得。その後もマシントラブルやピットの作業ミスなどにより決勝ではなかなか結果が出ず、ランキング15位(18P)に終わった。
2016年も引き続きトロロッソから参戦。序盤こそ好調であったものの中盤戦以降はパワーユニットの性能差で苦戦を強いられた。それでもランキング12位(46P)と前年より成績を伸ばした。
2017年もトロロッソから参戦、チームメイトのダニール・クビアトを上回る走りを見せていたものの、日本GP終了後にエンジン供給を巡る交渉の結果、ルノーへ移籍することとなった(交渉結果:トロロッソ(レッドブル):ホンダエンジン、マクラーレン:ルノーエンジン、ルノー:サインツ(レンタル移籍)を獲得)。ルノーでは移籍直後のアメリカGPで7位に入賞した。ランキングは9位(54P)
ルノー(2017年途中~19年)
2018年はルノーから参戦。第4戦のアゼルバイジャンGPで5位入賞しこの年のルノーの最高位を獲得。その後も安定した走りを見せ、ランキング10位(53P)の成績を残した。シーズン後にルノーがダニエル・リカルドを獲得しシートを喪失。翌シーズンのF1非参戦を発表していたフェルナンド・アロンソの後任としてマクラーレンへ移籍することとなった。
2019年、シーズン前には苦戦が予想されていたもののシーズン通して入賞圏内で活躍。第20戦のブラジルGPでは最後方からのスタートであったものの1ストップ作戦が見事にハマり、4位入賞。その後3位のルイス・ハミルトンがペナルティにより降格し初の表彰台獲得(ただし、レース後のシャンパンファイトは暫定的な順位で行われたため参加していない)。ランキング6位(96P)と大きく成績を伸ばし、トップ3の一角を崩す活躍を見せた。
フェラーリ(2020年~)
2020年、新型コロナウイルスの影響で休止の間、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが20年シーズン限りでフェラーリを離脱することが発表され、サインツがその後任として21年にフェラーリへ移籍することが決定した。このシーズンも安定した走りを見せ、第8戦のイタリアGPでは自己最高位の2位でフィニッシュし今度こそ初のシャンパンファイトを味わった。ランキングは前年に引き続き6位(105P)
人物・エピソード
- 安定感のある走りが持ち味で、入賞圏内での走行が多い。
- モナコやアゼルバイジャンなど市街地コースで強さを見せる事が多い。
- 憧れのドライバーに同郷の英雄であるフェルナンド・アロンソをあげている。
- カーナンバーは「55」。「Carlosの“S”とSainzの“S”が並んだように見えるから」。
- ヘルメットとキャップを集めるのが趣味。
- いつかはラリーの大会に参戦するのが夢と語っている。
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関連項目
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