概要
菱田裕二 ひしだ ゆうじ |
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基本情報 | |
---|---|
国籍 | 日本 |
性別 | 男性 |
出身地 | 京都府京都市 |
生年月日 | 1992年9月26日 |
騎手情報 | |
所属 | 日本中央競馬会(JRA) |
岡田稲男厩舎(栗東T.C.) | |
初免許年 | 2012年 |
免許区分 | 平地・障害 |
重賞勝利 | 7勝 |
騎手テンプレート |
騎手デビュー前
いわゆる競馬サークルの出身ではなく、両親ともに競馬にはほとんど興味のない一般家庭で育った。裕二少年も競馬とは縁なく、小学1年生の頃からサッカーに親しみ、京都パープルサンガ(現・京都サンガFC)のユースチームに所属してプロサッカー選手を目指していた。
しかし中学時代、低身長が祟ってサンガU-15に昇格できず、夢を断念せざるを得なくなる。そんな2004年の5月2日、天皇賞(春)(イングランディーレが勝利)の日にたまたま家族で京都競馬場を訪れた裕二少年は、そこで「馬が駆ける姿」に感動を覚え、騎手を志すようになった。
競馬学校に行きたいと打ち明けられた父は「勘当する」とまで言って反対したが、泣きながら決意を語る息子にとうとう折れ、その背中を押した。その後、中学3年が始まると同時に京都競馬場の乗馬クラブに入った。
2008年、競馬学校騎手課程第27期生として入学。同期入学は横山和生・森一馬らであったが、卒業予定年度に実力が足りないとされ、1年留年。2012年に第28期生として騎手免許を取得し、栗東T.C.岡田稲男厩舎所属が決まった。卒業時の同期は中井裕二・長岡禎仁ら。
騎手人生
2012年3月3日にリニューアルオープンした中京競馬場で1Rにバトルマグマに騎乗してデビュー。結果は4着であった。4月14日阪神競馬7Rでトーブプリンセスで初勝利を挙げる。この年は23勝を挙げ、中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞している。[1]
2013年は勝利数を52勝と倍増させ全国リーディング17位、中央競馬騎手年間ホープ賞(関西)と日本プロスポーツ大賞新人賞を受賞。2014年には64勝と更に勝利数を上積みし、全国リーディング14位と好成績を残した。しかし減量特典が無くなってからは勝率が低下し、2015年は37勝、2016年41勝、2017年36勝とやや失速する。
それでも2018年、勝利数こそキャリアワーストの27勝に終わったが、8月にアレスバローズで北九州記念(GⅢ)を勝利し重賞初制覇。同年12月にはダイアナヘイローで阪神カップ(GⅡ)を勝利する。
その後は毎年30勝台をキープし、2020年にジョーカナチャンでアイビスサマーダッシュ(GⅢ)を勝利。2021年にはパンサラッサに騎乗して福島記念(GⅢ)を大逃げで勝利している。この後「世界のパンサラッサ」と評されるようになった同馬の重賞初勝利である。
2021年には自厩舎所属のテーオーロイヤルの主戦騎手を任され、初勝利に導くと、この年同馬とのコンビで4勝を記録。2022年にはダイヤモンドステークス(GⅢ)を勝利し、重賞初勝利へと導いた。その後は2023年末まで勝利を挙げることはできず、菱田自身も左肩を脱臼して鞍上を浜中俊に譲ることもあったが、2024年に再びのダイヤモンドSで久しぶりの勝利を挙げると阪神大賞典(GⅡ)も勝利し重賞を連勝。迎えた天皇賞(春)では、直線で抜け出すとそのまま突き抜ける圧巻の走りを見せ、馬、自身、そして師匠の岡田師にとっても初の中央GⅠ制覇を達成する[2]。勝利後のインタビューでは「今まで生きていて一番嬉しい」「嬉しいを通り越してよくわからないです」と喜びを語った。
人物・エピソード
