新たな夢が、芽吹く
ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム とは、漫画・保谷伸、脚本・文殊咲の漫画作品である。
概要
Cygamesによるメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』の漫画作品。「ウマ娘」については当該記事を参照。
集英社×Cygamesが贈る新作コミカライズで、同タッグでは『ウマ娘 シンデレラグレイ』に次ぐ漫画作品となる。今作では、97年古馬三強の一角を成すサクラローレルを主人公に据えた物語が展開される。
漫画は少年ジャンプ+・ヤンジャン!・となりのヤングジャンプの3媒体で2023年4月10日から同時掲載された。第2話まで毎週更新だが、第3話以降は隔週更新となる。
2022年3月6日に新規コミカライズの始動が発表された。続報は同年11月5日に開催された「4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! EXTRA STAGE」DAY1で発表され、正式タイトルと掲載媒体が明らかになった。
脚本担当の「文殊咲」は、凱旋門賞馬である「モンジュー(Montjeu)」「サキー(Sakhee)」の捩りととれるため、おそらく本作のためのペンネームだと思われる。
2024年3月28日、連載開始から1周年を迎えるにあたり新キービジュアルが公開された。
登場人物
本作では様々なチームが登場するが、今のところ史実で同じ厩舎だった馬で固められている。
チーム<アルケス>
- サクラローレル
- 「桜のように咲いてみせます。いつか必ず、絶対に!」
- 本作の主人公。脚部不安を抱えているのにも関わらず幅広いストライドと力強い踏み込みのために脚を痛めやすくデビューもままならないウマ娘だが、胸の内には世界の頂を目指す夢を抱いている。ナリタブライアンを倒すことは一つの目標であり同じ舞台に立つために日々努力している。
- 明石椿(あけいし つばき)
- 「一緒に行こう!パリロンシャンに!」
- チーム<アルケス>のサブトレーナーの一人。経緯は不明だがかつてはフランスに在住し「マダム」と呼ばれる人物から教えを請い、凱旋門賞ウマ娘を輩出することを志す。
……が、今のところはおっちょこちょいな面ばかりが目立つ新人トレーナーにすぎない。
同じ夢を志すローレルに偶然出会い、彼女をスカウトするが……? - 明石梧郎(あけいし ごろう)
- チーム<アルケス>の正トレーナーであり、椿の父。物腰丁寧で温厚そうな人物であるが、娘である椿のことも「椿さん」と呼ぶなどたとえ家族であっても厳しく接している。
- ヨシノプリヴェール
- 「ナリタブライアンと走ったこともねェヤツが 舐めた口きいてんじゃねぇよ」
- ワイルドで粗暴な雰囲気だが、椿には優しい一面も見せている。ブライアンと同じ朝日杯FSに出走するが、飛ばしすぎて撃沈した。
特徴的なメッシュの形やサクラ冠のウマ娘たちと一緒にいる点から、ローレル・ブライアンと同期でクラシック戦線の有力馬だったサクラエイコウオーがモチーフという説がキービジュアル発表当初から有力で、朝日杯(当時は3歳S)での描写とも一致する。
名前の由来は桜の品種でよくみられる「~ヨシノ」と英語の「勝利」(prevail)、フランス語の「さくら草」(primevère)からと考えられる。 - サクラチヨノオー
- ヨシノやバクシンオーに振り回されるアルケスの常識人枠。ローレルと同じヴィクトリー倶楽部に所属していた。史実通りなら4年前くらいに一線を退いているが、本作ではチームに所属しており引退などはしていないようだ。
- サクラバクシンオー
- キービジュアルにもいたが、本編では第6話から登場。チーム<アルケス>のエースであり早速スプリンターズステークスに出走、G1初勝利を飾った。ローレル、チヨノオーとはヴィクトリー倶楽部からの仲。
猪突猛進で真っ直ぐすぎることもあるが、学級委員長らしく仲間想いでもある。 - アマギハピネス
- 「そいつとなら きっと極上のレースができるだろ?」
- 第22話で登場。帽子を常に被り古臭い言い回しで話すまるで寅さんのようなウマ娘。「極上の景色」を求めてサブトレーナーの河瀬とともにあちらこちらを旅していたが、ナリタブライアンの話を聞きつけ戻ってきた。実力も十分で旅を経てさらに強くなっており、特にその末脚は光るものがある。ヨシノプリヴェールとはライバルであり時々いがみ合う様子が見られる。
