金盾とは、「褒賞として与えられる楯のなかでも金製であるもの」…でもなく、
「中国人の金さんが自作した盾」…でもなく、現代版万里の長城である。
日本語の読みは「きんじゅん」、中国語では「ジンドゥン(Jindun)」、またそれがなまって「ドゥンドゥンプロジェクト」とも言われ、内容が内容なので「防火長城」とも言われている。
概要
かつて、中国政府は情報化社会が進む近代において「大躍進」を遂げるべく、12の金プロジェクト(金字工程)を立ち上げられた。内容は主に電子マネーの普及や財政管理の電子化などが主目的であった。
この中でも特に特異となったのがここで述べる「金盾」である。元々は「国民管理」…つまり戸籍謄本の管理を主目的としていたが、そういった管理が今までなされなかった中国のこと、当初の完成予定年(2008)から遅れがみられている。
最終的に「金盾」プロジェクトは、電子的な身分証明カードや指紋データバンク、出入国者の管理、電話の傍受、さらには電話や無線の合法的傍受が目標として掲げられている。
防火長城
国民の思想管理の一端として、中国政府が「金盾」プロジェクトに仕込んだものが「グレート・ファイアウォール(防火長城)」である。
昔から余禄のあった共産圏は「検疫線」や「ベルリンの壁」といったもので「思想汚染」を防いでいたが、この防火長城もまあ似たような役目を持っている。即ち、情報を統制・管理し、自国に入ってくる者や物や情報を検閲し、結果的に人民を愚民化させたままにするための、文字通りの防壁を建てる傾向があった。これもその1つである。
この検閲システムは主にPCを介したWeb通信に多用され、同国内での検索エンジンなどで「法輪功」「チベット」「天安門」「中国共産党」「台湾」などの都合が悪い単語が含まれたデータを送信すると、この「防火長城」が即座に反応し404などのエラーコードを返す仕組みとなっている。
これはデータ内にNGワードが存在すれば内容は無差別であり、Blogへの書き込みやWikipediaの閲覧、メールの送受信や2chなどへのアクセス等も傍受され、検閲される。
しかし壁があれば破りたくなるのがハッカーというもの、現在ではある種のプログラムにより金盾を破ることができるが、当然ながら中国の法律に違反するため、在中大使館などではこの検閲を受け続けたままとなっている。
付記
「金」は常温(20度)前後では極めて柔らかく、金箔のように圧延して薄い箔にする事ができる反面、盾にするほどの強度はなく、総金製の盾に防御効果は全く存在しない。そのため、こんなのを作る者はとんでもないバカである。
しかし無理が通れば道理が引っ込むファンタジー世界ではまれに総金製の実用盾というものが出る場合がある。
関連動画
関連項目
- 3
- 0pt