小林源文(こばやし もとふみ、1951年1月28日 - )とは、日本の漫画家、イラストレーターである。名前の読みは「もとふみ」であるが、「ゲンブン」の読みも黙認状態である。
概要
福島県生まれ、幼少期より東京都在住。1980年代から現在に至るまで戦争劇画を描き続けている、ミリタリー漫画の第一人者。もちろん戦争を題材にした漫画は、遥か昔「のらくろ」の時代から盛んに描かれているが、ミリオタに膾炙する戦争漫画を描ける人物といえばまず出てくる名前である。
本人曰く「SFもやりたい」「長編は飽きるので描けない」とのこと。実際にはSF漫画も描いているし、「Cat Shit One」という長編も描いている。
「萌え」は嫌いだったらしいが、「Cat Shit One」以後ほんの少し変わっており、萌えミリ関係の本にちょこちょこ寄稿している。最近ではガルパンのアンソロジーにまで名を連ねるようになったが、女の子ではなくウサギになっている。「ガルパンは理解出来ないけど意味は分かる」とのこと。
「一等自営業 ◆JYO8gZHKO.」のハンドルで稀に2ちゃんねるの軍事板のスレッドに投稿していた事でも知られている。現在は出没していないようで、本記事の掲示板(>>6)によれば目撃できた最後の書き込みは2007年5月11日とのこと。
また「World of Tanks」をちょくちょくプレイしており、戦果がTwitterで報告されている。
「佐藤」「中村」の2名がほぼ全作品に登場する。「佐藤」は「佐藤大輔」の項に、「中村」は「ちくしょう!!いつか殺してやる!!」に詳しい。
また自衛隊の最高指揮官である統幕議長はたいてい「斉藤三弥」という人物になっている。
イラストレーターという仕事に対しては絶対的なプライドを持っており、後進の育成にも関わっている。
主な作品
- チタデレ クルスクの大戦車戦
- ジャガーバックス「壮烈!ドイツ機甲軍団」内に掲載。タイトル通り、クルスクの戦いにおける大戦車戦を描く。
- クリストローゼ 最後の反撃・バルジの戦い
- 同じく「壮烈!ドイツ機甲軍団」内に掲載。ヨヘン・パイパーの部隊の活躍を描く。クリスマスにはアントワープへ一番乗りだ!
- 黒騎士物語
- 氏の初単行本であり、代表作。独ソ戦後半の敗色濃い東部戦線を舞台にした、エルンスト・バウアー中尉率いる黒騎士中隊の壮絶な戦記物語。「俺のケツをなめろ!」「情け無用!ファイア!」などの名セリフが印象的。この作品から、氏の作風の最大の特徴となる、「BRAM!」「BAKOM!」と言った、アメコミ風のオノマトペが出てくる。
- PANZER VOR! パンツァー・フォー!
- 独ソ戦開始時から始まり、通信手ヴィルヘルム・ハントがモスクワ攻略戦に参加するが負傷。アフリカ戦線で戦車長となり、再び東部戦線でティーガーに乗ってクルスクの戦いを経験。少尉に任官されるが東部戦線崩壊を経てノルマンディーの戦いで米軍と対決。柏葉付騎士鉄十字章を授与の後バルジの戦いからベルリン市街戦へと戦い続ける…という話である。要するにヴィルヘルム・ハントは実在の戦車エースのエピソードを集めたようなキャラクターとなっている。
- ソルジャーブルース
- 一転して、1980年代初頭が舞台。世界大戦の危機を防ぐために、世界各国のハト派の軍人により組織された影の部隊の活躍を描く。主人公は日本人の元不良少年でコードネーム:ミスターZZ。彼と元ソ連軍人のミスターYY、元米軍人の黒人イスラム教徒ミスタ-XXという三人のはみ出し者が、表向きには死んで存在しないはずの戦士「ゾンビーコマンド」となる。前作主人公のハントが彼らの指揮官として再登場する。
- 街道上の怪物
- 初期短篇集。街道上に居座ってドイツ軍の進軍を止めたKV-1戦車の戦いを描く表題作をはじめ、様々な戦記物語が収録されている。
- カンプグルッペZbv
- 入ったら生きて出られないという懲罰部隊、カンプグルッペZbvに入ることになった戦車兵アッシュの物語。
- 装甲擲弾兵
- 装甲ハーフトラックで戦場を駆け巡るSS装甲擲弾兵、フランツの戦いを描く戦記物語。
- パンツァークリーク
- ドイツ陸軍のエリート戦闘部隊、グロスドイッチュラント師団の戦いを、主人公のヴェルナー軍曹を中心に描く。タイトルに反して、歩兵戦を題材にした作品である。
- 狼の砲声
- 東部戦線を舞台に、突撃砲「フェンリア」のハーゲン軍曹と、赤軍戦車兵ゴロドクの因縁の戦いを中心に、未来人のおじさんと甥の少年のコンビがタイムトリップして歴史に干渉しまくるというコメディ要素の強い作品。上記のパンツァー・フォー!のハントがちょい役で出演したり、黒騎士物語・カンプグルッペZbv・炎の騎士・パンツァークリークの登場人物が一堂に会する話もある。
- ハッピータイガー
- ソ連軍の捕虜、川島大尉がわけあって逆福マーク付きのティーガー(ハッピータイガー)に乗って日本を目指す。
- 鋼鉄の死神
- 最も有名な戦車エースの一人、ミハエル・ヴィットマンの戦いを描くノンフィクション。上記のバウアー中尉も友情出演?している。
- 炎の騎士
- バルジの戦いで知られる「パイパー・カンプグルッペ」の指揮官、ヨヘン・パイパーの半生を描くノンフィクション。上記クリストローゼのリメイクとも言える作品。
- レイド・オン・トーキョー
- 冷戦期のソ連の脅威が現実的だった時代を反映する架空戦記。上記「佐藤」「中村」の初登場作品。
- バトルオーバー北海道
- これも冷戦期のソ連侵攻を想定した架空戦記。「佐藤」のモデルになった佐藤大輔氏がストーリー協力。同時間軸での西ドイツ戦線を描く「第三次世界大戦」もあり、近年は同じコミックスにまとめられている。
- Cat Shit One
- 上記黒騎士物語と並ぶ氏の代表作。1960年代、ベトナム戦争のまっただ中、米軍兵士のパッキー、ラッツ、ボタスキーの三人組がベトコンを相手に縦横無尽に活躍する。しかしキャラクターは全員ウサギなどの動物で描かれる。鳥獣戯画でミリタリーをやってると思いねぇ。
- バルバロッサ作戦
- タイトル通り、独ソ戦開戦初頭の戦いを描くノンフィクション。この後、「タイフーン作戦」「ブラウ作戦」…とシリーズが続いている。特定の主人公的存在はなく、数多くの兵士たちの群像劇のような構成になっている。
関連動画
関連商品
関連項目・リンク
- GENBUN WORLD (公式サイト)
- Cat Shit One
- バッドカルマ
- バトルオーバー北海道
- レイド・オン・トーキョー
- 一等自営業
- 中村
- 佐藤大輔
- 漫画家の一覧
- 砲火後ティータイム
- GENBUNM@STER
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