概要
一般に、「○○であるとき、××となる確率」という言い回しで表される。
この「○○である」というのが「条件」であり、○○である場合に限定して確率を求める(○○でない場合については考えない)。式で表すと、次のとおり。
式からわかるように、○○である場合を1として、確率を求めている。
例題1
甲、乙2人がくじを引く。くじは全部で12本あり、うち7本が当たり、残り5本がはずれである。先に甲が12本のうちから1本を引き、乙が残った11本の中から1本を引く。このとき、次の確率を求めよ。
解答
前述の「○○である」に相当するのは「乙が当たり(もしくははずれ)を引く」であり、「××となる」に相当するのは「甲が当たりを引いている」である。
甲が当たりを引き、かつ乙が当たりを引く確率は、(7/12)×(6/11) = 42/132
甲がはずれを引き、かつ乙が当たりを引く確率は、(5/12)×(7/11) = 35/132
よって、乙が当たりを引く確率は、42/132+35/132 = 7/12
したがって、1.の確率は、(42/132)÷(7/12) = 6/11
甲が当たりを引き、かつ乙がはずれを引く確率は、(7/12)×(5/11) = 35/132
甲がはずれを引き、かつ乙がはずれを引く確率は、(5/12)×(4/11) = 20/132
よって、乙がはずれを引く確率は、35/132+20/132 = 5/12
したがって、2.の確率は、(35/132)÷(5/12) = 7/11
このように、甲が先に引いているのだが、乙の結果を前提条件にすると、それによって甲が当たりを引いている確率も変わる。実際、乙が先にくじを開いて結果を確かめれば、乙の結果は確定的な要素になるため、結果と反する場合が除外されるのである。ちなみに、乙の結果によらず単純に甲が当たりを引く確率は、7/12である。
例題2
サイコロを2回続けて振る。このとき、次の確率を求めよ。念のためだが、6面のサイコロを使用し、確率は均等である。
解答
答えは、いずれも1/6である。条件云々以前に、サイコロは1回目の結果が2回目の結果に影響を及ぼすものではない。1回目で何が出ようと、2回目とは関係ないことなのだ。一応、条件付き確率の式に当てはめると、以下のとおりとなる。
1回目のサイコロの出目をm, 2回目のサイコロの出目をnとすると、すべての事象は (m, n) = (1, 1), (1, 2), ..., (1, 6), (2, 1), (2, 2), ..., (2, 6), ..., (6, 6) の36通り。
1回目で1を出し、2回目でも1を出すのは (1, 1) の1通りなので確率は 1/36
1回目で1を出す確率は、1/6
よって、1.の確率は、(1/36)÷(1/6) = 1/6
1回目で1以外を出し、2回目で1を出すのは (2, 1), (3, 1), ..., (5, 1) の5通りなので確率は 5/36
1回目で1以外を出す確率は、5/6
よって、2.の確率は、(5/36)÷(5/6) = 1/6
こういった結果になるのも当たり前っちゃ当たり前だが、「後者のほうが前者の5倍出る」と思い込んでいる方もそれなりにいらっしゃる。そういった方々は、「前提条件の確率で割る」ということを理解されていない。
なお、このように、一方の結果がもう一方の確率に影響しないことを独立であるという。
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関連項目
外部リンク
ロジカルシンキングができない人々【論理よりも感情が優先される国】
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