巨人とは、漫画『進撃の巨人』に登場するキャラクターであり、人類の天敵である。
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
概要
743年に世界に突如出現し、人類のほとんどを食い尽くしたとされる。
その後人類が壁の中に込もって以来、壁外調査を任とする調査兵団以外の人類が接触する事はは殆ど無かった。
だが845年、超大型巨人によってシガンシナ区開閉扉、続く鎧の巨人によってシガンシナ区内ウォール・マリア開閉扉が破壊され、人類はウォール・ローゼ内への後退を強いられる。
単純に喰う、握りつぶすなどの単純な行動しか行わなず知能も低いが、体格と数に任せた攻撃によって訓練を受けていない一般人は確実に、訓練を受けた兵でも大半が死ぬ。
死ぬと死体を残さず消滅してしまうことから、ほとんど研究が進んでおらずその生態や出自は謎に包まれていた。
『進撃の巨人』のストーリーが進むにつれ、その正体も徐々に明らかにされていく。
特徴
- 一般的な大きさは小さいもので3mから、大きいもので15~20m、最大で60m。
- 生殖器は存在しない。そのため繁殖方法は不明。
- ほぼ全てが男性の姿をしている。(女型もいる)
- 皮膚は高温。
- 人間以外の生物には興味を示さない。
- 非常に軽い。ハンジ・ゾエによれば「本来ならあの巨体が2本足で立ち歩くことはできないハズ」とのこと。
- 食事・呼吸は必要なし。
- 知能は低く木登りなどの高度な動きはできない。
- 人間を喰うのは快楽のためと考えられている。その証拠に消化器官がないため、満腹になるとそのまま吐き出している。
- 歯が人間と比べて多い。
- 今まで出現した方角はすべて南から。
- 言葉を発しない。人類との意思疎通は例がない。(例外がある)
- 活動には日光を必要とし、暗所では動きが半減する。ただし日没後も動ける巨人も存在。
- 驚異的な回復力と再生力を持ち、頭を吹き飛ばされても瞬時に再生する。弱点は「後頭部より下のうなじにかけて縦1m幅10cm」。この部分を著しく損傷するとそのまま消滅する。
奇行種
上記の一般的な特徴から外れた巨人。その名の通り予想に反した動きをする上、一般的に動きの緩慢な通常の巨人と比べて素早く動く為、普通の巨人より手ごわい。一種として「何故か近くにいる人間より遠くの場所にいる人間に向かって襲う」「突然走り出す」「障害物に関係なく直進する」など。
超大型巨人
845年にシガンシナ区を襲った体長60mの巨人。5年後のトロスト区に再び出現した。これまで最大とされてきた20m級を遥かに超える凄まじい大きさを誇る。蹴り一撃で開閉扉を粉々にする破壊力を持つ。出現した2回とも、突如として出現し、突如として姿を消した。
大きさ故に動作は遅く、新兵のエレンでもうなじを狙える。が、超大型巨人は高温の蒸気を体から発することができるため、これによって人類の攻撃を退けることができる。
鎧の巨人
845年にシガンシナ区を襲った15mの巨人。激烈なタックル放つことの出来る素早さを持つ。体当たりによって開閉扉を壊し街に侵入した。
体全体が刃も砲弾も全く通らない硬化した皮膚を持つため、「鎧の巨人」と名付けられた。うなじも鎧によって守られているため、ほぼ弱点がない。唯一の弱点は脇、股、膝の裏側である。
しかしそれ故か他の奇行種と比べても、(タックルの時を除いて)走るスピードは遅い。
進撃の巨人第11巻に於いて調査兵団が鎧の巨人と対峙した際に、分隊長ハンジ・ゾエは鎧の巨人の弱点を看破し、巨人化したエレンが鎧の巨人を抑える中ミカサ・アッカーマンが膝の裏側を攻撃し動きを衰えさせた。
女型の巨人
調査兵団の前に出現した14mの巨人。人間の格闘術を駆使した体術と体の一部を硬化される能力、他の巨人を咆哮で呼び寄せる能力を持つ。数少ない女性型の巨人。
女型故に細い体付きをしているが、馬をも追い抜くスピードと高い運動性能を持つ。
獣の巨人
17mに達する大型巨人。ウォール・ローゼ内地に他の巨人を引き連れ突然出現した。
猿のような毛と長い手足を持つ。人間のように人語を話し、壁を乗り越え、他の巨人に命令をすることができる。
作者の発言
諫山:プロレスラーの方が映画に出演すると、何役であっても、存在感がありすぎて、その人自身にしか見えないことが多いですよね。(中略)巨人のデザインは、そういった、そのキャラクター特有の存在感を意識して描いて言います。読者さんが目にした時に『これは何だろう?』と思ってもらえる。そんな違和感にも気を配っています。
―やっぱり巨人達は、読者に怖がってもらいたいキャラクターですか?
