電脳警察サイバーコップとは、1988年~1989年まで日本テレビ系で放送された、東宝(東宝企画)製作の特撮テレビ番組である。
概要
1980年代にはめずらしいVTR撮影によって製作された作品で、撮影技法のみならず様々な点でパターン破りを行っている意欲作である。
サイバーコップと言えば特に有名なのがビデオ合成によって撮られた数々のムチャクチャかつちゃっちいシーンであり、例えば吹っ飛ばされたキャラによってビルの壁にヒト形の穴が開く、落下するがれきの上で戦う、などといった具合である。(その一方、一台しかない車を合成によって2台にして並走させるなど、さりげないシーンでも積極的に使われている。)当時からしてもしょぼいと言われていたものの、実験精神溢れるシーンの数々はその後に大いに影響を与えていることだろう。
その他にも、サイバーコップ達の武器が黒いトランクに入っていて各地のアクセスポイントより運ばれてくる(「ブラックチェンバーシステム」を参照)、時にはヒーロー側が敗北して終わるなど連続性を持たせた重厚なストーリー、随所で見られる子供番組を逸脱した洒落たせりふ回しなど、上記のパターン破りがいくつも見られる作品で、現在でもカルトな人気を誇る特撮ヒーローである。
登場人物
ZAC(Zero-section Armed Constable)メンバー
- 武田真也
- コードネームはジュピターで、本作の主人公。第1話でインターポールからZACに途中加入した新米警察官。明るい性格の熱血漢だが、新米ゆえに失敗したり暴走する事もしばしばである。当初過去の記憶をなくしていたが、実は23世紀の未来からやって来た人物であり、コンピュータによる支配と戦う人類解放軍の戦士、Z-226(ゼット・ダブルツーシックス)というコードネームで呼ばれていた事が中盤にて判明する。昔は逆立ちをすると何かをひらめく少年だったり、某クモ男と共演した事もあるのはここだけの話。
- 北条明
- コードネームはマーズで、ビットスーツチームのリーダー。冷静沈着で任務遂行には私情を挟まない、警察学校を首席で卒業したエリートである。最初は他のメンバーと違い警察学校出身ではなく、経験も浅い武田を「トーシロー」と素人呼ばわりし、彼の力量を認めようとしなかったが、衝突していたが徐々に打ち解けていった。エリートとは言え過激な発言があったり乱暴な態度が見られたりと、実は武田と似た者同士だったりする。(それゆえに、当初は武田のことを自分を見ているようで腹立たしく感じたのだろう。)少年時、父親が死んだ事に対しての復讐のためにハッカーになったが、織田キャップに補導されて更正、それ以来キャップを慕っている。後半、ルナとロマンスを演じ、ジュピターを完全に食っていた。
- 毛利亮一
- コードネームはサターン。人情家でチームのムードメーカー。特に序盤は対立しやすい北条と武田の間を取り持つ事も多い、所謂「いい人」。可愛い女の子に目が無いお調子者だが、そういった面は周囲を和ませる為に意識して演じている部分もある。戦闘はあまり好まないがいざという時には自分を犠牲にしても仲間のために戦う熱い一面も持ち合わせている。何故かいつも金がないらしく、その事を漏らすこともしばしばである。
- 西園寺治
- コードネームはマーキュリー。格闘技の達人で、チーム最年少。若干マザコン気味な上ホモ疑惑まで持ち上がっている、主要人物の中でも屈指の変人かもしれない。どういうわけか明らかに後輩なはずの武田を先輩と呼んでいる。刑事になったのは殉職した兄を超えるためであるらしい。趣味は人形遊び(リカちゃん人形で。フィギュアオタの走りか?)。当時としてはかなり画期的なキャラクターであるww
- ルシファー
- 武田を狙う23世紀から来た未来人。23世紀では武田と共にコンピューターによる支配を阻止しようと戦っていたが爆発による時空の歪に武田、バロン影山と共に落ちて20世紀にやってきた。バロン影山の策略により武田が裏切っていたと思っていたが、後に和解し、共に戦う。馴れ合いを嫌っているので「あとはお前たちでやるがいい」と言って風の様に去ることもしばしば。ひたすらにクサイ芝居をしているというのにひたすらにカッコいい、特撮界でも貴重な人。
- 上杉智子
- チームの実質的なまとめ役でサイバネーションシステムの起動、ブラックチェンバー移送やバックアップついでにお色気要因を担当する。経験の浅い武田の事を当初は先輩として気にかけるも、後には恋仲に。失われた過去を取り戻すにつれ苦悩を深くする武田の心の支えとなっていく。実は彼女もビーナスのコードネームを持っているが、ビットスーツは着用しない(漫画版では着用)。
