ガンダムハルートとは、『劇場版 機動戦士ガンダム00 ‐A wakening of the Trailblazer‐』に登場する機動兵器「モビルスーツ」である。
概要
GUNDAM HARUTE ガンダムハルート |
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型番 | GN-011 |
全高 | 19.0m |
重量 | 77.1t |
搭乗者 | アレルヤ・ハプティズム マリー・パーファシー |
動力 | GNドライヴ |
備考 | マルートモード |
武装 |
アリオスガンダムの直系後継機。
これまでにソレスタルビーイングが運用してきた可変ガンダムタイプ…つまりガンダムアブルホール、ガンダムキュリオス、アリオスガンダムの最終発展型となる。
機体名はコーランに記される二人組の堕天使(ハールートとマールート)の片割れに由来する。
機体制御担当のアレルヤ・ハプティズム(ハレルヤ)と、火器管制担当のソーマ・ピーリス(マリー)が搭乗する副座式コックピットを採用している。
前世代のアリオスガンダムでは支援機のGNアーチャーとの連携(合体)により火力を底上げしていたが、ハルートは自機そのものに前世代機のコンセプトを取り込むことで、単機での戦闘能力向上を実現させた。
結果、それまでのアレルヤの機体を上回る高機動・高火力を両立できているが、武装の分だけ重量がかさみ、同世代機のブレイヴと比較すると若干機動力が劣る。
粒子制御能力が向上したためか、セラヴィーガンダムのクァッドキャノンのような粒子融合現象による収束砲も使用している。(スローで見なければわからないほど一瞬だが、ブレイヴのトライパニッシャーと同じようなスパーク現象も発生している。ガンダムサバーニャもライフルビットⅡやホルスタービットによる大規模な収束砲撃が可能となっている)
また、これまでキュリオス・アリオスと違い盾は装備されていない。前回のアリオスガンダムは脳量子波を用いる超兵としての(キュリオスの細い盾1枚で機体を守れる全盛期)アレルヤが搭乗することを前提に設計された。
(アリオスガンダムのビームシールドも非常に防御範囲が狭く、最小限の防御による高機動戦闘が想定されていたという説もある)
しかし、アレルヤは超兵としての能力を一時的に失ったため真価を発揮したのが最後のガラッゾとの一戦のみになってしまった。結果的に盾すら不要と言わんばかりの高機動を行っているため、最初から盾を排除した回避を主体とした機体として設計された可能性がある。
盾は言ってしまえば「使わなければデッドウェイトになる」ため、機体の重武装化にあたり、機体の軽量化を考慮してこのような設計にした可能性もある。
GNシザービットは盾による防御を補う迎撃用装備としての意味合いもあるのかもしれない。
(実際にロックオンのガンダムやクアンタ等はビットに防御機能を持たせてある)
最大の特徴として、「マルートモード」と呼ばれる形態が存在する。これは超兵の能力を最大限に生かす機能で、アレルヤ・ハレルヤ・ピーリス用のOSを3つ同時に起動し、性能を限界以上に引き出すことが可能になる。
マルートモード時は、頭部フェイスカバーを展開することで隠された二対のカメラアイが露出し、”六つ目”となる。
巡航形態への変形は、頭部前面が胸部装甲で隠される以外はキュリオスやアリオスとほぼ同様の方式(複雑な変形や格納をせず、ほぼ機体を水平に寝かせるだけ)が採用され、変形後はGNソードライフルによる大型の前進翼が特徴の三胴機となる。そのため、機体の変形プロセスが少なく、MS形態・巡航形態間は、ほぼ一瞬で変形することができる。
巡航形態でも射角こそ限られるがGNソードビットやGNミサイルコンテナをはじめとした各種武装は使用可能。
このことから、運用自体は以前のアレルヤのガンダムと同じく高速巡航形態での運用を想定していることが伺える。
なお、本機の開発に当たっては、オーライザーの武装強化プランである「ザンライザー」のデータが活かされている。
「もう電池なんて言わせない!!」
武装
- GNソードライフル
その名が示す通り、GNソードとしての機能も併せ持つ複合兵装。さらに銃身を展開することで、クローモード(実質鋏)としても機能する。
資料や媒体によって鋏の内側のスリットにはビームを発するとするものや緑色の発光描写がある(劇中でもGN-XⅣに取り付いたELS・GN-Xを切断する際に緑色の光が漏れている他、それ以外に切断方法が存在しない。ただし、公式で明確に「ビーム」として解説されたことはない)。
また、Blu-rayの初回盤限定版に付属する絵コンテによると劇中で使用した2回ともクローとして使っており、ソードとしては一度も使っていない。
両手に2挺を携行し、飛行形態ではサイドコンテナに前進翼状に配置される。飛行形態では進行方向に刃が向いているため、斬り抜けも可能となっている。
低出力と思われる小弾の連射モードと、長時間ビームを照射する高出力モードと思われる2種類の描写が存在する。
劇中では刹那がダブルオークアンタで駆け付けてから(「遅いんだよ!(ハレルヤ)」)後者のビームを使用し始めた。 - GNキャノン
