タイ国鉄単語

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タイ鉄道
State Railway of Thailand
基本情報
本社所在 タイ王国タイ王国
バンコク都パトゥムワン
設立 1890年
従業員数 --
事業概要 鉄道事業
法人 タイ王国政府出資
(タイ鉄道法)

タイ鉄道(การรถไฟแห่งประเทศไทย)、通称、タイ国鉄とは、タイ王国における営の鉄道事業者である。タイ語で「การรถไฟแห่งประเทศไทย」と表記する。英語では「State Railway of Thailand」と書かれ、太文字の部分から外では「SRT」と言われる事もある。

タイ内では一般的に「タイ鉄道(≒タイ国鉄)」を意味する「ローフォー・トー(ร.ฟ.ท)」と言われる(ex.タイ内に保存されているC56タンク部分の文字)

概要

1891年にラーマ5世の勅命により、建設を開始した。当初はバンコクからナコーン・ラチャシーマーまでであり、その管理もシャム鉄道局が管理をした。日本で言うならば戦前における鉄道省に相当する組織であった。その後に徐々に範囲を広げて、戦後1951年に「2494年タイ鉄道法」の成立をもって、タイ国鉄が成立した。

東北方面2路線、北部方面1路線、東部方面1路線、南部地方1路線をメインに各支線、マハーチャイ線・メークロン線を含めた総延長は4,041キロで、これはJR西日本在来線より300キロ程短い。全線非電化で線路幅はいわゆるメーターゲージと言われる1,000mmである。北でラオスと、南でマレーシアを接しているので、それぞれのを結ぶ国際列車が運行されている。他にも運行体こそタイ国鉄ではないが、オリエント急行の運行も行われており、バンコクからタイ各地を巡ったり、マレー半島を貫いてシンガポールまで行く列車が存在する。

運行される列車特急急行快速普通日本と似たようなものの他に、「近郊」と言われるバンコクから較的短距離を結ぶ種別が存在する。近郊は普通種別では通過するような非常に小規模なにも停する種別で日本で例えれば普通常磐線距離電車とすれば、近郊は常磐線各駅停車のようなものである。

ダイヤはいわゆる一昔前の汽車ダイヤのようなものであり、長距離輸送がメインダイヤ体系となっている。このため、遅延がしばしば発生する。

バンコクを離れると地方都市間の発着列車もあり、非常にバラエティに富んでいる。等級は1等・2等・3等があり、3等以外には座席・寝台車がある。また2等エアコンの有がある(価格差あり)

車両は客メインであるが、快速特急の中にはディーゼルカーが使われる事もある。

これらの他にスワンナプー空港からタイ中心のパヤータイを結ぶエアポートレールリンクもここの管轄である。

JR九州と協関係を結んでおり、安全・定時運行のためのシステム構築や観光列車導入、ビル開発などでの支援を受ける一方で、タイ内での外食事業展開や観光客誘致などでJR九州支援している。

運賃体系

運賃体系は寝台特急の場合、運賃+種別料+エアコン+ベッドが合算となる。設備や種別、エアコンの有などで変化が出る。3等オンリー各駅停車であれば、運賃だけで乗が出来る。

例1:バンコクチェンマイ行き寝台特急13号利用で2等寝台下段利用の場合
2等運賃(281バーツ)+特急13号特急運賃(190バーツ)+2等エアコン(170バーツ)+JRWESTベッド(240バーツ)=881バーツ

例2:バンコクチェンマイ行きスプリンター利用の場合
2等運賃(281バーツ)+特急(160バーツ)+2等エアコン(160バーツ)=611バーツ

なおスプリンターはモノクラスであり、2等扱いとなっている。また、特急も別個となっている。

なお、各駅停車など一部列車の3等においてはタイ無料の制度が取られている。いずれにしても廉価な体系なので、これがタイ国鉄近代化の足かせとなってしまっている。

ちなみに日本でよくある乗り継ぎ乗は(一応)不可能である。これは各駅停車で3等であっても列車定されている為である。

車両

タイ国鉄の列車の多くは客列車であるが、製造から大分を経過してるものも多く、老朽化や陳腐化が見え隠れする。20mが多く、またイギリスを受けてか、車両妻面は多くの車両黄色い警塗装となっている。車両限界日本べて高さが低く、日本からの譲渡車両べるとその差が際立つ。メイン日本製の旧そっくりのものや10系ベースのものであるが、近年は日本製に加えて現代製・大製といった韓国勢の車両が多い。なお、タイ内製も存在する。旧来からの客の置き換えの為に20年ぶりぐらいに中国製ではあるが新による客導入が始まっている。