- 織田久義
- ZACの鬼隊長。時に厳しく時に優しく若い隊員達を包み込み、的確な指示を与える。その人柄のためか隊員達の信頼も厚い。時々、寒いダジャレを言う。
- 島津瑞恵
- ZACの秘書兼キャップ代行。織田キャップのサポートを行い、織田の不在時には指揮を執る事もある。 たまにキャップとともに夫婦漫才を披露することも。
- 矢沢大介
- ZACのコンピューターオペレーター。情報収集及び解析を行い、作戦を補佐する。コンピュータや科学に関する知識が豊富。「それは理論的にも可能です!」は名台詞。
- 朝倉美穂
- ZACの通信担当。天然ボケ。話し方はやや舌足らずな印象がある。命を投げ出すZACの任務に対し、いつも逃げ腰になる普通の女の子で、正直何故エリートだらけのZACにいるかは不明な存在。ある意味、もっとも謎な人かも・・・
- バロン影山
- 前線司令官。実はデストラップの真の支配者でジュピターやルシファーと同じ未来人であった。強力な光線を放つ指輪が武器。最終回ではフューラーの頭脳を取り込んで超人類となった。クールな彼の放つ台詞は色々と名(迷?)台詞が多い。昔は日本の平和を守るコン○ールマン だったらしいのだが、どこで道を踏み外したんだろう?
- フューラー
- 表向きはデストラップの首領だが、正体はバロン影山が造った世界最大のスーパーコンピューター。上述の通り、最終回では哀れバロンに頭脳を取り込まれることとなってしまった。なお、劇中では闇に浮かぶ顔として表現されていた。
- エインシュタイン博士
- ハイテク工学の天才。黒いデストロイド・オミノス軍団を指揮する。24話にて、狙って落とされたような岩に頭をぶつけて死亡する。デストラップの幹部達は皆、バロン影山が造ったアンドロイドであるが、本人達はその事を知らない。
- プロイド博士
- フルネームはアーサー・C・プロイド。心理学の天才。非人間型のガロガ軍団を指揮する。武器は電磁鞭。
- デューウィン女史
- 生命科学の天才。白いデストロイド・ハルコス軍団を指揮する。武器はナイフ。
- ビーストマスタールナ
- 25話から登場。エインシュタイン博士の妹として製造されたアンドロイド。オミノス軍団に加えて、野獣戦士(ビーストソルジャー)四天王(タイガー、ホーク、タートル、サラマンダー)やその量産型のブラックローズを指揮する。苛烈な性格だが、戦いの中で出会った北条と恋に落ちていく。
サイバービット
サイバーコップ達が身にまとうビットスーツのこと。それぞれ惑星のコードネームが付けられているのが特徴である。その装着はビットステーションによって行われる。ビットステーションは専用車両ZACローダーに連結したコンテナ内部に搭載しての運搬も可能である。スーツ一着につき戦闘機数十機分もの予算がかかっている上、修理代は"善良な市民の税金"との事。
- JP00X-1 ジュピタービット
- 武田と一緒に発見された、攻撃、防御共に優れている赤色のビットスーツ。23世紀のビットスーツで、他のサイバーコップのビットスーツ開発の参考にされた。危機的状況に陥ると(怒りが頂点に達し、「許さねぇ!」と叫ぶと)、背中のベンチレーテッドフィンが開き、頭のサイバーエネルギー吸収アンテナが立って、異次元からミラクルなパワーが呼び寄せられるサイバーボミングが発動する。この際、武田は無意識状態に陥るため周囲や仲間の事も構わずに攻撃を行うという問題を抱えていたが、後にこれを克服しボミング状態でも意識を失わずに戦えるようになった。後半にもなってくると、毎回結構どうでもいい理由で怒りが頂点に達しており、なんともキレやすい子になっていたw
- JP-001-HP マーズビット
- 北条が装着するビットスーツ。形式番号で分かる通りZAC開発のビットスーツとしては最も初期のものである。パワーに優れ、火器管制装置の強化により、射撃兵器の扱いに長けている、緑色のビットスーツ。両足のスタビライズギアにより、より正確な射撃が可能。しかし他のビットスーツよりも装甲が非常に薄く、防御力が低いのが弱点。 北条の愛ゆえか、中の人の模型オタ魂か、一人だけディティールアップしたり機能が増えていったりしているスーツでもあるww
- JP-002-ER サターンビット
