「デス様」(ですさま)とは
- セガサターン用ソフト『デスクリムゾン』に対する尊称。
- ゾイドに登場する兵器・デスザウラーのこと。
- サイバーステップのオンラインゲーム「C21」「コズミックブレイク」に登場するロボット・デストラクトのこと。
- 「うろブラ」のデスソードのこと。
- 聖闘士星矢のデスマスクのこと。
- スクウェアエニックスの「ロマンシングサガ(ミンストレルソング)」に登場する三邪神の一人・デスのこと。
- 「勇者のくせになまいきだ」のデスガジガジのこと。
- 「悪魔城ドラキュラ」シリーズ恒例のドラキュラの腹心「デス」または「死神」のこと。
- 「Fallout」シリーズのデスクローのこと。
本項では1.について解説する。
概要
このゲームをこう呼ぶ人間を総称して「デス教徒」(ですきょうと)と呼ぶ。主な特徴は「~です。」と書くべきところを「~デス。」とするところや、「せっかくだから」の言葉に異常に反応するところにある。
なりたち
『デスクリムゾン』の発売が1996年8月9日。発売までの各雑誌のレビューでは「本当に発売するのか」「評価不能」というさんざんな評価であった。実際に発売後の購入者の評価も「エコール社員全員*す」など、ゲームの出来に対する反発が主流であった。
状況が変わり出したのは、ソフトバンククリエイティブ発行のゲーム雑誌『Beep!』の流れを汲む、『SEGA SATURN MAGAZINE』(セガサターンマガジン、現『ゲーマガ』)での読者投票(「読者レース」と呼ばれる)による連続最下位が続いた事が大きい。
平均して2点というほぼ最悪の状況が、ゲーム発売からセガサターンマガジンが『DREAMCAST MAGAZINE』に移行するまで続いていた。あまりのクソゲーぶりに『今週のデス様』というベタ記事のコーナーが設置され、最下位を死守するかどうかが注目されていた。
尤もこうしたクソゲーに対する扱いは、メガドライブ時代の『ソードオブソダン(SWORD of SODAN)』より続いていたセガファン界隈のいわば「慣わし」のようなものであった。
「デス様」および「デス教徒」の用語自体は、前述の『セガサターンマガジン』読者レースが発祥と考えてよい。しかし「デス教徒」たちは、さらに過激な行動をとる様になってゆく。
デス教徒の動き
折りしも日本はウィンドウズ95発売後の、「インターネット元年」を迎え、ネット文化が急速に発展していた時代であり、デスクリムゾンのための各種サイトや、BBSが立ち上げられ、そこかしこで活発に『デスクリムゾン』の情報がやり取りされてゆくようになる。
クソゲーは無視するほか無い時代から、「どうしょうもないゲームをいかに(ネット)コミュニティーを盛り上げるツールに変えるか」「いかにクソゲーを上手に、愛を持ってけなすか」が模索された、次世代機で最初のゲームと言える。コミュニティー内の用語として、ゲーム中のセリフ「上から来るぞ~」「せっかくだから~」の使用や、前述の語尾に「デス」を付けることが奨励された。
『デスクリムゾン』のために各種のオフ会が企画され、移転前の当時のエコール本社前に集合する「聖地巡礼」オフや、エコール社バイト面接ルポ、オープニングのロケ地探索等、それまでにありえなかったクソゲーの楽しみ方が模索されだした。こうした草の根の取り組みは、その後のクソゲーを取り巻く環境を一変させた。また、ゲーム中の名セリフ「せっかくだから」がサイトのタイトルに多用されたため、この言葉の検索結果は非常におかしなことになっている。
非セガファン・非ネット層への波及は、大田出版『超クソゲー』(阿部広樹・箭本進一 共著)の功績によるところが大きい。もともとデスクリムゾン自体品薄傾向ではあったが、この本の出版後、中古市場における『デスクリムゾン』の価格は跳ね上がった。
発売より10年以上が経過した現在でも、各種MADやフリーゲームへの登場があり、完全に「デス様」は定着したといえる。
関連動画
現在確認できる、ニコニコ最古の「デスクリムゾン」映像。(オリジナルデモ画面)
関連商品
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