アリス イン ナイトメアとは、「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を原作とした3Dアクション・ホラー・アドベンチャーゲーム(PCゲーム)である。 原題は「American McGee's Alice」。
概要
2000年10月6日※にエレクトロニック・アーツより発売。日本語版はWindows版が2001年1月25日(ベスト版は2004年3月18日)、Macintosh版が2002年3月21日に発売されている。 初回限定版は盤面がピクチャーレーベル仕様に加えマウスパッドが付属。初回版・通常版にはゲームを盛り上げるため病例記録(アリスを診た医師のカルテ。リンク参照)が同梱されている。
※発売日は、原作の帽子屋の帽子についている「10/6(帽子の値段、10シリング6ペンス)」からきていると思われる。
なお、日本語版wikiには長い間「10月5日」と誤った記載がされていた(現在は修正済み)
メインディレクターは『Doom II』や『Quake』シリーズのデザインを手がけたアメリカン・マギー (American McGee)。作曲者にNine Inch Nails創設期のメンバー、クリス・ブレナ(Chris Vrenna) を加え、これまでのアリスをモチーフとした作品には無かった、独特の暗くよどんだ美しい狂気の世界を演出している。ゲームにはマギーがプログラマとして携わった『Quake III』のエンジンを使用。当時最高レベルの3D技術を持って制作された。余談だが、当初は2001年にPS2への移植が企画されていたが、実現には至らなかった。
2001年発売の日本語版は音声、字幕共に英語・日本語の両方を選ぶことができ、さらに字幕に日本語を選んだ場合ゲーム中の背景の文字(看板等)に至るまで日本語に変わるという高品質なフルローカライズとなっている(なお、ベスト版では英語音声と英語字幕はなく、日本語のみである)。
※現在は通常版・ベスト版共に生産が終了している(2014年時点)。
日本語版声優は、アリスに『ポケットモンスターシリーズ』のシゲル、『天地無用!シリーズ』の鷲羽で知られる小林優子、チェシャ猫に『ONE PIECE』のサー・クロコダイル、『ドラゴンボールZ』のダーブラで知られる大友龍三郎を採用。その他キャラの声優も含め、ゲームの雰囲気にあった声優陣がアリスの世界を演出している。
本国アメリカでは未だ根強い人気があり、ファンも少なくない(Youtubeにも多くのプレイ動画やMAD、トレイラー等が公開されている)。なお、アメリカン・マギーの最新作として北米向けに「American McGee's Grimm」が7/31より毎週エピソード形式でダウンロード販売されている。フリーの間なら日本でも入手・遊ぶことは可能(エピ1は完全フリー。他エピも公開直後から24時間以内ならば遊べ、それを過ぎると課金が必要になる。詳細はGrimm公式サイトへ)。
続編については長らく音沙汰がなかったものの、2011年7月21日に続編の『Alice:MadnessReturns』(公式サイト)が発売された。全3部作構想であり、シリーズ第3作『Alice:Otherlands』が2014年末を目途に開発されていた。その後2017年9月頃にはタイトルを『Alice: Asylum』へと改め、開発企画を進めていたが、マギーの率いていたディベロッパー「麻辣馬/Spicy Horse」の上海スタジオは前年の7月頃には資金難により既に閉鎖しており、著しく規模を縮小されてオンラインゲーム運営をするに至っている。マギーは東南アジアの海をヨットで冒険しながら、1人のインディーデベロッパーとしてゲームを開発する予定で、完成したゲームタイトルはSpicy Horse Gamesブランドでリリースされると伝えている。2020年現在はクラウドファンディングで出資を募ったり、バッカー向け及び一部ショップにて、アクセサリーやぬいぐるみ等雑貨を対価とするほか、ヨットでの冒険譚の映像や書籍化、販売するなどして資金集めに勤しんでいる。新たな開発チームの編成も考えているそうだが総じてかなり難航しており、当初予定していた2021年のリリースは到底叶わない状況となっている。権利元のEAへの説得もむなしく、2023/04/08本人のtwitterから正式に開発中止が公表された。また、本件をもってソフト開発から完全に身を退くとのこと。事実上完全凍結という、ファンにとって衝撃的な結末をもってシリーズを締めくくる運びとなった。
第2作『アリスマッドネスリターンズ』に関して詳しくはこちらへ→アリスマッドネスリターンズ
