キャッスルヴァニア ロードオブシャドウ(Castlevania Lords of Shadow)とは、2010年発売の「悪魔城ドラキュラ」新シリーズ。
独立した「ロードオブシャドウ」シリーズとして、以下の3作が発売された。
- キャッスルヴァニア ロードオブシャドウ
- キャッスルヴァニア ロードオブシャドウ - 宿命の魔鏡(さだめのまきょう)
- 悪魔城ドラキュラ ロードオブシャドウ2
タイトルがキャッスルヴァニアで始まったのに最後悪魔城ドラキュラに戻っているが、この3タイトルはストーリーのつながった連作となっている。
本記事では3本とも扱うことにする。
他の「悪魔城ドラキュラ」シリーズとは歴史・世界観が異なる。
同名の登場人物が多数登場するが全て原作とは別人。
だが完全な別シリーズではなく、そこには原作の強いリスペクトと再構成があふれている。
ネタバレの扱いについて
「ロードオブシャドウ」シリーズは3作とも物語を重視した内容となっている。
だが、ひとつ重大な問題を抱えており『宿命の魔鏡』以降のストーリーについて少しでも書こうとすると、直ちに1作目の大ネタバレになってしまう。
そのネタバレ、本記事ではギリギリ書かないように注意するが、宿命の魔鏡の公式サイトにもモロに書いてあり、はっきり言って周知の事実として扱われているものである。
過去にも悪魔城シリーズでは『暁月の円舞曲』のネタバレを自重していなかったように、本シリーズもそれと同様のスタンスを取っているようだ。
だから何かの拍子にネタバレが飛び込んできても勘弁してもらうしかない。
もう一つ問題があり、ロードオブシャドウ2を始めるとゲーム最序盤で宿命の魔鏡のネタバレも全部叩き込まれる。
これは公式サイトでも遠慮しているが、ゲームを進めるとすぐ出てくる。
本記事もかなり配慮しつつ、少々2の内容について書いていくことになる。
しかし、ロードオブシャドウ2は非常に面白いゲームなのだが、その面白さには1からの物語を回収していく面白さも含まれている。
なので信じて前2作から続けてプレイしてほしい。
2は過去作未プレイでも面白いゲームだと思うが、順番に挑戦できるならそれに越したことはない。
そう言いたいのはやまやまだが、ゲームとしての難易度、ストレスのたまるマップなどハードルが一番高いのは一作目なのである。2の国内知名度の低さから考えても、順番にやると一作目でダレてしまい、けっきょく続きをやらないというパターンがよくあったと思われる。
これは非常にもったいない話で、こうなるくらいならネタバレ上等で2作目からやってもいい感じもする…
このようにストーリーは3作で完全に連続しているが、ゲーム内容がそれぞれ異なる。
ロードオブシャドウ1
PS3、Xbox360で発売(海外ではPC版あり)。
『悪魔城ドラキュラ黙示録』『キャッスルヴァニア(PS2)』に続く3Dアクションゲーム。
11世紀、最強の戦士ガブリエル・ベルモンドの世界救済の戦いを描く。
戦闘システムはキャッスルヴァニアから発展したものと見受けられ、ムチアクション主体にジャストガードを駆使する。カメラが不自由。
その一方でステージクリア型の構成、豊富なアドベンチャー要素、全編通して多発する崖つかまりには黙示録の影響が色濃く見える。
探索要素はメトロイド型ではないが、強化アイテムが各ステージに配置されており、前のステージに戻ってアイテムを回収するロックマンXのような方式をとっている。
後の2作に比べて敵が固い。あまり楽しくならないので、まず最低難易度でのプレイを勧める。
宿命の魔鏡
3DS、PS3、Xbox360で発売(海外ではPC版あり)。2.5Dの横スクロールアクション。
前作の数十年後、なんやかんやで世界にはドラキュラが君臨していた。
主人公はガブリエルの息子トレバー・ベルモンド、トレバーの息子シモン・ベルモンド、
そして謎の吸血鬼アルカード。
それぞれのドラキュラ城への挑戦を描く。
前作を2Dに落とし込んだようなゲーム。メトロイドヴァニア寄りのゲームと言われることも多いが、マップがおおむね一本道で、あまりアイテムが多くないので何となく違う感じがある。武器も3人ともムチである。
