モーリス・ラヴェル (Joseph-Maurice Ravel, 1875-1937) とは、19世紀末から20世紀頭にかけて活躍したフランスの作曲家である。
概要
フランスのドビュッシーと並び印象派を代表する作曲家…というのが世間一般での認識ではあるが、ガブリエル・フォーレに師事しアカデミックな作曲技法を学んでいるためか、革新的でありながらも古典的な曲形式となっている。
ピアノ曲を多く残しており、『水の戯れ』や『夜のガスパール』などの超絶技巧をちりばめた作品から、オーケストラで表現することは難しいであろうピアニステッィクな作品『クープランの墓:トッカータ』、ディズニー音楽を彷彿とさせるどこか可愛らしい作品『マメール・ロワ』といった風に、多種多様で豊かな作曲を施している。
オーケストレーションに非常に優れていることでも知られている。特にオーケストラの管弦楽器のハーモニーの響きは流麗で美しく、『管弦楽の魔術師』と呼称される程。代表的な曲は、バレエ音楽『ボレロ』、『スペイン狂詩曲』、『クープランの墓』、『マ・メール・ロワ』、『亡き王女のためのパヴァーヌ』など。このうちバレエ音楽『ダフニスとクロエ』は近代音楽の中では特に名高い。
晩年、交通事故の影響による記憶障害が悪化し、満足に文字を書くことすらままならず作曲が出来なくなってしまう。そして、友人に泣きながら「私の頭の中にはたくさんの音楽が豊かに流れている。それをもっとみんなに聴かせたいのに、もう一文字も曲が書けなくなってしまった」と呟いた。その後、脳手術を受けるが甲斐なく死亡している。
代表作
有名な作品と、作曲年度を記す。
- 亡き王女のためのパヴァーヌ(1899、管弦楽版は1910)
- 水の戯れ(1901)
- スペイン狂詩曲(1907)
- 夜のガスパール(1908)
- マ・メール・ロワ(ピアノ連弾曲。後に編曲した管弦楽版も有名)(1908-1910)
- ダフニスとクロエ(1909-1912)
- クープランの墓(1914-1917)
- ラ・ヴァルス(1919-1920)
- ボレロ(1928)
- ピアノ協奏曲ト長調(1931)
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