トロットサンダー(1989~2004)とは、JRA(日本中央競馬会)所属の元競走馬・元種牡馬である。
1600mのマイル戦で無敗を誇り、日本調教馬初の8歳GI勝利を成し遂げた。人呼んで「雷帝」。
主な勝ち鞍
1995年:マイルチャンピオンシップ(GI)
1996年:安田記念(GI)、東京新聞杯(GIII)
概要
父・ダイナコスモス
母・ラセーヌワンダ(母父・テスコボーイ)
育成牧場時代に大怪我を負い、そのためデビューが遅れてしまったトロットサンダー。そして、1992年7月に浦和競馬場でデビューすると、8戦して7勝、2着1回と完璧な戦績をあげる。しかし、今度は球節を骨折。競争能力喪失ものの重傷であったが、1年以上の療養を経て復帰戦も勝利。このレースを最後に中央に移籍することになる。
移籍初戦では2着に敗れるが、その後は条件戦を連勝。しかし、格上挑戦した中山記念は7着、その後函館記念、札幌記念も7着と移籍当初は重賞では結果を残せなかった。その後、アイルランドTを快勝し、マイルCSへ向かう。重賞未勝利であったが、マイル戦では負け無しという戦績を評価され4番人気となる。
レースでは、スタートで出遅れるも直線では鋭い末脚で他馬を斬り捨て、重賞初制覇&GI初制覇を成し遂げた。
陣営は翌年春の最大目標を安田記念と定める。東京新聞杯を快勝するも京王杯SCでは、前年の安田記念優勝馬ハートレイクに0.1秒差の3着と敗れる。
そして、本番の安田記念。直線でタイキブリザードやヒシアケボノとの激しい接戦をハナ差下して優勝する。
その後、毎日王冠から天皇賞(秋)を引退レースとすると陣営が発表したが、その後に骨折が判明する。さらに、9月末には馬主の名義貸し事件が発覚。これの煽りをうけてか、このまま引退する事となった。
引退後は種牡馬となり、地方競馬に数頭の活躍馬を送り込んでいる。しかし、2004年に種牡馬廃用となり、その年に雪に脚を滑らせて骨折。安楽死処分となっている。
1400では短く、1800では長いという生粋のマイラーで、中央に移籍してからの勝ち鞍も条件戦で1800mの勝利が1回ある以外は全て1600mでの勝利である。
また、生涯において1600mのレースでは1度も負ける事はなかった。まさにPerfect Milerに相応しい名馬だった。
名義貸し
名義貸しとは、馬主登録をしていない者がしている者の名義を借りてレースに出走させることを言う。馬が地方競馬から中央競馬へ移籍する際、地方と中央では馬主資格が異なるため、地方時代の馬主が中央の馬主資格を持っていない場合、資格を取得するか資格を持つ他者へと馬を譲渡しなければならない。トロットサンダーの場合も有限会社有匡から藤本照男へと名義が変更されたが、移籍から1年半の間、実質的な所有権は中央資格のない有限会社有匡が持ったままになっていた。これが名義貸しであり、競馬法によって禁止されている。
血統表
ダイナコスモス 1983 鹿毛 |
*ハンターコム 1967 黒鹿毛 |
Derring-Do | Darius |
Sipsey Bridge | |||
Ergina | Fair Trial | ||
Ballechin | |||
シャダイワーデン 1977 栗毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victoria | |||
シヤダイプリマ | *マリーノ | ||
ナイトアンドデイ | |||
ラセーヌワンダ 1969 栃栗毛 FNo.1-b |
*テスコボーイ 1963 黒鹿毛 |
Princely Gift | Nasrullah |
Blue Gem | |||
Suncourt | Hyperion | ||
Inquisition | |||
ラ・セーヌ 1956 栗毛 |
*リンボー | War Admiral | |
Boojie | |||
ラシフオード | *アスフオード | ||
ラシモア | |||
競走馬の4代血統表 |
関連動画
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関連項目
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