を引っ機関車アメリカのGE製、日本日立製、最大勢フランスアルストム製がメインである。これらはすべて電気ディーゼル機関車であり、液体式は入換用や地方以外ではほとんど見られない。面いのは日立製の機関車であり、AW-2の汽を装備している為、さながら日本にいるかの如くの錯覚を覚える。中にはAW-5装備の物もある。なお、一部機関車は老朽化が進んでいるため、置き換えの為に2015年より中国製の機関車が導入されている。

なお、蒸気機関車も在籍しているが、日本のように石炭ではなく重で走行する。現在では全にからは外れており、もっぱら記念行事などでの稼働がメインである。タイ国鉄を走る蒸気機関車はすべて日本製でミカド(D51と同じ配置)とパシフィック(C55と同じ配置)と言われるテンダー式機関車の他にも日本でもおなじみのC56が存在している。なお、重連の際は日本の用に前向きではなく、背中あわせに連結される。なお、かつてはC58も存在しており、761~764の4両が在籍していたが、日本ではローカル線向けとして作られた機関車であってもタイ国鉄では大に類してたため、本線に出る事が出来ず、入れ替え用途でしか使いが存在していなかったようである。グーグルでも検索して出てくる写真は本当にごく少数で1枚程度、それも横からの写真である。除煙がなく、タンクをくべられるように良はされているものの、動輪の形状や煙突の前にある給温め装置などC58の特徴がよくわかる。

車内設備

内設備は価格による格差が大きく、3等と1等とでは天国と地獄と言うぐらいに大きく差が出てきている。また、エアコンの有も重要なポイントとなってくる点も注したい。

3等の場合は種にもよるがほとんどが固定クロスシートであるものの、りかビニールである。整備不良が多く、椅子が外れるといった事がある。また、掃除が行きとどいていないのかゴミも見受けられる。近郊列車を中心にロングシートを採用している場合がある。また、オーストラリアよりの車両は転換クロスシートとなっている。3等急行以下の種別においてみられる。

2等から寝台が登場する。シートリクライニングシートとなる。生地は手入れの手間からかビニールが多いが、JR西日本新幹線で使用されたモケットも見られる。このクラスではエアコンなしとありが選べるが、エアコンありの場合は非常に強クーラーとなっており、毛布を羽織らないと風邪をひいてしまうほどである。寝台は日本と同じように下段が割高となっている。かつてはエアコンしもあったが現在では全車両エアコン付きに統一されたようだ。すべての種別で見られるが、スプリンターは2等のみのモノクラスとなっている。

1等特急や一部の急行で見られる。個室寝台であり、内設備は日本の物と何ら劣る所はない。ここまで来るとさすがに掃除は行きとどいている。基本的に日本でいえばシングルインの様な感じであり、一人で使う場合は一部屋分の料となってまた別料になってしまう点に注意されたし。基本的には東急輛製や大製のステンレス車両であるが、チェンマイ路線にはオロネ25が連結される事が多い。大体、バンコク方の端の方に連結される。

なお、ステンレス寝台の場合には各々の車両に発電機が積まれているので若干騒音につく。

食堂車特急急行に見られる。在来車両ベースであり、屋根が低くなっているのが特徴である。さながら北斗星連結されるスシ24の如くである。内はネオン大音量の音楽が流されており、高級レストランの如き日本食堂車とは全くの対極にある。にパッタイと言ったタイ料理が多い。なお、座席まで運んでくれるサービスもある。