一方映画化についてはゲーム販売当初から触れられていたものの、サラ・ミシェル・ゲラー主演で2007年公開の予定が再々延期され、その後全く目途は立っていない状況である。
なお、2010春に公開されたティム・バートンとジョニー・デップの映画「アリス・イン・ワンダーランド」は、原作を同じくするだけでこのゲームと全く関係ないものである。ただし、一部の設定に似ている部分がある(成長したアリスが再び不思議の国へ、赤の女王が恐怖で支配、女王の最強のしもべ「ジャバウォック」を倒す…等)
略称は「アリナイ」「アイナメ」「AiN」「AIN」「悪夢アリス」「悪夢アリ」「マギーアリス」「AMA」等。別の意味に取られないことがはっきりしていればただ単に「アリス」と呼ばれることも多い。
続編は「アリスマッドネスリターンズ」「AMR」「アリス続編」「AIN2」「A2」「アリス2(alice2)」「AMA2」等で呼ばれている。
ストーリー
「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」という二つの冒険のあとも、幼いアリスはたびたび夢の中で帽子屋や白ウサギと出会い、奇妙なお茶会を楽しんでいた。しかし、そんな楽しい日々も長くは続かなかった…
アリスの家は火事にあい、アリスを残して家族は全員死亡。その影響でアリスは心を閉ざしてしまい、精神病院へと入れられる。
あれから10年。アリスは18歳になったが、治療の甲斐なくその心はあの日からずっと砕けたままであった。
ある日、持っていたウサギの人形から助けを求められ、アリスは再び不思議の国へと向かう。
しかし不思議の国やその住人達はアリスの心の影響を受けてか、かつての面影を一切残さない悪夢と狂気の世界に変わり果てていた。
血のついたナイフを握り締め、アリスは決心する。もう一度、美しい不思議の国を取り戻そう――と。
関連動画
アリスインナイトメアにはプレイ動画の他、メイキング、トレーラー、特定ステージプレイ(チート含む)、MAD、改造動画、歌ってみた等がある。詳しくはマイリストへ。
トレイラー・メイキング・製品紹介ムービー(公式ムービー)
以下のムービーのうち、日本語版のものはアリス イン ナイトメア 公式サイトからダウンロード可能。
プレイ動画
ニコニコ動画で公開中のプレイ動画は11/29現在、54シリーズが存在する。
内訳は完結22シリーズ(うち、体験版3シリーズ)、進行中31シリーズ(中断中含む)、途中終了1シリーズ。
以下に各シリーズの通称およびリンク等を記載(基本的に公開順)。詳しくはマイリスト(下記)を参照。
※なお、削除された動画はここに記載していない
その他の主な関連動画
マイリスト
ニコニコ動画におけるアリスインナイトメア
アリスインナイトメアのニコニコミュニティが存在し、続編の最新情報やスキン(主人公のアリスの服や顔を変えられるMOD)のDLサイトなどの情報が存在する。
また、プレイ動画では以下のようなコメントやタグがつくことがある。
各キャラや武器等の詳しい紹介はwikiに記載があるため、ここではニコニコ特有のものだけを表記する。
- スナイパーアリス
…投げナイフの命中率が高いアリスのこと。超長距離にいる敵を軽々しとめることからこの名がついた。
なお投げナイフはホーミングせず一度投げてしまうと約5~7秒武器のない状態になってしまうが(別の武器に持ち替えることは可能)、投擲距離および殺傷力にすぐれ、序盤から最後まで使える武器である。極めれば悪夢ナイフオンリークリアもでき、実際にナイフ縛りで悪夢をクリアしてしまったプレイ動画(強行突破シリーズ)がある。 - アリスネーク
…上記スナイピング他、暗殺能力に長けたアリスのこと。超長距離スナイピング、壁越しサイコロorびっくり箱ボム、背後から攻撃、出会い頭にらっぱ銃、等の技を持つ。この逆で「ごり押しアリス」も存在する。 - 手榴弾・爆弾・ボム
…びっくり箱ボム(特にプライマリ攻撃)のこと。使い勝手・効果はまさに手 榴 弾。
またセカンダリ(右クリック攻撃)は火を吹いて回る攻撃方法から「火炎放射」と呼ばれることが多い。 - 氷殺ジェット
…特に対ムカデ戦におけるアイスワンド プライマリ攻撃(冷気吹きつけ)のこと。対虫・対キノコで使用されるときにもこう呼ばれることがある。どう見ても殺虫剤を噴霧しているようにしか見えない。動画参照。 - マキビシ
…ジャックのこと。形状的にどう見てもマキビシだが、本来はジャックスというアメリカの古いゲームで使うコマである。ちなみにアリスの横で跳ねているボールとセット。動画参照。 - 悪魔くん・ピカチュウ・ライチュウ他
