ボーキサイトとは、酸化アルミニウム(アルミナ、Al2O3)を主成分とする鉱石で、アルミニウムの原料である。
概要
ボーキサイト(bauxite)の名は、南フランスの産地『ボー(Baux)地方の石』の意。鉄礬土(てつばんど)とも呼ばれる。色は赤灰色で、白・黒・緑を帯びることもある。主成分である酸化アルミニウム(52~57%)の他、水酸化アルミニウム鉱物や二酸化ケイ素、酸化鉄(III)などの不純物も含まれる。
現在の主な産出国はオーストラリア、中国、ブラジル、ギニア、ジャマイカ、インドなどである。アルミニウムは地球上にありふれた元素であるが、ボーキサイト以外からの精錬は非常に困難で、経済的にも見合わない。
アルミニウムへの精錬
現在広く用いられている精錬法では、まずボーキサイトを250℃の濃水酸化ナトリウム溶液に浸し、アルミン酸ナトリウムとしてアルミニウムを溶出させる。その後冷却して水酸化アルミニウムの結晶を取り出し、それを1050℃に加熱すると純度の高いアルミナが得られる。
このアルミナに融剤[1]を加えて約1000℃に加熱し、炭素電極で電気分解することによってアルミニウムの単体が得られる。この過程で莫大な電気を消費するため、アルミニウムは「電気の缶詰」と呼ばれることがある。
戦略ゲームとボーキサイト
ボーキサイトから精錬されるアルミニウムは、その軽さや加工のしやすさなどの点で、近現代の産業において欠かせない金属である。特にアルミニウム合金の一種であるジュラルミンは、その高い対破断性と超軽量性により、航空機などに幅広く使用されている。そのため、航空機が産業や社会、戦争に本格的に登場する20世紀以降を舞台とする戦略ゲームにおいて、ボーキサイト(あるいはアルミニウム)が資源として登場し、その確保や奪い合いが重要となるケースがしばしば見られる。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- 1
- 0pt