トイレは基本的にトルコ式と言われる和式トイレに似た、隠しのないタイプである。ステンレス寝台やJR-WESTには洋式が存在する。特徴的なのはウォシュレットであり、ホースのようなものでを洗浄する。どんな車両であってもウォシュレットは付いているが、基本的に尿は垂れ流しであり、下手に線路際にいようものなら場合によってはくそみそにまみれる可性もないわけではない。

喫煙に関しては全車両禁煙であり、喫煙車両連結はされていないのだが、実際は3等を中心に車両の端やドア付近で客が喫煙している姿が見受けられる。なお、食堂車では喫煙が可である。ちなみに鉄道車両内で喫煙した場合は2000バーツ(日本円で6000円)の罰が科せられる。

ディーゼルカーについて

現地において、ディーゼルカーรถดีเซลราง(ロットディーセラーン)と呼ばれている。絶対数で言えば客にはかなわず、絶対数が少ないのでよほどのことがない限りは事故が出ず、都度修理をしている。

エンジン特急用・普通列車用ともにカミンズ製(NTA-855)である。

普通列車用

普通列車用は現役車両は全て日本製であり、地域間の輸送といった較的短距離を結ぶ運用が多いが、実態としてはバンコクからノーカーイを結ぶような夜行距離に使用されるケースも少なくない。

なお、近年は東北地方を中心に近代化が進んでいる関係でドアステップを埋めている車両が増えている。

RHN形

現在、タイ国鉄で使用されるディーゼルカーとしては最古参であり、昭和46年に登場している。RHNの由来は鉄道車両であること&製造工場である日立製作所日本車両製造(RailcarHitachi・Nipponsharyo)から来ている。

2両で1編成を組成し、エンジンを2基搭載した車両(1000番台)とエンジンなしの制御(10番台)を基本としている。言ってみればかつて和田岬線にあったキハ35+キクハ35の如きである。体のデザインキハ20そっくりであるが、一部車両についてはドア配置がん中に著しく偏っている車両がある。これは元々、運転台直後に荷物室が設置されていた(キハニ相当)名残である。

運用は東北地方の地域輸送がメインであるが、まれにバンコクに顔を出す。またTHN形と互換性があり、これらの車両と併結して運用されることもみられる。この他、ノーカーイより先、ラオスのタナレーンを結ぶ国際列車に使用される。

既に製造から50年以上経過しており、老朽化著しいのだが、ディーゼルカー自体の絶対数が少ないことなどからが進んでおらず、既存車両更新でしのいでいる状態である。更新内容としては内装以外にも組みを残して腐食などで劣化した外り替えるといった具合に国鉄72系の全金属のような手の込んだものとなっている。

なお、隣カンボジアに譲渡された車両も存在する。

THN形・NKF形・ATR形

RHN形の増備用として、THN形は1983年に登場している。THN形もNKF形も設計自体に大差はなく、製造工場東急車両日立製作所日本車両(Tokyu・Hitachi・Nipponsharyo)/日本車両もしくは新潟工・近畿車両もしくは川崎重工富士重工(NipponsharyoあるいはNiigata・KinkisharyoあるいはKawasakiFujiheavyindustries)の頭文字に由来する。

体は東急7000系とよく似たステンレス体となっており、ドアが両開きとなっている。エンジンJRでおなじみのDMF14系列の原であるNTA855系となっている。全車両エンジンが搭載されており、台車も従来のバネサスから東急電鉄車両に採用されているエアサスのTS台車が採用されている。

運用はタイ国鉄全管内で運用されているのだが、設計上は短距離が想定されているにもかかわらずノーカーイ~バンコクという長距離運用にも供される。このため、長距離運用にあっては居住性に関しては非常に難ありである。

近年では運転台周りの部品確保などの面から運転台撤去されている車両が出ている他、登場から40年近いために更新工事を施工されている。

ATR形は上記車両連結される中間車両で形式はAircondisioner・Tokyu・Railcar頭文字が由来となる。エアコン付き2等であり、日本では「キロ○○」に相当する車両となっている。内はリクライニングシートとなっており、エアコン備されている。車両の端の一か所は発電設備があるのでその部分は機器室となっている。

