清少納言と行成の歌を訳しておくと、
「
夜をこめて
鳥のそら音は はかるとも よに
逢坂の 関はゆるさじ」
孟嘗君の故事のように
鶏の鳴きまねをしても、私とあなたの間にある関所は越えさせませんよ。(あなたと
男女の仲にはなりませんよ)
「
逢坂は 人越えやすき 関なれば
鶏鳴かぬにも あけて待つとか」
あなたの関所は
鶏なんか鳴かなくても、最初から開けて待ってるって聞きましたよ。(あなたはチョロいってみんな言ってますよ)
という感じです。
清少納言の
インテリ全開な歌にくらべ、行成のド
ストレート無礼さが際立つ返歌よ……。