スキタイとは、ユーラシア大陸に最初に登場した騎馬民族である。
概要
スキタイ民族はモンゴル帝国よりも先の紀元前、アフガニスタンのパミール高原から黒海にかけて活動したと考えられている。
古代ギリシャの歴史学者ヘロドトスの著書『歴史』に「討ち取った敵の首を取り、血を飲む」などの記述があり、勇猛果敢な騎馬民族として知られる。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、コーカサス地方や黒海沿岸で発掘された古墳から出土した馬や動物をかたどった金製品から高度な技術を持つ文化であったと考えられているが、都市や住居などの遺跡が存在しないためその実態は謎に包まれている。
王家の墓とみられる「クルガン」と呼ばれる墳丘墓がスキタイを知る手がかりとなっているが、2013年にはロシア南部のカフカス山脈にあるクルガンから約2400年前に埋葬された合計3.2キロもの黄金の杯や指輪が発見された。
黄金の器からはアヘンと大麻の成分が検出され、ヘロドトスの著書にあるスキタイ人が植物を燃やす様子を記した内容と一致した。
また2017年にはロシアとモンゴルに挟まれたトゥヴァ共和国の永久凍土の下に、紀元前9~8世紀ごろに建てられたと考えられる、これまでに見つかった中で最大の直径140メートルのクルガンが発見された。
埋葬当時の状態で埋葬品が保存されている可能性が高いことから、発掘の結果が期待されている。
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