作中における描写からサクラスーパーオーをモチーフにしているとみられる。名前の由来は「天城吉野」という桜と引退後に乗馬としての名前である「タカオハピネス」からだと考えられる。
チーム<ハダル>
- ナリタブライアン
- 「私が求める舞台はクラシックじゃない その先だ」
- サクラローレルの同期であり、ジュニア級から鮮烈な強さを見せつけているウマ娘。どんなレースでも汗一つ掻かず堂々と立っている様は正に怪物である。故に様々な人から恐れられ、敵視されている。
ローレルからも一方的にライバル視されている。 - 阿武隈紗季(あぶくま さき)
- チーム<ハダル>のトレーナーで常にアロハシャツを身につけている。レースに向け集中するブライアンのほっぺをむにむにするなど自由なところが散見される。
- ナリタタイシン
- 第23話で登場。ナリタブライアンより一世代前で皐月賞をレコードで勝利した。その翌年の皐月賞でのブライアンの走りを見て、同じチームながら対抗心を燃やしている。
- メジロパーマー
- 度々後ろのほうで登場していたが、名前と所属チームが明かされたのは第25話。チームメンバーのサポートや応援をしている。
チーム<デネボラ>
- スノウインハザード
- 「ローレルより… ぼくの方が 凄いのに…」
- 第13話から登場したが名前は第14話で明かされた。アメリカ出身で姉は北米芝チャンピオンのウマ娘。寒いところが苦手で冬の間は外に出たがらなかったりコタツに籠ったりしている。相当な実力を内に秘めているものの、手を抜いても勝ってしまうがために勝ちへの執念や情熱が欠けてしまっていた。だがヒシアマゾンの叱責やローレルの煽りを受けて……?
作中における描写からタイキブリザードがモチーフだと考えられる。名前は「ブリザード」の連想からか。 - 石上 勲(いしがみ いさお)
- スノウを担当するトレーナー。少し頼りなさがあるがよく気遣いができる人。スノウの本気の走りを見たいと思っている。
チーム<アルデバラン>
チーム<レグルス>
- ダンスリムリック
- 「今度こそ───青葉賞を勝って 本番の日本ダービーで───」
- 第16話で初登場したブライアンと同世代のウマ娘。第25話にて所属するチーム名が明かされた。クラシックなど眼中にないナリタブライアンを打ち砕かんとするも、皐月賞への大事なレースで敗北。青葉賞を勝利し、今度こそダービーでブライアンと倒さんと闘志を燃やしている。
エアダブリンが元ネタか。名前は母馬のダンシングキイからの連想+アイルランドの首都「ダブリン」を第三の都市である「リムリック」に変えたもの。 - 黒田 自由(くろだ みゆ)
- リムリックを担当しているトレーナー。第25話で初登場。関西弁をしゃべり、怖くていかつい恰好をしている。ネームドのウマ娘を多数率いており、去年はダービートレーナーとしてウイニングチケットを勝利に導くなどその実力はかなりのものがある。
- ウイニングチケット
- エアグルーヴ
- ダイイチルビー
- マチカネタンホイザ
- <レグルス>に所属するウマ娘たち。並んで応援する姿は圧巻。
ナリタブライアンと同世代のライバル
- サムソンビッグ
- ブライアンやローレルと同期できさらぎ賞を勝ったウマ娘。第16話にてなんの前触れもなくいきなり実名で登場したために話題となった。勝負服は3周年のキービジュアルでチラっと見えていたが第23話でお披露目となった。
ほかの同期たちが「ナリタブライアン」や「ブライアン」、ローレルでさえも「ブライアンちゃん」と名前で呼ぶ中、サムソンビッグだけ「ブーちゃん」とあだ名で親しげに呼んでおり、二人の関係性が気になるところである。 - マツカゼリュウオー
- ナリタブライアンへの挑戦権をかけた弥生賞(GII)では1番人気に押された。扇子や手ぬぐいを身に着けている。
元ネタはナムラコクオー。 - ディアシャーロット
- 弥生賞(GII)ではマツカゼリュウオーとの二強対決となった。
元ネタはエアチャリオット。
その他
- マヤノトップガン
- マーベラスサンデー
- サクラローレルのライバルとなるであろうウマ娘たち。
1つ上の世代であるローレルのジュニア級から物語が始まっているため、今のところキービジュアルや背景での登場のみに留まる。 - ヒシアマゾン