サイドコンテナに左右2門を装備。その大きさは機体の全長とほぼ変わらず、従来のアレルヤのガンダムとは大きく印象が異なるシルエットを醸し出している。
プラモデルに関してはその大きさと重さ故に自立させるのが難しかった程。後部にはGNバーニアも装備。
使用時は砲身を回転させ、腰の横から前方に砲口を向けて発射する。
今までのアレルヤ機(キュリオス・アリオス)ではテールブースターやGNHWのGNキャノンのような追加装備でしか見られなかった初の標準装備の高火力武装である。 大量のGN粒子と引き換えに高出力の粒子ビームを発射できる。
(“可変機体で高火力”と言うのはさして珍しい物でも無く、ウイングガンダムゼロや劇中でのブレイヴ等、火力インフレを起こしている機体はしばしばみられる)
その威力は並のMSのシールドでは防ぐ事は不可能。中盤までは使用していなかったが、後半から使用開始した。
左右のGNソードライフルと合わせての4門一斉射撃時にはクァッドキャノンと思われる粒子融合ビームと化している。
トランザムすることなく中型ELSを一撃で吹き飛ばす威力を誇り、2度目の使用の際はビームの薙ぎ払いにより中型ELSを切り裂いている。 - GNミサイルコンテナ
テール部分に搭載されるGNミサイルコンテナ。キュリオスの物と似た形状で、やや小型だが今回のものは標準装備。発射管は12。GNミサイルの搭載数も非常に多く、複数回の斉射が可能。撃ち尽くした後のパージも可能であるが、キュリオスのものと違い、パージ後に爆破が可能となっている。
巡航形態自には発射口が機体に対して垂直に向くようになっており、垂直発射式の追尾ミサイルとして機能する。 - GNシザービット
鋏のように敵を切り裂く武器で、搭乗者の脳量子波により遠隔操作される。このため同様にビットを搭載するサバーニャとは異なり、ハロの補助を必要としない。サイドコンテナにそれぞれ5基ずつ搭載されている。計10基。
早過ぎてスローで見ないとまったくわからないが、火星宙域での戦闘でも使用されている。
火星宙域ではELSのあまりの物量にガンダムサバーニャとラファエルガンダムと背中合わせで戦っているが、このときはビッグキャノンとライフルビットⅡが遊撃、シザービット1が3機のガンダムの周囲で接近する小型ELSを迎撃する光景が見られた(残りのライフルビットⅡがガンダムの傍で固定砲台にもなっている)
最終決戦時には脚部に機動力向上のための追加ブースターユニット(構造的にはガンダムキュリオス ガストの脚部ブースターに近い)が装備され、新たに10基のシザービットが搭載された。
増加したシザービットはマルートモード時に全20基が射出され、ELS・GN-Xを切り刻んでいる。
終盤、絶対防衛線での戦いでは防衛ライン付近を中心に迎撃行動を行っていたが、刹那がクアンタで駆け付けた際に進行ルートを切り開いている。
その後、宇宙型フラッグを救助するために右のGNソードライフルをクローモードで使用して銃身が浸食され、放棄。
さらに右のサイドコンテナ(GNキャノン・シザービットコンテナ・GNバーニア)までもが浸食されたため、切り離して破壊している。パイロットは輸送艦へ向けて投げたが、助かったかは不明。
ハレルヤ「テメェの行為は偽善だ!」
アレルヤ「それでも善だ! 僕はもう命を見捨てたりはしない!」
1期ラストのような片肺飛行でELSの砲撃の中を進み、ELSの群れへトランザムで突入している。
プトレマイオスⅡの浸食率が44%を超え、スメラギが退艦指示を出した際にはクルーたちやロックオンと同様に戦場に留まっている。中型ELSにビームを浴びせながら、
アレルヤ「切り開くんだ!」
マリー/ピーリス「未来を!」
(↓アレルヤとハレルヤのどちらにも聞こえる声/中の人が監督のオーダーに1発で答えた)
『明日をッ!』
※余談であるが、Blu-ray初回限定版の絵コンテではブースターユニットが被弾してパージする予定だった。
その後、ダブルオークアンタの降下シーンを挟んだGN-XⅣを救出シーンではトランザムが終了している。
出力低下のためかシザービットがELS・GN-Xを切断できず、ライフルのクローで切断後に連射モードのビームで破壊している。刹那がELSとの対話を終えたときにはサイドコンテナや四肢を失っており、マリーが脱出。アレルヤがコクピットから出ようとしたとき、胸部にビームの直撃を受けて爆散している。
太陽炉はアリオスガンダムと同じ股間部に存在するが、太陽炉がどうなったかは不明。
ゲームなどに登場する際は脚部ブースターユニットを装備した最終決戦仕様で登場する事が多い。
また、マルートモードもゲームによって扱いが異なる。(特殊能力だったり、武装扱いだったりする)
関連動画
関連商品
関連項目
- 劇場版 機動戦士ガンダム00 ‐A wakening of the Trailblazer‐
- アレルヤ・ハプティズム
- マリー・パーファシー
- ガンダムアブルホール
- ガンダムキュリオス
- アリオスガンダム
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
第5世代ガンダム
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