ニコニコ大百科:医学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)とは、共感作用のある幻覚剤、合成麻薬である。
概要
有機化合物 | |
メチレンジオキシ メタンフェタミン |
|
基本情報 | |
英名 | Methylenedioxy |
略語 | MDMA |
化学式 | C11H15NO2 |
分子量 | 193.25 |
化合物テンプレート |
3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA:3,4-Methylene
1912年、ドイツの化学企業メルクによって開発されたが、医薬品として製品化されることはなかった。1960年代になって、アメリカ合衆国の化学者アレクサンダー・シュルギンによってMDMAの覚醒作用・幻覚作用が示されると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療などへの応用が見出され欧米で臨床試験が実施された。また、デザイナードラッグとして多くの濫用者を生み出した。現在は、キャラクターやロゴタイプを模したカラフルなMDMAの錠剤が非合法に流通している。
覚醒剤のメタンフェタミンと似た構造をもち、精神刺激作用があるほか、幻覚作用もあり幻視や幻聴をきたす。セロトニン神経系に作用するため多幸感がもたらされ、開放的になったり他者に親近感を覚えたりする。濫用により精神錯乱、不眠をきたし、脳神経が破壊され肝臓や腎臓の機能不全に陥る。
日本では、麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)において「麻薬」に指定され、輸出入、製造、譲渡、所持、施用などが規制されている。麻薬特例法や関税法にも罰則規定がある。複数の罪名に触れる場合、最も重い刑によって処断される。たとえば、MDMAなどの麻薬を違法に製造した者は、無期または5年以上の懲役および1,000万円以下の罰金に処す(麻薬特例法第5条)。違法に所持した者は、7年以下の懲役に処す(麻向法第66条)。違法に輸入した者は、10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金に処し、あるいはこれを併科する(関税法第109条)。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 1
- 0pt