ウィテリウス / アウルス・ウィテリウス・ゲルマニクス・インペラトル・アウグストゥス(12年? or 15年?~69年)とは、ローマ皇帝である。
概要
軍部の支持を瞬く間に失ったガルバ、自分に敗れ自殺に至ったオト、の二人の皇帝に続いた人物である。しかしウェスパシアヌスと戦いを展開し、ローマは次のフラウィウス朝に移っていく
皇帝への即位とその末路
アウルス・ウィテリウスはティベリウスの取り巻きの少年であり、以後カリグラ、クラウディウス、ネロに忠誠を誓っていった。しかし、ガルバに不満を感じたライン川方面のゲルマニア軍はたまたま司令官だったウィテリウスを旗頭にする。これまで何の功績もなかったウィテリウスであったが、皇帝位に即位し、瞬く間に各地の属州も味方に付いた。
しかし、ローマではガルバが暗殺され、オトに皇帝が変わっていた。しかしウァレンスとカエキナに率いられたウィテリウスの軍勢はあっけなくオト軍を破り、ローマを占拠したのである。
新体制への移行はスムーズにいき、オトの弟であるティティアヌスさえ許されるほど、旧オト派はそのままにされた。しかし、ウィテリウス陣営はローマへの行進の段階から風紀の乱れがひどく、またウィテリウスはゲルマニア軍に逆らうことはできず、ローマは混乱していったのだ。
そして7月半ばには、東部属州で名将フラウィウス・ウェスパシアヌスが皇帝に擁立された。ウェスパシアヌスは当初、同盟軍のシリア属州総督ムキアヌスをおとりにし、エジプトを掌握するつもりだったが、プリムスやフスクスがウェスパシアヌスを支持し、ローマを急襲したのである。
ウィテリウスに比べて兵力で劣るウェスパシアヌス軍であったが、プリムスの電撃作戦でウィテリウス軍は敗走。この敗北によってウィテリウス軍は寝返りが生じ、帝位を降りようとしたウィテリウスであったが、支持者はそれを許さなかった。
ウィテリウスの兄・サビヌスはてっきりウィテリウスが退位したものとして蜂起し、結局ウィテリウス配下に捕らえられて殺される。ローマはまさに混乱の極みだった。ウィテリウスは宮殿で門番小屋に隠れていたがウェスパシアヌス軍に見つかり惨殺された。
関連項目
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