特急用

特急用はイギリス製と韓国製が存在している。メイン韓国製で、イギリス製はもっぱら近距離特急を担当する。どちらも普通列車用や客よりも長く23~24mとなっている。

1980年代中盤以降、長距離バスに加えて勃しつつあった航空機に抗するために登場、そのシェアに大きく食い込めなかったものの、一定の成功を収めた。

ASR型

1991年に登場したASRイギリスBREL社製で、イギリス国鉄158ディーゼルカーベースにタイ国鉄向けに再設計したものである。

ASRの由来は「Aircondisioner Sprinter Railcar」と思われる。称は158形と同じ「スプリンター(สปรินเตอร์)」である。

オリジナルとの違いは…

  • ヘッドランプを前面上部に移設
  • 客用ドアが手動
  • 側面が全て二段となっている(但し、開閉不可)
  • 標準軌だった輪軸の幅を、メーターゲージのものに交換

上記の通りであるが、基本的な設計は踏襲しており、また登場時の塗装イギリス国鉄のものと同一であった。

全20両が導入されたのだが、手が込んだ設計で整備性が悪く、故障が頻発したので後述のADRディーゼル特急メインを譲ることになった。

ADR型

1995年に登場したこの車両は一定の成果を収めて本数増加に対応する為と高コストかつ故障頻発のASR代替的に韓国の大重工業にて80両が製造された。

ADRの由来は「Aircondisioner Daewoo Railcar」と思われる。

体はステンレス製で全長は24mと非常に大きなものとなった。床下機器類は台車含めてASRのものと概ね同一となっている。なお、80両のうち、付随はのちに客改造を受けて寝台車として活動している。なお、同じ大製でデザインがほぼ同じ客も存在しているが、台車に違いがある。

バンコクから各地を結ぶディーゼル特急に充当されている。

譲渡車両

近年は新製車両が非常に少なく、他のになった車両装して使用するケースが多い。

1995年オーストラリアクイーンズランド鉄道よりSXを購入し近郊列車へ投入した。1961年にバッド社のライセンスを得てコモンウェルス社が製造した客であり、当時のクイーンズランド鉄道が電化された際に電車への転用を容易にする為の改造があらかじめ施されていた。計画自体はかなり時代が下ってからになった為、電車化されることなく1990年代まで活躍した。入線に際しては日本と同じ狭軌をメーターゲージへ変更した上で、端部に新規の手動のドアを設置。従前のドアは高さが合わない為に固定化された。また、台のあった部分はステンレスで塞がれた。近年はシートが交換されてプラスチック製となった。また、塗装湘南色に似たものとなった。

1997年JR西日本よりキハ58系を導入、数年にわたって数十両がやってきた。当初こそディーゼルカーとして活躍したが、車両限界基準に起因する入線制限があったことやエンジンがタイ国鉄の標準のものと違っていた事もあり、21世紀初頭に客化、その後全車両同然の状態となっている。僅かに事業用の控えに使われるのみとなっている。

2000年に12系がキハ58に続いて導入された。当初はエアコン付2等で使用されていたが、キハ58と同じように車両限界が大きかった事やエアコン不調の為に近郊列車に供された上にエアコンなし3等へ格下げとなった。その後、ブルートレイン24系導入に際して、移設の為に発電機が外されている。近年は一部の車両ジョイフルトレインへの改造車椅子車両として再改造を施されている。その際に冷房がタイ内製の物に交換されて再び冷房となったものが存在する。