- 毛利が装着するビットスーツ。両肩にパラボラアンテナを装備している他、各種センサーを内蔵している、情報分析を主とする白黒色のビットスーツ。当時の特撮モノにおいて、こうした索敵能力中心のキャラクターは珍しく、ゆえに印象に残りやすい。防御力は高いが体内の分析装置の重さのため、機動力は極めて低い。 本人の戦いを好まぬ性格も相まってか、戦闘での活躍の度合いは低め。
- JP-004-HP マーキュリービット
- 西園寺が装着するビットスーツ。加速装置を装備しており、高速高機動力に優れた青色のビットスーツ。装甲が薄めな上、後方センサーの力が弱く、後ろからの攻撃に弱い。高機動力を活かし、メンバーの中でも戦闘の中心となったりすることも多い。(ジュピター、ルシファーを除き、一番多くの敵を倒しているのも彼である。)
- ルシファービット
- ルシファーが装着する、ジュピターと互角以上に渡り合える能力を持っている白と黒のビットスーツ。ジュピターと同じ23世紀のビットスーツで、ルシファーが「ルシファー・ビット!」と叫び、怪しげな気孔体操みたいな変身ポーズを取ることで時空を超えて装着される。ゆえにビットステーションを必要としない。最初は敵として登場し口に黒いマスクを装着していたが、ジュピターと和解する21話でのサイバーグラビトンの使用による衝撃でマスクが外れ、それ以降はマスクを装着しなくなった。(デストラップがつけたものかもしれない)その後は仲間となりサイバーコップと共に戦うこととなる。ハイパワーゆえに体にかかる負担が大きいという設定があるらしく、先述のルシファーの行動の理由のひとつなのかもしれない。
- ビーナスビット
- 漫画版で上杉が着用するビットスーツ。テレビ版には登場せず。
サイバーコップ達の装備
サイバーコップの腕のアームシステムジョイントに装着する特殊武装。左右どちらの腕にも装着可能だが、本編では右腕のみの装着であった。装備する際には「セットアーム!」と叫ぶ。それぞれがブラックチェンバーという黒いトランクに入れられており、街のあちこちに隠された専用端末や、公衆電話、銀行のATM、はてはションベン小僧の中の端末にブラックチェンバーカードを差し込んでナンバーを入力する事で、ZAC本部から地下チューブを通って運ばれ、道路にカモフラージュされた出口から射出される。本編では、この輸送チューブを利用し、ZAC本部の破壊を企てられたこともある。
超高層ビルをも撃ち抜く破壊力を持ったマシンガン。照準はサイバーコップの目と同調して、狙った敵をハチの巣にする。パワーユニットを外せば単発射撃用の大型銃になるが、こちらは本編では未使用。主にマーズが使用する。以外に威力は高めらしく、27話では至近距離からの連射でクラブ・ハルコスを倒した。
CA-002 ディスクラッシャー
硬度特殊合金の切断メカで、高速回転のディスクソーはダイヤを切り裂くことができる。回転速度はサイバーコップの脳波でコントロールされる。両側面に張り出しているパワーカッターは、前方にスライドして太さ30cmのワイヤーも切断するハサミになっている。が、本編では使用されず。主にサターンが使用するが、戦闘で役に立ったためしはほとんど無い・・・
接近戦用ハイテク武器で、通常は鋭い剣のブレードユニットを装着して使用する。剣を外しても、本体のアイアンクローを起こして爪による攻撃が可能だが、やっぱり本編では未使用。敵の動きを捉えるセンサーがサイバーコップの腕と連動して、すばやい攻撃もかわせる、らしい。主にマーキュリーが使用する事が多い。敵にとどめをさす機会も結構多い武器である。
丈夫なワイヤーの先端に、2種類のユニットを装着して発射する装備。破壊力抜群のハンマーとアンカーの二面を持つ多用途兵器である。ハンマーユニットはぶ厚い大理石の壁をつらぬく事ができ、アンカーユニットはそのセンサーで正確に目標を捉えて打ち込む事ができる。主にサターンが使用するが、どちらかというと補助的な役割で使う事が多い。
超硬度、超回転力を持つドリルで、核シェルターの頑丈な壁をも破壊するその威力を利用し、救出活動などにも使われる。ドリルユニットは3つに開いて岩も挟み砕く事が可能な他、分離して、地下に潜む敵を爆破する地底ミサイルにもなるが、どちらも本編では未使用。 なお、カプコンの岩男の武器とは関係ないので注意。
サイバーアームでは唯一の、両足に装着する装備。最高時速300kmの超高速走行メカで、そのスピードはサイバーコップの脳波と連動し、自由に操る事ができ、リモートコントロール走行で敵の追跡、偵察などにも使用可能である。