- 逃げや捲りなど大胆な騎乗を得意とする他、ダートやローカル競馬場でも力を発揮している。また、代打騎乗や乗り替わりなどにも巧みに対応し、馬の新たな一面を引き出すこともある。
- 初のGⅠ制覇は奇しくも、自分が騎手に憧れを抱いた天皇賞(春)での達成であった。何の因果か、レースではイングランディーレの鞍上だった横山典弘もおり、マテンロウレオで逃げを試みていた。
- 親に騎手志望を告白するまでは、隠れて競馬学校試験に必要な情報を集めていた。土日にはサッカーに行くふりをして競馬場に行ったり、栗東トレセンを訪ねたこともあったという。ただ、乗馬クラブの案内DMが届いた辺りからご両親も感づき始めたとのこと。父の許しが出た後は乗馬クラブも自分で探し、担任を自ら説得して5月の修学旅行も欠席して通い続けた。
それから13年後、初めてGⅠを制覇した菱田は、スタンド最前列までやってきた父と固く握手を交わしたのだった。その後インタビューがある事を忘れて検量所に帰りかけたが - 古巣にあたる京都サンガF.C.との繋がりはジョッキーとなった現在でも続いているようで、合間を縫って応援に駆け付けているほか、サンガJr時代の同期にあたる駒井善成選手と対談企画を行ったり、企業に混じってしれっと一個人の「JRA騎手 菱田裕二」として京都サンガパートナーシップ協賛に加わっていたりと、密接な関係を維持しているようだ。
こうした背景もあって、初GⅠ勝利の際には京都サンガの公式広報から勝利を祝うメッセージが届けられている。
菱Amazon
2020年2月20日、5ちゃんねるAmazon板に、アウトレット購入したLG製27インチモニタが酷くドット欠けしていたために返品したという人物が現れ、その手続き画面のスクリーンショットを投稿した。ところがそのスクショには「菱田 裕二」と栗東市の郵便番号がばっちり記載されており、それを指摘された投稿者は「同姓同名の著名人がいたんですね 初めて知りました」と下手くそすぎる言い訳を投稿。
ここに彼の苗字と過去の名馬を引っかけた「菱Amazon」のあだ名が爆誕し、一部の競馬民から重賞を勝つたびに「いいモニタ買えよ!」と煽られる祝われることになってしまった。
なお、ワッチョイから他の投稿も掘り起こされ、「獣医志望だった」と騙って馬の鼻出血を解説していたり[3]、フランスの騎手が性的暴行の疑いで事情聴取されたニュース[4]にやる夫のAA付きで「ゲスだお」とツッコミを入れていたことも判明。それ以外は特に他人の悪口や情報漏洩もなく、炎上することなく祭りは終了した。
主な騎乗馬
※太字はニコニコ大百科に記事のある競走馬、菱田騎乗での重賞勝ち鞍のみ記載
- アレスバローズ(2018年北九州記念)
- ダイアナヘイロー(2018年阪神カップ)
- ジョーカナチャン(2020年アイビスサマーダッシュ)
- パンサラッサ(2021年福島記念)
- テーオーロイヤル(2022年・2024年ダイヤモンドステークス、2024年阪神大賞典、天皇賞(春))
- アーテルアストレア(2024年クイーン賞)
関連動画
関連コミュニティ・チャンネル
関連リンク
関連項目
関わりの深い馬
脚注
- *中井裕二も同じく23勝を挙げていたが、菱田は年間通じて騎乗停止処分無しという点が評価された(中井は4日間の騎乗停止処分を受けていた)。
- *岡田師はJpnIをメイショウハリオで3勝している。
- *競馬学校では獣医学知識も叩き込まれるとはいえ……。曰く「(馬房が)殺人現場かと思うくらい壁や地面が血塗れで驚いた 鼻出血って競馬ファンが思ってる10倍ぐらい危険」
- *ヴァルトガイストと凱旋門賞を制覇したピエール=シャルル・ブドー。2021年5月にこの件で起訴され、22年11月に騎手免許停止処分を受けた。
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