復讐するは我にありとは、
- 聖書に登場する言葉。神の言葉として記されている。
- 『復讐するは我にあり』 - 佐木隆三の小説作品。およびそれを原作とした映画作品。
- 「ローマ使徒への手紙 復讐するは、我にあり」 - テレビアニメ『魔獣戦線 THE APOCALYPSE』の第1話サブタイトル。
- 「復讐するは我にあり」 - テレビアニメ『ガン×ソード』のep.VII(第7話)サブタイトル。
- 「復讐するは我にあり」 - ライトノベル『ブラック・ブレット』の第4巻の副題。
- 「復讐するは我にあり」 - ゲームソフト『スーパーロボット大戦T』の第7話サブタイトル。
- 《復讐するは我にあり》(ヴェンジェンス・イズ・マイン) - テレビアニメ『インフィニット・デンドログラム』に登場するスキル。
本記事では上記の1.について記す。
概要
要するに「復讐は私がすることだ」「私が復讐者だ」といった意味合いの言葉。
「消せない恨みに燃える復讐鬼が、『ここで会ったが百年目! 恨みはらさでおくべきか! 復讐するは我にあり!』などと叫びながら武器を振り上げ、怨敵に襲い掛かっていく」……と言った感じの、バイオレンスな感じのフレーズとして聴こえるかもしれない。
だが実際には神の言葉であり、聖書内でこの言葉が登場するときには「復讐はわたし(神)が担当してあげるから、自分で復讐しようとしなさんな」といった文脈で用いられている。つまり、個々人による復讐を戒める、むしろピースフルな感じのフレーズである。
キリスト教の聖典である『新約聖書』のうち「ローマ人への手紙」第12章19節にある言葉としてよく知られている。
ただし、新約聖書の他の部分、例えば「ヘブライ人への手紙」第10章30節にもほぼ同様の言葉はある。
またこの「ローマ人への手紙」「ヘブライ人への手紙」は「かねてからこう記されている」とか「こうおっしゃった方を我々は知っている」といったように「既知の言葉を参照する」かたちで記されている。
その参照先は何かと言うと、おそらく旧約聖書(および、その元になったユダヤ教の聖典)の「申命記」第32章35節にある「לי נקם ושלם לעת תמוט רגלם כי קרוב יום אידם וחש עתדת למו」と言う文章ではないかと思われる。この中の「לי נקם」が「復讐するは我にあり」とも訳せるのだ。
ただし、旧約聖書(および、その元になったユダヤ教の聖典)は大部分がヘブライ語で、新約聖書の大部分はギリシャ語で書かれている。それを「どういった日本語に訳するか」についてはバリエーションがある。「ローマ人への手紙」第12章19節は実際に「復讐するは我にあり」と翻訳された記録が確かにある[1]が、他の表現で翻訳されている例も多い。また、原文ではほぼ同じ意味のことを言っているにせよ「ヘブライ人への手紙」第10章30節や「申命記」第32章35節が「復讐するは我にあり」という表現での翻訳をされることは少ないようだ。
英語でもこれらの一節は様々なかたちでの翻訳がされうるが、「vengeance is mine」(ヴェンジェンス・イズ・マイン)と言うかたちでの翻訳が比較的有名なようで、様々な創作物などにも流用されている。
文豪トルストイの代表作のひとつ『アンナ・カレーニナ』のエピグラフ(巻頭文)にもこの「復讐するは我にあり。我これに報いん。」という「ローマ人への手紙」12章19節(または「ヘブライ人への手紙」第10章30節?)からの引用文が掲げられている。
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関連項目
脚注
- *例えばWikipediaの姉妹サイト「Wikisource」にて全文が転載されている『大正改訳新約聖書』の「ロマ人への書(文語訳)」の第12章19節では、「愛する者よ、自ら復讐すな、ただ神の怒に任せまつれ。録して『主いひ給ふ、復讐するは我にあり、我これに報いん』とあり。 」と翻訳されている。
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