士商法とは、悪徳商法の方法の一つである。資格商法とも。
概要
ある日突然鎧と刀が送られてきて「あなたはサムライに登録されました」と鎧などを押し売りされる・・・わけではなく、資格を取らせたり教材や講座を受けさせて金を取る悪徳商法のこと。資格の名称に「〜士」が多いためこう言われる。この詐欺を行う主体は、資格を設定した民間団体、予備校、Fランク大学などである。
怪しげな民間団体が勝手に設定した、とても使えない資格を「転職に有利だから」「この仕事をするのに必要だ」などと言って使えない資格を取らせ、その講座受講料や登録料を取ったり、とても合格できそうにないような薄っぺらい質の悪い教材を売りつけたり、と言ったことが行われる。また、国家資格であっても、行政書士のように実際には取っても食っていけないような、大して使えない資格をさも転職に有利だとか食っていけるように価値があるかのように言って、講座を取らせるといったことも行われる。Fランク大学の中には「資格合格者数が多い」などと宣伝する所があるが、誰でも受かる簡単な、難しくない価値のない資格の合格者で数を水増ししているだけである。そんな大学に行ってはならない。ちゃんと名のある、ランクの高い大学に行きましょう。
結局、資格さえあれば一発逆転なんてのは、かつての旧司法試験くらいであり、実際には重要度は若さ>>実務経験や学歴>>>>>資格なんである。この資格さえあれば安泰だなんてうまい話は無いのである。ちゃんと勉強して少しでも高いランクの大学へ行って学歴をつけて、コツコツまじめに働くしかないのである。
よく利用される資格
- ドローンに関する民間資格(今は資格がなくても飛ばせますが、今後国家資格ができます)
- スキューバダイビングに関する民間資格(免許がなくてもできます)
- 臨床心理士以外の心理学系資格(採用に繋がるのは臨床心理士だけ)
- 情報処理技術者(業務独占資格ではないがそうであるように宣伝される)
- 行政書士(弁護士の下位互換。もう飽和状態で仕事はない)
- 司法書士(弁護士の下位互換その2)
- 税理士(公認会計士の下位互換になりがち。仕事が減ってきた。)
- 医療事務(無資格でできます。必須資格ではない)
- 通関士(現在貿易会社にお勤めでない人には使えない資格である。)
- 海事代理士(もともと仕事の案件が少ない。新規参入は難しい。)
- マッサージ、あん摩に関する民間資格
- 調剤薬局事務
- 介護事務
- 看護助手、歯科助手、医師事務作業補助者(必要なのは学歴と若さと容姿。無資格でできますので持っててもダメ)
- 漢検、歴検、数検、理科検定など(高校生までなら学習に役立つが・・・やるならTOEIC )
- 修士号、博士号(ただし文系のもの。理系なら修士号持ちは普通。)
- 防災士、知的財産管理技能士(天下り団体のために作られたのではないか?これがあるからできるという仕事はない)
- 聖書検定(宗教はNG)
- ビジネス法務実務検定(別にあるからといって特に有利にはならない。ただの検定試験)
- 個人情報保護士
- 労務管理士(≠社会保険労務士。民間資格だが国家資格のように見せかける、社会保険労務士を装うなどして、実際に認定団体が罰せられた。)
などなど。他にもあるが。また、仕事があっても、社会的地位が低い、重労働、低賃金、仕事があるにはあるが非正規がほとんどとかバイトくらいしかできない、そもそもその業界自体がブラックみたいな資格もあり、やっぱり食べていける資格はごく少数である。もう今時、資格に頼ろうとしてはいけない。
逆に、食べていけて、かつ、社会的地位が高い資格
- 弁護士(文系最高峰。食えない弁護士も出てきたという話もあるがその地位と収入はまさに勝ち組。)
- 医師(理系最高峰。激務なんて話もあるがとりあえず安泰で高収入。)
- 公認会計士(これも文句なし。弁護士ほどではないにせよエリートには間違いない。)
本当に使える資格5か条
- 国家資格であること・・・〇〇協会とか〇〇団みたいな謎の民間団体の認定している資格は使えない資格である場合が多い。
- ある程度の難易度があること・・・一年に何回も受けられるとか、試験がなく講習を受けるだけでもらえる、合格率が異常に高い、誰でも持っているし誰でも受かるような資格はNG。
- 実用的であること・・・漢検や文系の修士博士のように仕事につながらないものはNG。ただし社会人以降は微妙というだけであなたが大学受験前の学生ならば漢検は学習に役立つであろう。
- それが業務独占資格であること・・・ようは「この仕事をするにはこの資格がないとできないよ。無資格の人がやっちゃだめだよ」という資格であること。弁護士や医師などがこれに当たる。
- それが専門的であり、素人がやるには難しく、競争相手、上位互換となる資格がないこと・・・行政書士や司法書士に頼むような登記や許認可の手続きなどは、別に費用を節約したいなら、これらの資格を持つ方に頼まなくても自分でやり方を調べて自力で行うこともできるため、儲からなくなってきている。ただ、めんどくさくて丸投げした方が楽というだけである。遺言とかも本屋で遺言作成キットとか売っているのでわざわざ頼まなくても済むようになってきている。さらに言えば、これらの資格がやっている事、弁護士の先生なら全部できるんですよ。その案件、ぜひ弁護士にご相談ください。
関連項目
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