前震とは、本震の前に発生する地震のことである。
その性質上、本震及び余震との関係性は欠かせないため、「前進」「本震」「余震」のすべてをこの記事で解説する。
一定期間にある程度の空間的まとまりをもって連続して発生する一連の地震のうち、最も規模が大きい地震を「本震」といい、それに先行して起こる地震を「前震」、本震後に引き続いて多発する地震を「余震」という。
概要
地震は連鎖した形で起きることがある。最も大きな揺れを示すメインの地震「本震」が発生した後に、それよりも弱い「余震」が生じることは比較的よく知られている。そしてその逆に「本震」よりも少し前に、それに比較するとやや規模が小さい地震、すなわち「前震」が生じていることもある。
日本で起きた大規模な地震の中にも、「前震」と疑われる地震が生じていたものがある。2011年3月11日に生じたマグニチュード9.0/最大震度7の「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」では、その2日前(約51時間前)に震源域が近いマグニチュード7.3/最大震度5弱の地震が発生していた。また2016年4月16日に生じたマグニチュード7.3/最大震度7の「平成28年熊本地震」でも、その2日前(約28時間前)に震源域が近いマグニチュード6.5/最大震度7の地震が発生していた。
「b値」(b-value)の減少など「余震と比べて前震で比較的特徴的」とされるパラメーターはある。しかし、ある地震が「本震」であるのか、それともより大きな地震の「前震」であるのかについて、こういったパラメーターを用いて予測するのは未だ困難であるとされる。
そのため、本震が生じた後に「しばらく前に起きたあの地震は前震だったのか」と判明することが通常である。このことを鑑みて、ある程度大きな地震が生じた後には、「この後にさらに強い本震がやってくるかもしれない」という警戒を続けることが推奨されることもある。
ちなみに英語で「前震」は「foreshock」(または複数形の「foreshocks」)、「本震」は「mainshock」、「余震」は「aftershocks」(または複数形の「aftershocks」)と呼ぶ。「前震・本震・余震」に関する科学論文等を英語で検索する場合には、これらのキーワードを組み合わせて検索する必要がある。
関連動画
東北地方太平洋沖地震の前震と考えられる地震(2011年3月9日)に関する動画
平成28年熊本地震の前震と考えられる地震(2016年4月14日)に関する動画
関連項目
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