回復運転とは、運転の一種である。
概要
何らかの事情で鉄道ダイヤに遅れが生じた際に行われる運転に対して使用される言葉。回復運転には遅れダイヤを正常ダイヤに戻すまたは可能な限り近づけるという目的がある。
主に加速を向上させたり最高速で運行する時間を通常より多めに取ったりする他、駅の停車時間を切り詰めたりするなどする。もっとも、通常のダイヤにはある程度の余裕が含まれているので僅かな遅れであれば加速向上、折返し準備時間短縮などでこの余裕を切り詰める事で対処出来る。
また、単線区間であれば回復運転をしなくても行き違いの時間で遅れを吸収して正常ダイヤに戻ってしまう事もある。(第二期複線化前の奈良線宇治~JR藤森等の単線でも本数が多い場合却って遅延が悪化する場合もあるが)
なお、東海道・山陽新幹線ではATC信号+5km/hは許容範囲内(例:ATC300の場合は305km/hまでならブレーキはかからない)なので遅れの際には許容範囲内の速度まで上げる事もある。
大幅な遅れの際にも行われるが、回復運転はその運転士の技量や状況にも左右される。無理に回復運転を行うと危険な状況に陥りかねないので注意が必要である。
路線の中のどれか1本の列車が遅れている場合の回復運転は容易かもしれないが路線全体で列車が遅れている場合などは優等列車などでは通常より早く先行する各駅停車に追いついてしまうなどして回復運転しにくい場合もある。
なお、遅れで影響の大きい場合は回復運転を行うものの途中で運転が打ち切られ途中で折り返す場合があり(山切り)、その場合は途中駅から別車両を使用して通常ダイヤで運行される場合もある(特発)。 その他に終着駅に着いた際に定刻で運転していた場合の折返し列車を運休もしくは別車輌を仕立て運転し、現在時刻に近い後続列車のスジにズラして運転して遅れを帳消しにするテクニックなどもある。(段落とし)通常使用されない車両での代走もだいたいこれが原因。
※ちなみに、国鉄→JRでは2時間以上の遅れが発生した場合には特急券は払い戻される。厳密に適用すれば1時間59分の遅れの場合は払い戻しはないが、回復運転で仮に2時間以上の遅れが1時間59分になった場合でも駅助役や当該列車の車掌の判断で払い戻しになる事がある。
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