2021年、かねてより噂のあったJR北海道キハ183系を導入することとなった。半年程度の改造を経て4両が工、当面はバンコク近郊の観光列車に充当される予定。

また、タイ国鉄所有ではないがオリエント急行に使用される車両も譲渡である。この車両は元々、ニュージーランド国鉄が運用していた寝台列車シルバースター(Silver Star)であり、日本製である。戦前製の老朽化の進んでいた旧置き換えの為に1971年に導入された客であり1979年まで寝台列車として使用されたが、航空機との競合に敗れた事やおそらく断熱材にアスベストが使用されていた事から運用に組合が反発した結果、10年程度休となった。その後に1990年オリエント・エクスプレスホテルズ社に譲渡され、オリエント急行用に改造された。同じ形でディーゼルシルバーファーン用の車両が使われている説も一時流れた。現在タイ内の他にもマレーシアシンガポールを走っているが、2014年7月に脱線をしてしまった。これまで細かい脱線は下の動画にもあるようにあるにはあったが、数両程度はかなり傾いてしまっている。幸いに乗客に死者は出なかった。

キハ183系

JR北海道2017年になった車両のうち、17両は屋町にて約4年近く発送待ちの状態となっていた。あまりに長い事留置状態であったので先行きが心配されたが、2021年に発送、現地に到着後にまずは4両が改造に着手となった。

2022年6月に4両(キハ183-208+キハ182-29+キハ182+22+キハ183-219)が工した。これらの車両日本時代に合わせたスタイルを堅持しており、日本語表記も極再現されているのがポイントである。改造点として

上記の改造点はあるものの、原形を留めており、とりわけJR北海道ラベンダー色を踏襲しているのは特筆される。

14系・24系客車

14系24系客車2004年2008年JR西日本2016年JR北海道からそれぞれ譲渡された。

ブルートレイン

々にとってもっともしみのある譲渡による列車と言えば、ブルートレインがそのまま走っている事である。JR西日本より寝台特急止時に余剰となった24系14系客車2004年2008年に譲渡され、現地でも「ブルートレイン」で通じる程である(もしくは「JR-WEST」)

なお、当初は本当にブルートレインそのままの塗装であったが、最近では紫色に変更されている。と言う色は高な色と言う意味もある。そこ、「やくも」とか言わない。

当初は14系座席も使用されていたが、あまり稼働率が高くなく用途に困ったタイ国鉄がジョイフルトレインへの改造の種に供された。

なお、近年12系より発電機を移設する工事が行われた。言ってみればスハネフ14系100番台タイで行ったようなものであるが、日本ではあさかぜ用として在籍していたオハネフ25形300番台に発電機が取り付けられ、前面に排気管が取り付けられている。同じ改造は他の24系にも施されている。

これらの列車24系14系連結されており、特にチェンマイ方面の車両は荷物食堂車以外はすべて14系24系で統一されている。ウボンラチャターニー方面は編成内に2~3両連結されている。かつては南部方面のトラン行きにも連結されていた。運行本数が少ないのは各地に車両限界に引っ掛かる区間が存在する為である。

なお、2度ほど大きな事故にあっており、一度は入れ替え中に他の客に衝突、連結面が滅となった。二度は脱線・転覆し、車両が大破した。

老朽化が進んでチェンマイ方面の定期列車中国製の新に置き換わったが、臨時や増結には今でもブルートレインが併結されており、またこの際に国鉄急行色に似た塗装に変更されている。

はまなす編成

2016年北海道新幹線開業に伴って止となったはまなす用の14系座席10両が譲渡されることとなった。タイに到着当初はその用途に思いあぐねていた節も見られたが、2023年から改造が始まり、「ROYAL BLOSSOM」というジョイフルトレインとしてデビューした。塗装変更と内装を改造したほか…

発電機が撤去されたので電連結が必須となっている。なお、現地の鉄道ファンからは同じ14系であってもJR西日本からのものとははっきり区別されているようであだ名は「HAMANASU」となっている。

キハ40(予定)

東北地区で使用されていたキハ40系20両がタイ国鉄に譲渡されるとのことで、現地報道によると3両編成を組み、エアコン3等として運用される計画となっている(なお、エアコン付きは現地では2等から)