…悪魔のサイコロで召喚できる悪魔のこと。召喚するとアリスと共に戦ってくれることから。サイコロを取った数によって召喚できる最大レベルが上がり、ガーゴイル(1個以上)→レッサーデーモン(2個以上)→キングデーモン(3個)の順に強くなる。同時に複数匹召喚可能。非常に強いが、出現悪魔のランダム性が高い、勇気(MP)消費が他の武器に比べ多い、狭い・踏まれるなどでゲートが展開できないと召喚失敗する、等のデメリットが大きいため人によっては使われないことも多い。序盤で大活躍するためか、ファンが多い。なお、ボス戦では召喚できない。 - メテオスウォーム・メテオ・宇理炎
…ジャバウォックの目玉の杖 セカンダリ攻撃(エネルギー弾降り注ぎアタック)のこと。動画参照。なんというSDK。 - ザ・ワールド
…不思議な時計発動時(の世界)のこと。背景を除く、アリス以外の動くもの全てが停止する(泡やドアまで停止する)。「そして時は動き出す」までに致死ダメージを与えた敵は、時間が動き出した瞬間死ぬ。なお、一回使用すると約6分のチャージが必要。ボスに対しては時止め効果がない。 - マイケル
…怒りの箱の効果で鬼神化したアリスのこと。効果発動時に顔のアップになるが、その鬼神顔がマイケル・ジャクソンに見えるため。ポウッ! スーパーヒーローに追悼を…(6/26) - 仮面ライダー
…グラスホッパー・ティーの効果でバッタ化したアリスのこと。効果発動時に顔のアップになるが、そのバッタ顔が仮面ライダーに見えるため。なおグラスホッパー・ティーはその形状から「バッタ茶」とも呼ばれる。アリスの速度とジャンプ力が急に上がるため、逆にピンチになることが多々ある。
- ぬこ
…チェシャ猫のこと。「c」ボタン(デフォルト)でヒントをくれるが、内容は大抵関係ないことばかりなのでプレイヤーとアリスを混乱させることが多々ある。日本語音声(声:大友龍三郎)は渋く、ファンも多い。「猫」「チーちゃん」「社長(ONE PIECEのクロコダイルと声優が同じのため)」と呼ばれることもある。なお、「ハハハ実況」シリーズでは「動画内でポーンを"猫"と呼んでいる」ので注意。 - じーさん・じじい・オッサン
…トロール・エルダーのこと。本名が出てこない上に、不思議の国のアリスに登場しない人物であるためにいつしかじーさんと呼ばれるようになった。敵に見つかるのが得意。アリスを置いてトンズラするのも得意。 - ブリーフ太郎・ガチムチパンツレスリング
…海亀(原作におけるウミガメモドキ)のこと。最初に会ったとき、公爵夫人に甲羅を取られてしまったためパンツ一丁で出てくることから。なお、パンツの形はブリーフというよりはオムツである。 - らりお
…狂気の子のこと。命名はsm3902718から(なお、命名したうp主も後日「らりお」と名乗るようになる。詳細はらりおの項参照)。
マップ上に登場するときは大抵意味不明な踊りをしていたり笑っていたりするが、あるステージではらりおを連れ歩くことができる。殺すことができず、殺されることもない、ある意味最強の子供。 - お弁当
…ブージャム(浮遊する亡霊のような敵)のこと。中盤以降、簡単に倒せて回復量の多い「メタエッセンス大(意識・勇気共に1/2回復)」を落とすことから。
序盤は強い上にうっとうしい(そしてうるさい)敵のため、「ブー邪魔」という名前で呼ばれることもある。しかしアイスワンドという武器を取得してからは一転激しく雑魚化。アイスワンドで楽に殺せるため、序盤とのギャップも踏まえ「冷やしブージャム始めました」というコメがつくことが多い。インパクトの強いザコキャラのため、「ブーちゃん(プーちゃん)」「ブー様」「ブー太郎」「亡霊」「オファー鳥(叫び声から)」「ジャイアン(声攻撃から)」「カーテン野郎(形状から?)」「先生(用心棒?)」等いろいろ呼ばれている。 - クリボー・キノコ
…イビル・マッシュルームのこと。いや、形的に… - 歯医者さん
…ジャバウォック(ゲーム中最強のボス)のこと。会った一声目に「あなた私の歯医者と良く似てるわ」とアリスが言うため。 - ストーリー上2回戦うことになるが、2回目の本気モードはプレイする者全てを苦しめるほどの力を持っている。
- アリスキン
…スキン配布サイトのこと。ここ以外にもスキン配布サイトはあるが、ここが一番有名。 - 歪アリ・ハトアリ・クロアリ
…アリスモチーフの別ゲームのこと。 それぞれ、「歪みの国のアリス」「ハートの国のアリス」「クローバーの国のアリス」を指す。 - クイックセーブ(F4)とクイックロード(F1)