- 美浦寮寮長でみんなの姉貴的な存在。第6話から登場。<デネボラ>のチームメンバーではないものの同じアメリカ出身のスノウインハザードのことを気に掛けている。
- シュガーネイション
- 第10話から登場したプリンの耳飾りが特徴的なウマ娘。パフェが大好きで晩ご飯に食べるほど。三姉妹の末っ子。重賞をすでにいくつか勝っている姉たちに対して尊敬すると同時にコンプレックスも抱いており自分は器ではないと思っていた。ローレルがブライアンに勝ちたいと聞かされたときは住んでいる世界が違うと感じたが、勝負を通じて姉たちに追いつきたいと思うようになった。
モデルはシクレノンヴォルク。名前は母馬の「ダイナシュガー」とドイツ語の「ヴォルク」(Volk)と同じ意味の英語の「ネイション」(Nation)から。 - モンシュシュクレ
- 同じく第10話で登場した三姉妹の長姉。日経新春杯ではグランプリウマ娘メジロパーマーを差し切ってGIIを二連勝した。
モデルはムッシュシェクル。姉妹のうちこの娘だけ名前に「シュガー」がついてないのは元ネタでこの馬だけ冠名が違うためか。 - シュガーセーフティ
- 同じく第10話で登場した三姉妹の次姉。デビュー2連勝で重賞を制覇し、皐月賞でも3着だった実力者。
モデルはシクレノンシェリフ。 - シンボリルドルフ
- 第22話から登場。出てきて早速しょうもないダジャレを披露しお茶目なところを見せるが、ビワハヤヒデからブライアンが『皇帝』である自分を超えるウマ娘だと聞かされるや否や顔色を変えた。そんなブライアンを筆頭に新たな時代が始まるのを楽しみにしている。
- サンダンスブレイズ
- 1話冒頭で凱旋門賞を制覇していたウマ娘。諸々の描写からダンシングブレーヴがモチーフと思われる。
なお、史実のこのレースは86年のことで、本編は回想から「3年後」となっているが、本編の状況は93年なので時系列が合っていない。「凱旋門賞のイメージ図」としての描写で回想と直接繋がっているわけではないのか、時系列の相違に意味があるのかは不明。単行本では「数年後」となった。 - 小柳
- トゥインクルシリーズの実況アナウンサー。実況の腕は確かだが新人なのか緊張気味で、アドリブを連発するキャラの濃い解説の若宮に振り回されている。
- 若宮
- トゥインクルシリーズの解説者。小柳と一緒に仕事をしているが、実況を無視して勝手に解説し始めたり勝手にフリップを用意して台本にないことをし始めたりして困らせている。
各話タイトル
話数 | サブタイトル | アオリ文 | 掲載日時 |
---|---|---|---|
1巻 - 8話収録 | |||
第1話 | 一緒に見たい夢がある | 新たなウマ娘の物語が幕を開ける──!! | 2023/4/10 |
2つの夢が重なり、芽吹く──。 | |||
第2話 | ガラスの脚 | 期待を胸に朝のランニング! みんなと並んで走るために、まずは一歩ずつ。 |
2023/4/17 |
二度とその夢は語らせねえ…!! | |||
第3話 | レースプランニング | 何で怒っているのでしょう…?? | 2023/5/1 |
椿とローレルで走る初めてのレース…!! | |||
第4話 | 3ハロン | 勝利のために、できることを…! | 2023/5/15 |
届け──!! | |||
第5話 | 貴方のおかげで | どっちだ──!? | 2023/5/29 |
これからよろしくお願いします!! | |||
第6話 | 祝勝会 | 念入りに準備運動をし……!? | 2023/6/12 |
諦めなくて良かった──。 | |||
第7話 | メイクデビュ─ | 新年。それぞれの願いを込めて──。 | 2023/6/26 |
壁が立ちはだかる!! | |||
第8話 | 不屈の精神 | 練習とは違う。これがレース…!! | 2023/7/10 |
今はまだ遥か高くに─── | |||
2巻 - 10話+番外編収録 | |||
第9話 | 二人三脚 | 期待に応えられなかった一度きりのデビュー戦…。 | 2023/7/31 |
勝つために選んだ新たな道…!! | |||
第10話 | 未勝利ウマ娘 | 勝つ為の──。 | 2023/8/14 |
お互い目指すは初勝利…。 | |||
第11話 | 勝者はひとり | もどかしさをレースで晴らせ!! | 2023/8/28 |
限界なんて関係ない──!! | |||
