『覇-LORD-』(ロード)とは、原作・武論尊、作画・池上遼一による”超”三国志漫画である。
全22巻および完結編に当たる『SOUL 覇 第2章』(ソウル ロード だいにしょう)全3巻。
概要
2004年9月10日から『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載開始。
義勇軍を用いて略奪暴行も持さない極悪なやくざ者"劉備"を殺して入れ替わった倭人が主人公となり、
関羽、張飛と義兄弟の契りを結んで混迷する中国大陸の制覇に挑むという内容が三国志界隈で話題になる。
2011年に一時中断を挟み、さらに超展開となる「SOUL 覇 第2章」のタイトルで2013年まで連載された。
全体として基本的に三国志の本筋から逸れる事は無いが、本作独自の設定が大量に盛り込まれている。
なお、読み方は「覇」と書いてロードと読む。
趙雲が槍の達人ながら男装の麗人(女性)だったり、
呂布と趙雲の間にできた子を関羽が引き取って関平と名づけたり、
関羽があんまり強くなくて都会派インテリ武将だったり、
華雄が元倭人だったり、燎宇の邪魔をする小悪党の常元も倭人だったり、
董卓がポル・ポトだったり、張邈がヤンデレホモストーカーだったり、
大喬と小喬がローマ人だったりするが、だいたい三国志マンガではよくあることである。
ストーリー
西暦184年。倭の国の武将だった義侠心に厚き男・燎宇(りょうう)は、蒼天の国で”覇”を握るべく、倭から後漢の大陸へ渡る。
折りしも黄巾の乱の中、燎宇は皇帝の血筋で中山靖王劉勝の末裔を自称し義勇軍を集めた無頼漢・劉備と彼に従う関羽、張飛に出会う。
劉備は秩序体制の崩れた大陸で腕力を武器に栄達し、“覇”を握る野心を抱く男だった。
男の器量を見定めようと同行するも、乱から民を守るどころか略奪を繰り返す傍若無人ぶりに怒り、燎宇は劉備を切り殺してしまう。
その場に居合わせた関羽と張飛は、燎宇の器量を認め、旗印として劉備を名乗るよう提案。桃園で改めて義兄弟の誓いを交わした。
劉備、関羽、張飛の3人は、中国大陸に広がる乱を鎮め覇を握るべく数多の英雄たちと戦う。
登場人物
- 燎宇(劉備)
- 倭からやってきた男。武芸に秀で、仁義に厚く、男の誇りを尊ぶ。
本物の劉備がただの外道だったので斬り捨てて以後は劉備を名乗る。
大陸で覇を握る大望を持つが、それは決して力による制圧ではない。
曹操とは時に馬を並べて共に戦い、時に激しく敵対する関係。 - 関羽
- 都出身で武芸も学問も嗜むインテリ。宮廷を牛耳る奸賊を倒して漢王朝を守るため戦う。
燎宇や張飛を武人として深く信頼しているが、倭人や田舎者への侮蔑を拭いきれない面も。
本物の劉備の下にいたのは劉の旗印に利用価値があったからであり、
燎宇に名を継がせたのも同様の理由である。 - 張飛
- 粗暴で短気だが気のいい田舎の大将。考えることは基本的に関羽に任せている。
意外と子供好きで面倒見がいい。 - 趙雲
- 男装の女性武芸者。武者修行中に燎宇と出会い、惹かれるようになる。
燎宇との戦いに執着する呂布から同じく燎宇を慕う女性を守るため、
身代わりに抱かれたことで呂布の子を身ごもる。生まれた子が関平である。 - 曹操
- 漢王朝の武官。若き英才であり、覇を握る大望を抱く冷徹な野心家。
黄巾の乱に乗じて策を巡らせ権力を握る。当初は董卓の後塵を拝すが、
董卓討伐後にいち早く献帝を手中に収めて漢王朝の権威を背景に勢力を拡大する。
誰よりも劉備(燎宇)の侠気を認めながらも、高いプライドがそれを否定するツンデレ。 - 董卓
- 辺境警備の将軍だったが黄巾の乱で討伐軍を率いて中央へ進出した奸雄。
宮廷内の帝位争いに乗じて献帝の後ろ盾に成り上がった。
「民はすべからく平等であるべし」という思想を持ち、身分も貧富も宗教も学問も無い
農民と兵士だけの国家建設を目論む。反対者は一族郎党を処刑という恐怖政治を敷く。 - 呂布
- 狼に育てられたという親の愛も人の情も知らない獣のような男。
一貫性の無いその場の欲望を是認する生き方で多くの群雄と敵対。
武勇に優れ、辺境民族のような騎馬の扱いを得意とする。
劉備を慕う麗甘を無理矢理抱こうとするが、身代わりを買って出た趙雲との間に一子を儲ける。
関平の存在を知ってからは父親という立場に目覚め、関平のために生きることを決意。
わが子に残せるものを「子が乗り越えるべき壁」と見定め、あえて飢えた野獣となる。 - 孫堅
- 漢王朝の臣下として乱を鎮めようと奔走する義勇の人。
病身で死期が近いことを感じ、若い息子たちに戦場での死に様を示した。
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関連項目
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