諫山:怖さと存在感を同居させるのが理想ですね。(中略)小学校の頃に読んだ『地獄先生ぬ〜べ〜』の「人食いモナリザの謎」というエピソードが、当時とても怖かったんですよ。トラウマになってしまって、トイレに行けなくちゃっちゃうぐらいで。その時に僕が感じた怖さや存在感を、巨人たちに与えたいんです。オバケだ、怪獣だっていうわかりやすい記号的なキャラクターではなく、読者が共感できない、生い立ちなどが分からないからこそ、本能的に怖いと感じてもらえる存在を目指しています。
巨人化
「明確な目的意識」を持って「激しい自傷行為」を行う事で、巨人化できる人間がいる。
主人公のエレン・イェーガーもその一人であり、トロスト区の戦いでその能力に目覚めてからは巨人の力を戦力としてあてにされる一方、巨人の力を様々な勢力から狙われることになる。当初はエレン本人にも巨人化の仕組みがよく分かっていなかった。
巨人化する事によって、それまであった肉体の損傷は、かなり重度のものであっても修復される。人間態のままでも時間をかければ四肢の欠損も復元できる。
また、「目的意識」の内容によっては巨人の肉体の一部のみを出現させる事も出来る。巨人化もある程度習熟度があるのか、初期のエレンは自我を保つことすらできず、巨人化が終わったあとはしばらく動けない状態だった。一方、慣れている者は巨人化が解けたあとも普通に動け、更に再度巨人化出来たりする。エレンも習熟を重ねることで巨人化能力を使いこなせるようになっていった。
巨人化しても言葉を発することができるものも存在している。
巨人の真実
以下、さらなるネタバレのため、格納
巨人とは、エルディア人と呼ばれる人種が巨人の脊髄液を注入されることで変身した姿である。
エルディア人が巨人の脊髄液を摂取すると、知性のない「無垢の巨人」と呼ばれる巨人に変化する。この状態では人間だった時の意識は残っておらず、上記の巨人の特徴の通りに行動する。まれに人間だった時の記憶を持つ巨人も存在するが、それも本能のほうが優先され、かき消されてしまう場合がほとんどである。このままでは人間に戻ることはできず、弱点のうなじを切られるまで永遠にさまよい続けることになる。
「無垢の巨人」は「九つの巨人」と呼ばれる特別な巨人の継承者を食べることで知性を取り戻し、人間態に戻る能力を手に入れることができる。その際、捕食した「九つの巨人」の能力も継承することになる。
九つの巨人
「九つの巨人」とは、約2000年前から伝承され続けている知性と様々な能力を持つ巨人である。知性巨人とも呼ばれる。
「九つの巨人」は前継承者を「無垢の巨人」が捕食することで継承され、代々引き継がれ続けている。捕食による継承がされないまま継承者が死んだ際には、世界中のエルディア人の中からランダムに継承者が発生する。
「九つの巨人」の能力を持つものはその力で様々なことができるようになるが、その一方で寿命が継承時点から13年に固定されてしまうというデメリットも存在している。
他の巨人の脊髄液を飲むことでその能力の一部を使用可能になったり、他の巨人の能力者を捕食することによって一人の人間の中に複数の九つの巨人の力を宿すこともできる。
九つの巨人リスト
解説
- 始祖の巨人
- 代々のエルディア王が継承してきた始まりの巨人。作中では「座標」とも呼ばれている。
- エルディア人の記憶や肉体を好きなように操る能力を持っており、その力をもって無数の巨人を従えて世界帝国を築いていた。王族の血と強く結びついており、その力をすべて使いこなすには王家の血をひくものが継承するか、あるいは継承者が王家の血をひくものに接触する必要がある。
