武装化時代とは、1984年に発表された秋本治の読み切り漫画である。31ページ、扉4色カラー+活版作品。
概要
フレッシュジャンプ1984年3月23日号に掲載。
ファンの間では秋本治漫画史上最大の問題作、もしくは怪作として扱われる。
話の内容は凶悪犯罪に対抗するため銃刀法が改正されて、銃の所持及び購入、製造が自由化された日本を舞台とした群像劇。
特定の主人公といえる人物はおらず、淡々としたテンポで事件を伝えるニュース番組と銃を手にした日本人たちの様子が交互に描かれる形態を採っている。
唯一全編にわたって登場するのは、MMK NEWSのキャスター大玉金太郎という人物のみで、ほかの登場人物は散発的に殺伐とした日常の風景としてシニカルに描かれるのみである。
絵の描写は非常に生々しく、この時期の秋本作品には珍しくギャグが殆ど無いうえに、銃撃を受けて目や脳がグチャグチャに飛び散る様子や血を流しながら死ぬ人物などが望月三起也を彷彿とさせる雰囲気でリアルに描かれている。しかし、ハシラには何故か「超過激爆笑作を熱筆!!」などと書かれている。
掲載時の著者コメント欄には「日本は武装化してほしくない! そんな願いをこめてかきました。感想まつ」と書かれており、後年「秋本治SF短編集」においては当時海外においては簡単に銃が手に入るような雰囲気があった感覚を下に、とことんブッ飛んだものを描いてみようと思った、という執筆動機を明かしており、発想としては日本では裏社会の人間だけが銃を持っていたので「みんなで武装すれば恐くない」というもの。秋本自身は「かなり勇気のいる内容だったが、勢いに乗って楽しんで描けた。自分の作品とは思えないくらい血が出ている」と語っている。
前述の通りの過激な内容故に2019年現在一度も単行本化や再録は叶っておらず、唯一単行本収録といえるのは、前述のSF短編集における本作の紹介で作品が1コマだけ引用されているもののみである。
秋本も「今改めて読んでみると、現在では雑誌にはとても載せられない内容、フレッシュジャンプは自由度が高かった・・・っていうか、僕が思いっきり暴れて、やり逃げしちゃった感じ。」と語っている。
このため、本作品を読むためには当時のフレッシュジャンプを入手するほか無いが、この号は「鳥山明のヘタッピマンガ研究所」の最終回掲載号でもあるためか、古書価格は若干高め。
しかし、国立国会図書館には収蔵があるため、遠隔複写サービスを該当号で申し込めば容易に入手可能となっている。1ページ目のみカラーなので、カラー指定と綴じ部不鮮明了承を忘れずに。
2017年頃までは収蔵はあるものの、複写不能となっていたが、これはおそらく書誌情報の電子化作業のために閲覧制限がかかっていたものと思われる。これは、同じく未収録作品「プラモ道入門」が掲載されたHobby's Jumpも同様である。(2019年現在、該当号は国会図書館側にデジタルの電子データがあるため、複写もそのマスターからの複写となっている)
なお、カラー+モノクロで依頼した場合は、送料、消費税込みで938円で全編複写可能となっている。
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