…このゲームには正規セーブ(Escキーでメニューを呼び出してセーブできる)の他に、クイックセーブ&ロードがあり万一ステージ途中で死んでもすぐ復帰できる機能がついている。が、なぜかベスト版の説明書に書いていないため、プレイ動画の番号が早いうちにこのコメントが付くことがある。なお、変なところ(例、落下途中)でクイックセーブするとロード直後に死に続けることになるため注意が必要である。またナイフ(「1」キー)とびっくり箱ボム(「4」キー)のすぐ上にボタンがあるため、暴発ロード等をすることも多い(キーコンフィグ可) - ツタに掴まる、ツタを上る、レバーを引く
…初見プレイをするとまず悩む動作。説明書を見ていないとまず気づかない。ツタに掴まるのは「ジャンプ後キーを離してツタに体当たりする」ことであり、「ツタに体当たりした際スペースキーを押しっぱなし」だとツタに掴まった瞬間ジャンプしてしまう(通称「ツタ二段ジャンプ」)ため注意が必要。また、ツタを上る・レバーを引くのは「エンターキー」であるが、このキーだけ操作キーと比べ遠いためゲームがある程度進むまで気づかれないことが多い(キーコンフィグ可)
関連商品
ゲームソフト
エレクトロニック・アーツの販売方針により、ゲームの新品購入はAmazonを通じてのみである。
Windows日本語版(通常版、2001年発売、黒パッケージ)。
ベスト版と比較した特徴としては、「2枚組であり、英語音声・英語字幕が選べる」「アリスの精神病院でのカルテが付属している」「ピクチャーレーベルである(単色。初回版はフルカラー)」「説明書がカラーである」「当時の攻略本やフィギュアのチラシを見ることができる」「(初回版のみ)3Dマウスパッド付属」と言ったメリットがある。
Mac日本語版(通常版)も一応存在する。
日本語版の元となったWindows英語版はすでに絶版であるが、プレミアが付き一時$220(約20,000円)という脅威の値段で売られていたことがある@2010/1。現在は新品価格で$170~200前後(約1.5~1.8万円)である@2010/8。
一方ベスト版(廉価版、赤パッケージ。一般的に2004年にXP対応で再販したものをさす)は1600~2000円と安く、発売から数年間Amazonカテゴリランキング(PCゲーム > アクション)でトップ10位圏内を維持する多大な売上を誇っていた。続編が正式に発表された直後は一瞬で在庫切れを起こし、2010/7/21深夜に「全」ソフトウェアランキング11位(モンハン7・Office2010と比類する売り上げ)という記録をたたき出している。
しかし2014年現在では、前述の通り生産中止となっている。
ベスト版は安いが、その分英語音声・英語字幕が選べなかったり、説明書が白黒だったりするため注意(前述)
サウンドトラック
ゲームのサウンドトラックは輸入版だけであり日本語版は存在しない。サウンドトラック収録曲はゲーム中の音楽と別アレンジがされており、また未使用曲・新規収録曲がある。輸入版とはいえ、アリナイ好きにはたまらない一品。こちらは新品での購入が可能である。
その他関連商品
ゲーム販売10周年記念として、アリスの持っているナイフ(英語名Vorpal Blade)のレプリカが1000本限定販売されることになった@2010/7。やや高価だが、出来は非常に良いコレクターズアイテムとなっている。詳細はニュースサイト参照。
日本においては、Epic Weaponを通じて購入できる。ただ、ナイフ本体よりも輸送にお金がかかるために、現在は送料含め18,000~20,000円前後が必要@2010/11。日本からも購入者は多く、限定1000本と言いつつも確認されているだけでも数人が入手できている。またあまりの出来のよさに空港によっては開封確認等されることもある模様。購入方法等の詳しい情報は2ちゃんねるスレ参照。
この他にも各種フィギュア、公式攻略本、アレンジを収録したLP等があるが、いずれも現在では入手困難である。詳しくはグッズ紹介サイト参照。
関連項目
スキン配布サイト・その他個人サイト(ファンサイト等)についてはアリスインナイトメアのニコニコミュニティ参照。
- エレクトロニック・アーツ
- アメリカン・マギー
- アリス イン ナイトメア 公式サイト (日本)
- 『Alice: Madness Returns』(続編) 公式サイト
- ラトレッジ精神病院 病例記録(初回限定版付属のカルテ)
- らとれっじ病院付属ケダルイ学校(ファンサイト)
- アリス・イン・ナイトメアの深み(情報サイト)
- アリスインナイトメア同盟(同盟サイト)
- アリスインナイトメアのグッズ紹介(グッズ情報、ほとんどが現在入手困難)
- 新チシャ猫台詞集(登場キャラ、チェシャ猫の全台詞リスト)
- 英語セリフ集(英語でのセリフ集)
- American McGee's Grimm公式サイト
- 16
- 0pt