カース・マルツゥとは、イタリア・サルデーニャ原産の、シェーブルチーズの1つである。
他には「カソ・マルツゥ」、「カース・マルツー」などの表記ゆれがある。
「世界で最もおぞましい食物」などのランキングの常連。
その正体は蛆虫満載チーズ。
概要
ほぼ通常通りに作られたペコリーノ・サルド(=『サルデーニャ島のシェブルチーズ』の意)を、チーズバエに卵を産みつけさせた状態で3ヶ月ほど熟成させて作る。
熟成中、チーズの中で孵化した蛆虫は、チーズを餌に生存する。この蛆虫がチーズを消化・排出することで、脂肪の分解とチーズの発酵が、通常のチーズを遥かに超えるペースで進むのである。
出来上がったチーズは、普通、蛆虫と一緒に食べる(きつい場合には取り除くこともあるが、蛆虫の量的に面倒くさい)。
脂肪がかなり分解されているため、その食感はどろどろとしており、まさに口の中でとろけるようだという。
シェーブルチーズ特有の酸味が、度を越えた発酵の末、“刺激”と呼んで差し支えないレベルにまで強まっている。
そしてそれに加えて、蛆虫のほのかな苦味が口の中に広がるという。
この強烈な味を、強い赤ワインと共に楽しむのが通とされる(余談だが、シュールストレミングとワインしかり、ホンオフェとマッコリしかり、エグい珍味はだいたい、強い酒のつまみとして楽しまれることが多い)。
なお、この蛆虫は、8mmほどの小さいものだが、衝撃を察知すると15cmほど飛び跳ねるという異常に活きの良い生物である。
そのため、このチーズにナイフを入れた瞬間などは、噴水のような勢いでぶわぶわと飛び出す蛆虫の波を見ることが出来る(『もののけ姫』のたたり神の蛇が飛び跳ねるアレのような景色)。
この飛び跳ねる勢いはなかなか強いため、ナイフを入れる際にはゴーグルやメガネをすることが推奨される。
現在は、
などの理由から、食用においては危険性が提示されている。
製造ならともかく販売に関しては法規制(罰金)の対象となる。そのため販売においてはブラックマーケットでしか入手できない。なお、サルデーニャでは普通に路頭で売られている。そもそも現地の人間以外には物好きしか食べないニッチな食品であり、保護食品という立ち位置もあるため取り締まりはそこまで厳しくないようだ。ただし価格はいわゆる闇価格で、一般的な高級チーズの2倍以上とかなり高め。
また現地では、「蛆虫が美味しく食べているなら、人間にとっても美味しい」という変な理論で、「中の蛆虫が生きているものは人体に悪影響はない」=「腐敗ではない」と考えられているらしい。
関連動画
関連商品?
まがりなりにも製造禁止食品であるため、もちろん通販などでの入手は不可能。
一部海外サイトでは、海外への通販を承っているところもあるらしいが、少なくとも日本での利用が可能なのかは確認できていない。
基本的には、現地へ飛んで現地で楽しむしかない。
関連項目
- 食材の一覧
- チーズ
- ウジ虫
- もやしもん - 樹教授が廃棄したのを川浜がこっそり拾って「飼っていた」、という形で登場。及川に殺虫スプレーをかけられてしまい、喫食シーンはなかった。
- 王様の仕立て屋 - とある客(ゲストキャラクター)からの織部のお蔭で仕事が上手く行った事へのお礼として登場。実物はモザイクを掛けた状態で描写され喫食シーンも描かれていない。
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