ツートンカラーとなるとのことで、当面はアユタヤやチャチューンサオ付近といった近郊列車に起用される模様。

C56について

C56」も参照されたし。

日本でも「ポニー」の称でおなじみのC56第二次世界大戦中に泰緬鉄道向けに「出征」し、戦後はタイ国鉄のとして活躍した。現地の事情に合わせて細かい部分で良が施されていた。また、日本製以外にも迷工場ことタイ・マッカサン工場ノックダウン生産された車両も存在する。日本仕様からタイ仕様にする当たっては以下の改造を行われた。

戦後700形番され、カウキャッチャーの取り付けや塗装の変更、連結器の再交換などが行われた。その後、徐々にディーゼル機関車が台頭してくると、その数を減らしてきた。

そのうち、C5644は大井川鉄道に譲渡され、C5631は靖国神社に保存されている。特に靖国神社に保存されているC56塗装こそ日本であるが、あちこちにタイ時代の面を色濃く残しており、当時をしのぶ事が出来る。

現在タイ内で動態保存が2両(713ことC5613、715ことC5617)存在し、静態保存タイ内各地に存在する。一部は日本時代の番となっている。

迷工場で行こう

ニコニコ的にちょっと注したいのはタイ国鉄車両の整備・改造を行うのがこのマッカサン車両工場である。バンコク中心部よりやや東にに位置するラチャティーウィー区に存在するタイ国鉄最大の車両工場で、タイに上陸したブルートレインや12系、キハ58もここで現地仕様化の改造を受けた。過去には10系ベースの客C56ノックダウン製造していた事もあり、タイ苗穂工場ともいえる驚異の技術定評がある

マッカサン車両工場「私を甘く見ないほうがいい」

名物路線

タイの名物路線と言えば、ナニコレ珍百景などのテレビでたびたび取り上げられているメークローン線が有名であろう。ここでは便宜上、ウォンウィエンヤからマハーチャイをマハーチャイ線、バーンレームからメークローンをメークローン線と表記する(本来はこの2路線合わせてメークローンと言う)

一般的には「市場の中を走る列車」で知られるが、マハーチャイ線・メークローン線は他のタイ国鉄の路線とは隔絶されており、フワランポーンから直接はいけない。これは元々は私鉄であり、そもそもの成り立ちが異なっていた為である。また、かつては一部区間では電化もされていた。整備もマハーチャイ線部分では終点マハーチャイ構内に車両工場があるが、メークローン線の場合、整備工場は存在せず、バーンレーム列車1両をジャッキアップできる程度の機械があるのみである。また、マハーチャイ線は交換施設が存在するが、メークローン線は交換設備が存在しないので1路線に1編成しか物理的に走行できない。かつては交換施設が存在し、バーンレーム現在は線路が1本だけであるが複数編成おけるスペースが存在したと思われる錆ついた線路が存在する。なお、どちらにもATSはないので係員の手旗まかせである。

行き方としてはバンコク中心部からの場合、BTSシーロム線に乗って、ウォンウィエンヤで降り、徒歩15分程度歩いて国鉄ウォンウィエンヤに向かう。そこからマハーチャイ線で終点マハーチャイまでの10バーツの切符を買って、終点マハーチャイで降りる。この構内が市場となっており、メークローンほどでないにしろ、なかなか非現実的な光景である。ここまでは1時間に1本~2本と割合本数があったり、バンコクまでの路線バスがあるので行きやすいが、この先が問題である。

を降りて5分ほど右へ歩くと、バスターミナルと共に着場があるのでそこから3バーツの渡し舟に乗って対へ行くと、市場の中に出るのでそこを抜け切って、また右へひたすら行って学校を通りすごした後にバーンレームが見える。大体15分ほどである。ここは1日4本しか走っておらず、メークローン方面への最終は16:40発である。1本のり過ごすと3時間待ちになってしまうのである。なお、とてもとは思えないほどに周りと溶け込んでいるので、場所を見落とさないようにするのが重要である。10バーツの運賃を払い、1時間ほどでメークローンに到着する。途中、湿地帯を走るのでぼうぼうの中を走るが、風景の変化があまり大きくないのでかなり単調な風景である。構内進入直前、市場を走る列車はそれだけでも非常に興味深いものであるが、から降りて出発する場面を見るのもまた一である。

