フォイエルバッハのテーゼとはドイツの哲学者カール・マルクスが11項目に渡ってフォイエルバッハを批判したメモ書きのことである。メモ書きなのですごい短い。
「フォイエルバッハに関するテーゼ」「フォイエルバッハ・テーゼ」とも。
概要
著名な唯物論者であるフォイエルバッハを、同じく唯物論を唱えるマルクスが批判することによって「マルクスとフォイエルバッハの唯物論の違い」を知ることができるという意味でこのテーゼは大きな意義を持つ。
この本に出てくるフォイエルバッハの唯物論は「ただそこにある物」、つまり客観的な本質というものが存在するというものであった。例えば自然という物を見た時、「人間がそれをどう見ようが"本当の自然"がある」とするのがフォイエルバッハの唯物論。それに対してマルクスは「たとえ自然であっても、それは人間との関係性においてその本質が明らかにされる」と述べた。この関係性から次の11番目のテーゼが出てくる。
哲学者達は世界を様々に解釈しただけであるが、重要なことは世界を変革することである。
もし世界の本質がフォイエルバッハのいう通り、人間と関係なく存在しているのであれば、哲学者の仕事はその本質を解き明かすことだけである。しかしマルクスは世界の本質は人間との関係によって初めて本質足りうる。要するに「理屈ばっかりこねてないで世の中変えてみろよ」ということだ。
これは一見するとマルクスの哲学批判のように見えるがそうではない。マルクスが言いたかったのは「解釈と変革がセットになって初めて哲学なんだ」ということだ。よく「哲学なんて役にたたない学問だよ」とか「哲学とか理屈こねてるだけだろ?」などという言葉が聞かれるが、マルクスから言わせたら役に立たない、理屈をこねてるだけという時点でそれは哲学ではないということになる。
関連項目
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