中央公論新社とは、日本の出版社。前身の中央公論社とは登記上は別会社だが、まとめて記述する。
概要
1886年、西本願寺の普通教校(現在の龍谷大学の前身)に通う学生有志が立ち上げた「反省会」が起源(この年が創業ということになっている)。その機関誌『反省会雑誌』が、東京移転を経て1898年に『中央公論』と改称、次第に宗教色が抜けて大正期には大正デモクラシーをリードするなど、日本初の月刊総合雑誌として発展していく。1914年に社名も「中央公論社」と改名し、1916年には『婦人公論』を創刊。1926年に株式会社となった。
戦時中は軍部の摘発を受けて1944年に『中央公論』が廃刊にされ会社も一旦解散したが、終戦後に復活。1962年に中公新書、1973年に中公文庫を創刊。お堅い出版社のイメージが強いが、1982年にミステリーや架空戦記を扱うノベルスレーベルのC★NOVELSを、1993年にはファンタジー小説を扱うC★NOVELSファンタジアを創刊して娯楽小説方面に進出したり、80年代からは過去の名作漫画の愛蔵版の出版などにも進出した。
90年代後半に経営危機に陥ったため、1999年に読売新聞社の全額出資で「中央公論新社」として再建され、読売新聞社グループの傘下に入った。旧中央公論社とは登記上は別会社だが、実質的に同じ会社として扱われている。
主な雑誌・叢書
雑誌
- 中央公論(1887年-)
- 婦人公論(1916年-)
- 自然(1946年-1984年)科学雑誌。
- 週刊公論(1959年-1961年)
- 暮しの設計(1963年-1998年)
- 海(1969年-1984年)純文学系の文芸誌。
- Will(1982年-1991年)
- 小説中公(1993年-1995年)
- 小説BOC(2016年-)小説誌。分類としては単行本扱い。
叢書
- 中公新書(1962年-)
深緑色の表紙でおなじみ。他社の新書レーベルに比べて、学術書に近いお堅いテーマの本が多い。 - 中公叢書(1967年-)
ソフトカバーの学術書レーベル。 - 中公文庫(1973年-)
小説から学術書、漫画まで収録する総合文庫。レアな学術書の文庫化も多いので、書店では河出文庫やちくま文庫に近い棚に置いてあることが多い。 - C★NOVELS(1982年-)
書き下ろしのミステリーや架空戦記などを収録する娯楽小説のノベルスレーベル。背表紙の猫の背後が赤い方。現在は事実上架空戦記専門レーベル。 - C★NOVELSファンタジア(1993年-)
ライトノベルよりやや上の年齢層の女性読者をメインターゲットにしたファンタジー小説レーベル。背表紙の猫の背後が黄色い方。現在は茅田砂胡作品しか出ていない。 - C★NOVELS BIBLIOTHEQUE(1996年-2013年)
単行本のノベルス化レーベル。背表紙の猫の背後が緑の方。2013年の京極夏彦『数えずの井戸』以降は新刊が出ていない。 - 中公新書ラクレ(2001年-)
中公新書より軽めの本を収録する新書レーベル。讀賣新聞からの書籍化が多い。 - 中公クラシックス(2001年-)
古典の名著を刊行する叢書。新書判だが新書扱いではないらしい。 - 中公選書(2011年-)
中公新書よりボリュームがあり、中公叢書よりは柔らかい本を出す選書レーベル。
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関連項目
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