- 作中では約100年前の王によって作られた「不戦の契り」によってその力は大きく制限されており、グリシャ・イェーガーによって「壁の王」から奪われ、エレンに継承されている。
- 物語終盤では始祖の巨人を初めて手に入れた「始祖ユミル」のエピソードや、王の血と始祖の巨人の両方を手に入れたエレン・イェーガーによって顕現した巨大でまがまがしい終尾の巨人の姿も描かれている。
- 超大型巨人
- 前述したとおり、体長60メートルを超え、ほかの巨人を見下ろすほどの大きさの巨人。
- 作中の継承者はベルトルト・フーバー → アルミン・アルレルト。
- 鎧の巨人
- 前述したとおり、全身を固い装甲で覆った巨人。
- 作中での継承者はライナー・ブラウン
- 女型の巨人
- 前述したとおり、女性の特徴が目立つ巨人。ほかの巨人の能力が発現しやすいという特徴がある。
- 作中での継承者はアニ・レオンハート。
- 獣の巨人
- 前述したとおり、猿のような姿をした大型の巨人。
- 作中での継承者はトム・クサヴァー → ジーク・イェーガー。
- 本来は少し体が大きく、継承者によって変わる様々な獣の姿をしただけの巨人である。実際、前任者のクサヴァーは継承者になっても戦争に従軍していない。が、今代の継承者ジーク・イェーガーが王の血を引いていたことから様々な能力が付加されている。
- 進撃の巨人
- 主人公のエレン・イェーガーが変身する巨人。本作のタイトルともなっている巨人であるが、その名前が明かされたのは中盤になってからだった。
- 作中での継承者はエレン・クルーガー → グリシャ・イェーガー → エレン・イェーガー。
- 当初は目立った特殊能力は見当たらず、王家が秘匿していた脊髄液を飲んだのちに少し変わった硬質化能力に目覚めた程度だったが、その真の能力は物語終盤になってから明かされた。
- もともと巨人の継承者は前任者の記憶を多かれ少なかれ覗くことができるが、この巨人の継承者は未来の継承者の記憶をも覗き見ることができる。このことは「壁の王」も知らなかった。
- 顎の巨人
- 他の知性巨人よりも体は小さいが、爪や顎は九つの巨人の中で最も鋭いという特徴を持つ。
- 作中の継承者はマルセル・ガリア―ド → ユミル(進撃の巨人) → ポルコ・ガリアード → ファルコ・グライス。
- ユミル(進撃の巨人)が変身した姿は無垢の巨人だった時とさほど変わっておらず、顎の巨人の形質が発現していないようにも見えるが、ガリア―ドの時にはしっかりと強力な顎が発現した。ファルコの場合は無垢の巨人になる際に獣の巨人の脊髄液を使ったせいか、鳥のような姿へと変化し、飛行能力を手に入れている。
- 車力の巨人
- 他の巨人よりも体が小さく、四足歩行する。単独での戦闘能力は高くないが、巨人化を維持できる期間は数か月以上と非常に長く、連続して巨人化できる回数が多いという特徴があり、物資の運搬や背中に機関銃・大砲などの追加武装を載せての運用ができる。
- 巨人態のままでも会話が可能。
- 作中の継承者はピーク・フィンガー。
- 初登場時とマーレ編以降では大幅にデザインが変更されている
- 戦鎚の巨人
- 能力者が巨人のうなじの位置に埋め込まれているほかの巨人とは違い、能力者自身は強固な結晶に包まれ、その結晶から延びる紐の先に巨人が形成されるという特殊な顕現法をとる。
- 結晶化を自在に行い、硬質化を貫通できる武器をいくらでも生成するという強力な能力を持つ。が、燃費は悪いようで、一時はエレンを圧倒するものの最後は力を使い果たして攻撃手段をなくし、結晶を破れないエレンと互いに手づまりな状態になってしまった。
- 作中の継承者はラーラ・タイバー → エレン・イェーガー
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