花代さんは嘘つきだとは、TVアニメ「selector infected WIXOSS」のキャラクター、紅林遊月(cv佐倉綾音)の言葉である。
転じて、夢限少女システムの救いの無さに衝撃を受けた視聴者の罵倒絶望である。
※※注意※※ この記事は、TVアニメ「selector infected WIXOSS」第8話以降の重大なネタバレを含んでいます。 未視聴の方は、視聴後にご覧になることをお勧めします。 核心を突いている部分は、白字で隠すなど細工してあります。 |
概要
カードゲーム「WIXOSS」が巷で流行している世界。双子の弟・紅林香月の影響で始めたWIXOSSのルリグ・花代から、無茶な願いや夢を可能にする自分になれる「夢限少女」の存在を聞かされた紅林遊月は、幼い頃から押さえ込んできた弟・香月への思いを叶えるため、夢限少女を目指してセレクターとして戦うことを決意する。
対戦相手のセレクターを探す過程で友人となった小湊るう子、植村一衣とともに夢限少女になることを目指して共に行動するが、一衣が3回敗れたことで夢限少女システムの負の側面を知ってしまう。
それは、3回敗れてセレクターとしての資格を失うと、願いや夢が叶うどころかマイナスの状態になる、という過酷なものであった。(実際、一衣は「友達が欲しい」と願ってセレクターになったが、3敗した結果これまでの友人の記憶をなくし、友人としての因子を持つ人物から触れられるだけで激痛が走るというハイパーボッチと化し引きこもってしまった。)
このことを知った遊月は、なぜ先に教えなかったのかと花代を責めるものの、香月への思いを断ち切ることもできない。この葛藤から、「花代さんは嘘つきだ。でも香月を誰かに盗られるくらいなら・・・」と再び夢限少女となることを目指し、対戦相手を探して街を彷徨うのであった。
すべては、決して結ばれることのできない、弟との幸せな未来を夢見て。
そして、いよいよ3回目の勝利を手にした遊月と花代。夢限少女として生まれ変わった遊月の運命は・・・
遊月の肉体には花代が入れ替わり、遊月は新たなルリグとなって店で売られることになった。そのカードは、前述の事情で引きこもっていた一衣の母親が購入し、WIXOSSをしていた頃に戻れるように、と一衣へプレゼントされることになる。
嘘800+74.3
3回負けた際のペナルティーについて
花代「ただこれだけは忘れちゃいけない。バトルに3回負ければセレクターとしての資格を失うんだ。3回負けた時点で私らは消える。あんたらの願いは叶えられることなく、夢限少女の座を賭けたWIXOSSの世界は閉じる」
夢限少女について
なお、第9話では花代が遊月自身へ、どの様に説明したか明らかになっている。
遊月「願いがかなう?」
遊月「・・・」
信じた結果がこれだよ!
遊月「私はバトルに勝った。そして願いが認められた 。願いを認められた少女は、夢限少女になって願いを叶える力を持つことができる。でも、願いを叶えるのは・・・」
るう子 「そんな、そんな・・・ルリグが・・・願いを・・・」
遊月「そして、また誰かを勝利へと導き、入れ替わることでもう一度表の世界へ出ることができる。確かに願いは叶う。でも叶えるのは私じゃなくて、ルリグの花代さん。それが、この戦いの真実なんだ!」
花代さんは嘘つきなのか
- 3回負けた際のペナルティーについて
圧倒的に情報量が不足しているが、嘘はついていない。(第8話で、ルリグをもう一度入手できれば、セレクターに再挑戦できることが示唆されたが、セレクターになれる確率がそれほど高くないことを考えれば、一衣のケースは初の事例か、ルリグの世界でも知られていないことなのかもしれない。花代が知らなかったのであれば、この件について嘘をついたとは言えない。)
「自分」の解釈次第ではあるが、「肉体」と解釈すれば嘘はついていない。自分とは、精神を指すのか肉体を指すのか議論が分かれるところだが、議論が分かれる時点で統一した解釈は無いことになる。ここで遊月と花代の間で認識が異なっていたとしても、確認をしていないのであれば嘘をついたとまでは言えない。
なお、遊月の発言を敢えて訂正している点には注意が必要であろう。
セレクターの未来=願いを叶える夢限少女の「姿」(セレクターと夢限少女は肉体の同一性を保つ)という遊月の認識に基づく発言を、言葉を変えて表現することで「セレクターの願いを叶えるのは肉体で、精神については何も言及していない」とも解釈できる状態に変更している。(こんな高度な訂正を普通の会話で差し込める花代さん、マジで出来る女)
また、第9話での説明も、誰が願いを叶えるのか、明言をしていない。
- まとめ
花代は自らのため遊月に十分な情報を与えず、夢限少女を誤解させたまま肉体を乗っ取ったとも言える。だが、こうした理不尽なルールでルリグになった人間の少女が、再び自らの肉体を得ようとすることを責められるだろうか?現時点では、ルリグが肉体を得るための手段は、セレクターを夢限少女にすることしか示されていない。
また、ルリグの間では夢限少女システムの詳細をセレクターに話すことはタブーとされている模様。(そりゃそうだ。)そうした中で、「カードの廃棄」や「バトルの封印」をセレクターに促したピルルクや緑子の行為は、自らの身を犠牲にしてセレクターを救うためのものであったと解釈できる。
同様に花代も遊月に破棄を促したり、最後に再度、夢限少女になりたいのか問い直したりしている点から、花代自身にも深い葛藤があったことが容易に推察される。
このような、夢限少女システムにおける構造の複雑さ、つまり加害者と被害者の螺旋構造(被害者が自発的に加害者となる構造)が見て取れるが、これは被害が増えるという意味で現実におけるネズミ講などの詐欺技法でよく見られる構造であり、関連者のほとんどが被害者である為、ほほすべての事例で抜本的、かつ現実的な救済が非常に困難になってしまう。なお、ネズミ講とは違い夢限少女システムはルリグと少女の入れ替えかわり、もしくはゲーム敗北によって構造的には参加人数が減少していくという特徴を持っておりその意味では大きく異なっている。むしろもっとシンプルなババの多いババ抜きに近いという見解もある。なお、3回敗れたルリグは再びカードとなって次の所有者の基へ赴きセレクターにすることや、第2期selector spread WIXOSS』において、ルリグは初めは2体であったことが明言されていることから、セレクターバトルから降りる以外に被害者が減ることは無い模様。
以上のことから「花代さんは嘘つきだ」という遊月の言葉に対して、花代さんは目に付く嘘は今のところ発言していないようだが、自身の置かれたルリグという立場から本当のことを洗いざらい話してもいないと結論付けることができる。
視聴者の反応
第5話で3回負けた際のペナルティーが明らかになると、ペナルティーを事前に説明しておかなかったルリグたちを非難する声が数多く上がった。(この際に最も非難されたのは、所有者である一衣が2敗していたにも関わらず事前に説明しなかったため、避けられたバトルをみすみす開始させ、しかも負け直前で打ち明けた緑子であった。)
また、第8話で勝ち抜けたにもかかわらず、自ら望んだであろう形とまったく異なる形で願いを叶えた遊月(肉体)が描かれると、ルリグたちは基より夢限少女システム自体に多くの非難が寄せられることになる。
「girl→Lrig→girl→Lrig→girl→Lrig→(ry)これが無限少女」
「勝っても負けても罰ゲーム」
こうして、第6話で遊月が放った「花代さんは嘘つきだ」という悲痛な叫びが、夢限少女システムに向けられた視聴者の不信感を象徴することとなった。
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