サイバーウェポン [編集]
サイバーコップの肩に装着する大型火器。装備する際には「セットウェポン!」と叫ぶ。やはり、ブラックチェンバーに入れられて運ばれてくる。主にマーズが使用する。マーキュリーが使用した事もあるが、撃つ度に反動でよろけてしまうという、芸が細かい描写がある。サイバーウェポンは仲間からエネルギーを分けてもらうことで威力を強化する事が可能で、本編ではマーズがサターンとマーキュリーのエネルギーでファイヤースラッガーを強化した他、マーキュリーがサターンのエネルギーでメガストームを強化して使用している。
どんなに頑丈なものでも、一発で破壊する力をもつ一撃必殺のバズーカ兵器である。発射時に放熱パネルカバーから放出されるエネルギーは溶鉱炉一個分にも相当し、天面から出てくる強力センサーはサイバーコップと連動し、相手をとらえて逃がさない。
超高層ビルを一瞬にして瓦礫の山にしてしまう、ものすごい破壊力を秘めた武器である。ヘッドキャップを開くと6発のミサイルが一斉発射され、スペースシャトル並のスピードを持つミサイルは、サイバーコップと連動されたセンサーによって的確に相手を捉える。ミサイルは1発ずつ発射する事も可能。
ジュピター専用サイバーアーム [編集]
ジュピターがサイバーボミングする事で召喚、装着されるジュピター専用の装備。サイバーボミングする前のジュピターは他のサイバーコップと共通のサイバーアームを使用する。
ジュピターの右腕に装着される手甲状の武器。パンチ力を大幅に強化する。上部の銃口からレーザーを発射可能。31話ではデストラップ側に奪われ、ネオ・オミノスが使用した事もある。当時はこれのおもちゃの出来が大変よく、大きな話題を呼んだ。
サンダーアームと同時に左手に装着される盾。あらゆる攻撃をはね返す。
ルシファー専用装備 [編集]
ルシファーは、サイバーコップ達とは違い、ZACが開発したサイバーアームは使用せずに彼専用の装備で戦う。
ルシファーが愛用する2丁拳銃。普段は両腿に装着されている。変身前にも使用可能で、ショルダーホルスターに収めている。
ルシファーの背中に装備された、2つの速射砲。使用時には両肩に移動する。
ルシファー唯一のサイバーアーム。戦闘機のような形状のビーム兵器で、遠隔操作で自由に敵を追跡・攻撃できる上、ルシファー自らがぶら下がって飛行することも可能。バズーカモードに変形させて肩に装着する事も可能。光線ライフル銃のヘビーガンと盾のシールドに分離させる事もでき、さらにヘビーガンは剣のブレードモードに変形し、シールドはルシファーの背中に装着する飛行ユニットに変形させて使用する事も可能。ヘビーガンから放たれる光線はジュピターのサンダーマグナム以上の威力を誇る。遠距離・中距離・近距離とあらゆる局面に力を発揮する万能武器である。ただし、シールドモード、ブレードモード、飛行ユニットモードはやはり本編未使用。(こんなのばっか・・・)ルシファーが呼べば自動的に飛んでくるが、初使用の17話では何故か引きずっていた棺桶から取り出していたww サイバーコップ達に貸した事もある。
ルシファーの胸から発射される超サイバーエネルギー光線。ルシファー最強の必殺武器。エネルギーを大量に消費するので、多用は出来ない。
ZACの装備 [編集]
ZAC隊員達が携帯する装備。護身用なので、デストロイドには効果は殆どない。
登場マシン
全長2.835mmのジュピター専用大型高性能バイク。通常最高速度は時速400kmだが、ブースターを使用することで時速600kmに加速可能。これを活かして東京タワーをジャンプ台にし、落下する人工衛星に飛び込んだこともある。武器としては、機体前部に7.7mm高エネルギー機銃を装備。また車体下面から左右に伸びるサイドホイールにより、ビルの谷間等の狭路も走行可能である。当時の特撮には珍しい未来型のバイクで、合成ではあるものの、これが疾走するシーンは当時衝撃的であった。(いろんな意味で)
ZAC専用車両。ビットスーツの装着に使用するビットステーションは、これによって牽引されて運ばれる。
余談
アイキャッチで流れるBGMが、かつてテレビ東京系で放送されていた「TVチャンピオン」内でラウンドのジングルとして使用されていた。そのためサイバーコップは知らないがこのBGMは聞き覚えがあるという人もいるかもしれない。
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関連項目
- 4
- 0pt