ロードオブシャドウ2
PS3、Xbox360で発売(海外ではPC版あり)。
1作目を継承した3Dアクションだが、ステージクリア型ではなくなり、前2作よりもメトロイド寄りに変化。広大なマップを迷いながら探索する内容となっている。『蒼月の十字架』や『闇の呪印』への意識もあるのか、剣や格闘技も使えるようになり、カメラ操作も自由になった。
主人公はシリーズ初のドラキュラ。1作目から約1000年後、既に消滅していたドラキュラ城の跡地に築かれた「キャッスルヴァニア市」を舞台に、寂しいおじいさんと化していたドラキュラが状況を収めようと頑張る。
「新生」の意味
本シリーズは新生「悪魔城ドラキュラ」などと称している。リブートなどとも言われるが、これが意味するところは11世紀『キャッスルヴァニア』から21世紀『蒼月の十字架』に至るまで1000年におよぶドラキュラの歴史の再構成にある。
大半の設定を書き直し、名前だけが同じ人物も多数登場するが、ドラキュラ、アルカードを始め、元の人物、世界を受け継いだものも多く存在する。
現代に復活したドラキュラはどんな戦い方をしたのか。
リナルド・ガンドルフィーは後世どのように伝えられているのか。
革のムチに設定はないのか。ヴァルマンウェに秘められた物語はないのか。
カーミラってドラキュラとどういう関係なのか。
なんで吸血鬼のドラキュラに獣人の部下がいるのか。
死神がドラキュラに協力する動機とは何か?
ドラキュラ城って普段住まいには大変じゃないの?
こういった本シリーズでも気になる話題に、「ロードオブシャドウ」シリーズは新しい世界観を使って答えを示している。
もちろん根本的に設定が違うので、元の世界観では使えない解答もある。
だがこれは全く別の作品ではない。このシリーズは間違いなく悪魔城ドラキュラとして作られている。
言い換えると、原作の「悪魔城ドラキュラ」シリーズを知っているほうが本作は楽しめるようになっており、ある意味もっと沢山の予備知識が要求されている。
言うまでもなくロードオブシャドウは3作だけで完結しているが、原作をよく知っている人にこそ勧めたいのである。未発売作品の登場人物まで回収しているのだからガチだ。
ただこれが「原作と同じ名前の人物がひどい扱いを受けてる」みたいに見えてしまう難点も含有しているが…
※ネタバレするとドラキュラ城は普段住まいには大変な場所であり、ドラキュラも大変苦しめられる。
小島プロダクションと日本語版
本シリーズの開発はスペインのMercurySteam。1作目には小島プロダクションが協力しているが、宿命の魔鏡からは特に関与していないようだ。
企画段階で小島秀夫が後押ししたとか、断片的に関与した内容は伝わってきているものの、全体にはあまり大きく関わっていないようである。
1作目の日本語版は小島プロダクションが翻訳監修しており、その結果吹き替えキャストがメタルギア声優で固まっている。
だが宿命の魔鏡からは吹き替え自体がなくなっている。
なお、1作目のDLCが国内で配信されていない、日本語版がない(取得不可能な日本語のトロフィーのみ実装されている!)
これが実は2につながる超重要エピソードである。現状どうしようもないのでクリア後にどこかで動画を探すなどするしかない。
関連商品
- PS3版「ロードオブシャドウ」「2」は純正DUALSHOCK3じゃないとスティックが反応しない!猛注意。
- 宿命の魔鏡とロードオブシャドウ2はPS Now対応タイトルだが、1作目は対応してない。2のDLCもPS Nowでは遊べない(はず)
- 360版「2」は出回っている数が少ないようで、ひっそりパッケージ版にプレミアがついている。ダウンロード版は今も定価で買えるはず。
- ただ2の初回特典「錬金のルーン」は非常に強力なアイテムなので、可能なら新品で手に入れておきたい。PS3版は2021年3月に入手したものが初回盤であり、特典を取得できたことを確認。
- いずれもSteamでは国内購入不可能だが、PC版のパッケージ版は出回っているようだ。
関連項目
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