特生自衛隊とは、東宝製作の映画「ゴジラ×メカゴジラ」とその続編「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」に登場する架空の自衛隊組織である。
概要
ゴジラ×メカゴジラの世界では巨大生物(怪獣)による被害が多発しており、巨大生物に対抗するために編成された第四の自衛隊。正式名称は「対特殊生物自衛隊」で、略称はJ.X.S.D.F.(Japan Counter-Xenomorph Self Defence Force)、もしくは特自。千葉県習志野に司令部を置いていたが、機龍完成後は内陸の八王子に移している。巨大生物を迎撃する事を主任務としており、時に陸海空の自衛隊と協同で任務に当たる。1999年時点で4072名の隊員が所属している。制服は、ロゴや略称を変えた上で陸上自衛隊のものを使用している。
1954年のゴジラ襲来以来、生態系の崩れから日本は巨大生物の脅威を受け続けてきた。モスラとの戦いでロリシカ陸軍から貸与された原子熱線砲を研究し、メーサー砲を開発。陸上自衛隊に66式メーサー殺獣光線車が配備され、ガイラ戦で実際に使用。大きな戦果を挙げたが、「専守防衛の範疇を超える」という意見が噴出したため、このメーサーを扱う専用の部隊が発足。それが特生自衛隊だった。このため他の自衛隊と違って、防衛出動が認められてない。
ゴジラ×メカゴジラの時点では90式メーサー殺獣光線車が主力となっており、次々に襲来した巨大生物を撃破。ゴジラ出現まで無敵を誇っていた。第1機動団第1メーサー群(第1~第4メーサー隊で構成)に所属し、主に関東方面に配備されている。ゴジラとの戦いでメーサー車が何台も破壊されており、東京SOSでは第4メーサー隊が壊滅。かなりの被害を出している事が窺える。
ゴジラ×メカゴジラ
1999年、新たな対巨大生物用の兵器とするため自衛隊は海底に沈む初代ゴジラの骨を回収。描写は無いが、護衛艦に載せて館山市に運んだようだ。その日の夜、台風とともに千葉県房総半島へゴジラが上陸。1954年以来の襲来だった。ただちに陸上自衛隊とともに出動し、迎撃に当たった。暴風雨の中、90式メーサー殺獣光線車4台が投入され、90式戦車の支援を受けながらゴジラを攻撃する。しかし、どの巨大生物にも通用した必殺のメーサーがゴジラには効かなかった。結果、殉職者10名を出し迎撃任務は失敗。館山市一帯に大きな損害を出してしまう。
これに危機感を覚えた拓植真智子首相は、1999年10月に対G特殊兵器開発特別法案を可決。ゴジラの骨をベースに決戦兵器を造る運びとなり、4名の天才科学者によって計画が推進された。国内外から「日本が軍事大国になる」との非難が寄せられたが、それを押しきって建造が進められた。そして2003年、心血を注いだ決戦兵器が完成。機龍と命名された。機龍には多大なGが掛かる事から遠隔操作方式が採られ、3機の航空機「しらさぎ」と、それを運用する機龍隊が編成された。これに伴って司令部が八王子へ移動している。国内外の非難を押しきった拓植首相は責任を取って辞任し、後任には五十嵐隼人首相が就いた。
その後、八景島に出現したゴジラを迎撃するため、機龍隊が出撃。機龍は初陣を迎えた。ところがゴジラの咆哮にDNAコンピュータが反応し、暴走を招いてしまう。手持ちの武装で手当たり次第に街を破壊、その破壊神っぷりはゴジラと何ら変わりなかった。ゴジラは慌てて撤退していったが、機龍の暴走はエネルギー切れになるまで続いた。八景島は壊滅し、五十嵐内閣は総辞職寸前にまで追い込まれた。特自肝いりの機龍隊は初陣から醜態を晒し、特自の存続すら危ぶまれた。
回収された機龍は早速改良され、原因となったDNAコンピュータを廃止。暴走の危険性は無くなった。間もなくゴジラが品川埠頭に上陸。自衛隊を蹴散らし、機龍を求めるかのように八王子方面へ歩を進める。これを迎撃すべく機龍は二度目の出撃を迎えた。病院に向かって熱線を吐こうとするゴジラを寸前で阻止し、多くの人々を救った。両者ともに激しく戦ったが、必殺のアブソリュート・ゼロを外した事でエネルギー切れになってしまう。時間を稼ぐため、周囲に展開していたメーサー車がゴジラを攻撃している。最終的にはゴジラに手傷を負わせて撃退する事に成功。汚名を返上した。しかし機龍も全体の37%を損傷し、右腕を失った。
東京SOS
前回のゴジラ上陸から1年が経過してもなお、機龍の修理は未了だった。高価な人工ダイヤモンドの調達が出来ず、胸部のアブソリュート・ゼロは廃止。代わりに三面ハイパーメーサーが搭載された。右腕は完全に機械化され、新武装のスパイラルクロウを装備。来るべき決戦に備えて整備を続けていたが、完全とは言いがたい状況だった。また、ゴジラの骨を兵器化した事を憂慮する小美人から機龍を廃棄するよう迫られるが、機龍以外に対抗手段が無いとしてこの意見を退けている。
やがてゴジラは活動を再開し、アメリカ軍の原子力潜水艦を襲って元気をチャージ。再び日本本土を目指す。道中で海自の護衛艦群が迎撃するも、それを掻い潜って東京湾に姿を現した。品川埠頭には既に特自と陸自による防衛ラインが張られており、対艦ミサイルによる飽和攻撃や第4メーサー隊による攻撃を実施するも、熱線の薙ぎ払いによってあっさり壊滅。再度ゴジラの上陸を許した。その直後にモスラが東京に現れ、人類の代わりにゴジラへ挑む。しかしそのモスラは寿命が近い老いた個体で、力の差は歴然だった。ぼろぼろになっても攻撃をやめないモスラの姿を見て、五十嵐総理は機龍の出撃を決断。動けなくなったモスラと入れ替わる形で機龍が参戦する。ゴジラの胸には前回の戦傷が残っており、そこを集中的に狙う事で火力の低さをカバーしている。
最終的に機龍はゴジラを道連れにして日本海溝に沈み、ついにゴジラの脅威から解放された。…のだが、映画のラストでゴジラの細胞を使った実験が行われている事を示唆する描写がある。
関連項目
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