このように行くも帰るも非常に難儀するわけであるが、手っ取りくいける方法もある。もし、メークローン市場だけを狙い撃ちするのであれば、モーチット2にあるミニバスターミナルからロットゥーというワゴンバスでメークローン行きに乗れば、1時間ちょっとで現地に行く事ができる。

なお、メークロン線は車両数が限られているので、車両点検をする為に全線運休になっている事もある。前述した通り、バーンレーム構内にジャッキアップの機械がある為、線をふさいでしまう事になる為でもある。

キハ58の墓場

日本の鉄道ファンとしては一つおさえておいた方がいい路線がある。東本線のサッタヒープ支線である。こちらは平日のみ1日1往復という乗り鉄泣かせの路線であるが、それだけではなく終点バーンプルータールワンにはキハ58が多数留置されているところである。キハ58は客化に際して全に運転台機器を撤去したが、おそらく営業運転に供されることなく改造が途中で中断され、改造途中の体のみが留置されているのである。体だけではなく、取り外した部品が周囲に転がっている。なお、筆者が訪れた際にはアスベストと思われる物体があったので、その周囲の部品にはむやみに触らない方がよろしいかと思われる。

に当たってはフワランポーン6:55に出るので、に強くないと少々しんどいかもしれない。なお、終点までは約4時間半なのでなどをもっておくといいだろう。バーンプルータールワン発は13時頃であり、フワランポーン戻りは18時ごろとまるまる1日を要する。これまた手軽に行くにはロットゥーという手もあるが、行き帰りでかわるがわる風景を見ながら行くのも醍醐味であろう。というかバーン・プルタールワンからバンコクに帰る際はロットゥー乗り場がの近くになく、また観光客もほとんど訪れないような所なので、ロットゥーを使う場合は念入りに最新の情報を収集することを強くお勧めする。

なお、ネット上には東北本線ケンコーイ付近にも同然のキハ58写真があげられており、こちらもキハ58墓場と言えるかもしれない。

貨物輸送

貨物輸送も例にもれず、自動車に押されてシェアは2割程度となっている。近年は天然ガスの価格が低くなっていることからトラックの燃転が進み、貨物トラックの輸送コストが相対的に下がってさらに鉄道輸送は苦となっている。

とはいえ、大量・高速輸送ができるメリットは大きく、また短絡線を使って東北地方から輻輳の多いバンコク周辺を回ることなくタイ最大の港であるレムチャバン港へ直接向かう事が出来る事や、港自体に直結している路線が多いのでタイ国鉄は貨物輸送に近年を入れている。今後も複線化を推し進めるなど、貨物には攻めの姿勢となっている。

※参考までに2012年6月6日現在ガソリンリッター約40バーツ(日本円で大体120円)に対して、ディーゼルリッター約29バーツ(日本円で大体90円)、天然ガスリッター換算で約10バーツ(日本円で30円)

現状と問題点

タイ内では飛行機と長距離バスとの競合がしいが、結果はお話にならないとは言いすぎにしても、大変に厳しいものである。

飛行機べた場合、価格では勝るものの定時性の面や長距離移動ゆえ所要時間がネックとなっている。バスべた場合、時間的に差がなくとも運行本数もさることながら、価格やサービス面で不利となっている。

しかし、低所得者層や地方からの出稼ぎ労働者にとっては一番安価な移動手段(バンコクチェンマイで鉄道の最安値は221バーツバスが600~800バーツ飛行機の最安値がだいたい1700バーツ)の為、重な足となっている。なお、3等に限ってはタイ民は一部列車の運賃が無料の政策がかつて採られていた。

前述した通り、他の交通機関べてもデメリット立ち、メリットと言えば価格の安さなので設備投資が難しいのが正直なところである。さらに前述した運賃無料の政策も重くのしかかっている。論、値上げの動きはあるのだが、利用者の反発が大きいので立ち消えとなっている。

