日本国憲法第30条とは、日本国憲法第3章(国民の権利・義務)に存在する条文である。
概要
日本国憲法第30条は、国民の「納税の義務」を以下の通り規定している。[1]
税金は、国や地方自治体がその機能を果たし、国家を維持、発展させていくために必要不可欠なものである。そのため日本国憲法では、国民の義務の一つとして、納税の義務を定めている。なお、大日本帝国憲法第21条にも「日本臣民ハ法律ノ定ムル所ニ従ヒ納税ノ義務ヲ有ス」[2]とほぼ同じ内容の条文があり、日本国憲法第30条はこれを継承している。
解釈
納税の義務
第30条は、法律の定めるところにより、納税の義務を負うと規定している。
納税の義務は法律に基づくものであり、国民は無条件に納税の義務を負うわけではない。また、納税は国家が国民に対し行う人権保障その他サービスの対価だとする考え方もある。
租税法律主義
国民の三大義務はほかに、子女に教育を受けさせる義務(第26条第2項)と、勤労の義務(第27条第1項)がある。
教育と勤労は、どちらも権利として保障されているのに対し、納税は義務のみが規定されている。ただし、日本国憲法第84条には「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」とあり、法律に基づかなければ国民は課税されない権利をもつ、と解釈することもできる。これを租税法律主義という。租税とは、国ないし地方自治体が、その課税権に基づき、その使用する経費に充当するために、強制的に徴収する金銭給付のこと。
関連項目
日本国憲法 | |
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第1章 天皇 | 1 2 3 4 5 6 7 8 |
第2章 戦争の放棄 | 9 |
第3章 国民の権利及び義務 | 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 |
第4章 国会 | 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 |
第5章 内閣 | 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 |
第6章 司法 | 76 77 78 79 80 81 82 |
第7章 財政 | 83 84 85 86 87 88 89 90 91 |
第8章 地方自治 | 92 93 94 95 |
第9章 改正 | 96 |
第10章 最高法規 | 97 98 99 |
第11章 補則 | 100 101 102 103 |
脚注
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