レベル歪みが見える心もとないヘナヘナの線路に老朽化著しい車両と壊れやすい座席、ATS未設置など日本の基準からべたらお粗末と言わざるを得ないのが正直なところである。ちなみにマハーチャイ線・メークロン線は信号さえない。また、たびたび脱線が発生しており、中に横転や乗務員の殉職を伴うものもあったりで車両事故もたびたび発生している。

近郊列車にしても並行するバスの本数が多い事や旧態依然とした長距離体のダイヤなどから、今ひとつ移動手段のになりえないのが正直なところである。さらに現在の基準からみればおおよそ非効率的な人員体系や労働組合によるストライキの頻発など、高コスト体質になっている。論、民営化の話は何度も出ているが、大体立ち消えの状況である。

利用者が選挙の票田となる地方出身者や低所得者層が多い事から、度々政争の具に使われる。かつての3等無料運賃制度もまさにそうである。

エアポートレールリンク

バンコクの玄関口であるスワンナプー空港からバンコク中心のパヤータイまでを結ぶこの路線はタイ国鉄の管轄であるが、直轄ではなく下の組織が運営を行っている。日本でいえば第二種鉄道事業者・第三種鉄道事業者のような関係である。ほぼ全線をタイ国鉄の東本線と並走しており、その扱いも東本線の一部(日本で言う所の複々線扱い)というものである。

急行(SA Express)と普通(SA City Line)の2種類の種別があり、急行はマッカサン・パヤータイ発着があり、各々終点までノンストップで運転となる。料は共に150バーツである。普通はパヤ―タイまでを結び、15バーツから1ごとに5バーツ加算され、終点までは45バーツである。乗車券バンコクメトロと同じくトークン式であり、距離に応じて購入する。また急行製も存在する。改札に入る際はタッチして、出場する場合はトークン改札に投入する。改札急行普通とで分かれている為、普通ホームから急行ホームに行く事もその逆も出来ない。

途中に退避線があるので、各駅停車は後続の急行列車の通過待ちをする事が出来る。マッカサンにはチェックインカウンターを備えたシティ・ターミナル的な設備が存在している。また、地下鉄乗り換えが出来るが、若干歩く終点のパヤ―タイではBTSとの乗り換えが可となっている。

路線は1435mmの標準軌で交流25000Vとなっている。車両ドイツシーメンス社製の汎用車両「デジロ」が採用されている。体の色で種別が分けられ、急行普通である。内も差別化されており、急行用はクロスシートに荷物おきが設置されているが、普通用はロングシートである。急行は4両編成で組成されているが、スワンナプー空港方の1両は荷物になっている。普通列車は3両編成である。急行は最高時速は160km/hであり、スワンナプー空港からパヤ―タイまで20分もかからずに到着できる。

BTSのような高架鉄道であり、渋滞縁であること、エアコン付きの車両である事や全線にわたってバンコク都市圏内である事から各駅停車を中心に利用者が増えており、沿線も住宅が増えてきている。このため、急行列車の需要が少なくなったので急行運行は止となった。

都市鉄道

タイ国鉄はかねてよりホープウェル計画に代表されるように鉄道近代化を計画をしていたのだが、政府の内情やアジア通貨危機で遅々として進まず、旧態依然とした鉄道運営を強いられていた。その中でも計画はゆっくりながらも進行していき、マスタープランを立案ののちに2021年ダークレッドラインを開業するに至った。

大きな特徴は先に開業したダークレッドライン(ランシット~クルンテープ・アピワット)について、日本企業が多く関わっている点である。車両東武50000系で採用されているA-Trainを採用している。

これを足掛かりにバンコク近郊の都市圏を結ぶ鉄道路線の拡充が計画されている。

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関連項目

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タイ国鉄

1 ななしのよっしん
2016/10/16(日) 23:38:51 ID: LAeaaujdtr
最近だいぶ変化があったみたいだね。
マレーシアへの直通列車までで打ち切りになったり、JRの寝台車引退したり。
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2 ななしのよっしん
2019/05/16(木) 19:51:44 ID: /q0oNsvYpy
タイにもジャパンレールパスみたいなのがあるけど
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