第12話 | 楽しく自分らしく | もう、限界なのに─… | 2023/9/11 |
勝者が決まる─… | |||
第13話 | ウイニングライブ | 互いの想いは同じ──。 | 2023/9/25 |
確かな一歩。 | |||
第14話 | 休養 | 祝・初勝利!! | 2023/10/9 |
雪の中、芽生えた小さな火種──。 | |||
第15話 | スノウインハザード | 上からごめんね─。 | 2023/11/6 |
未だ見ぬ強さを。 | |||
第16話 | ジュニア級王者 | 王者の風格─。 | 2023/11/20 |
鼓動が響く─。 | |||
第17話 | 本当に必要なもの | 競い合いたい──その気持ちが焦りへと──…。 | 2023/12/4 |
挑戦が始まる!! | |||
第18話 | 100%の力 | 圧倒的存在感!! | 2023/12/18 |
熱をぶつけろ──!! | |||
番外編 | ライブ衣装 | ライブの準備中──。 | 2023/10/23 |
いつの日かきっと──…。 | |||
公開済み | |||
第19話 | 最後の直線 | 限界を超える──。 | 2024/1/1 |
120%でもまだ──…。 | |||
第20話 | 最後まで | 絶望が立ちはだかる…! | 2024/1/29 |
逃げずに戦った。これからの勝利のために。 | |||
第21話 | ナリタブライアンへの挑戦権 | 届かなかった仲間の想いを受けて──…。 | 2024/2/12 |
想いを伝えるのも応えるのも走りで! | |||
第22話 | アマギハピネス | みんな集合─!! ただいま、仲間たち |
2024/2/26 |
目標にすら恐れられる怪物──。 | |||
第23話 | 新たなる時代 | 2024/3/11 | |
私達の時代──。憧れだけでは終われない。 | |||
第24話 | 極上の景色 | チーム<ハダル>の練習風景──。 | 2024/3/25 |
散った後はまた咲くだけ──。 | |||
第25話 | 名門チーム<レグルス> | 皆の目標である怪物の目標──。 | 2024/4/22 |
打倒ナリタブライアン、その前に─…。 | |||
第26話 | GIII 青葉賞 | ナリタブライアンと戦うために、負けられない一戦!! | 2024/5/6 |
勝つための努力は全員がしている…! | |||
第27話 | - | - | 2024/5/20 |
- |
題材となったレース・小ネタ
目次 : 第1話 / 第6話 / 第11話 / 第16話 / 第21話 / 第26話
第1話
- 冒頭1コマ目の絵の元ネタは明治22年(1889年)5月に小林幾英によって描かれた錦絵「上野乃満花 不忍競馬之図」。明治17年(1884年)から明治25年(1892年)まで東京の上野不忍池で行われていた競馬を基に描かれた作品である。走っているウマ娘達の勝負服の色柄や髪色も元ネタに合わせた作りとなっている。
- 冒頭2コマ目の絵の元ネタは天保2~5年(1831~34年)に葛飾北斎によって描かれた錦絵「富嶽三十六景」の内の一つ「隅田川関屋の里」。関屋の里は、隅田から千住河原の一帯を指す。元ネタの旅人と馬が漫画ではウマ娘の旅人となっている。
- シリウスシンボリが出走した凱旋門賞のモデルは1986年の凱旋門賞。優勝はダンシングブレーヴ。2着のベーリングや3着のトリプティクに1・1/2馬身差付けて当時のレースレコード2:27.7を叩き出して勝利した。この勝利によりレーティングとしては異例の141ポンドが与えられた。(2012年に見直され138ポンドに引き下げ。)シリウスシンボリはブービー14着と大敗している。
- チーム<アルケス>の「アルケス」は正式名称「コップ座α星」。コップ座で2番目に明るい恒星で4等星である。またサクラローレルらサクラ冠の競走馬のオーナーであるさくらコマースがビルオーナーだったさくら三番館に入っていた店舗「セガワールドアルカス」に因んでいるという説もある。(アルカスはSAKURAの逆さ言葉)
- ヨシノプリヴェールとナリタブライアンが出走した朝日杯ジュニアステークス(GI)のモデルは1993年朝日杯3歳ステークス(GI)。1番人気はナリタブライアン。ヨシノプリヴェールの元ネタと見られている7番人気サクラエイコウオーがスタートから少し経った後に爆走し無理やりハナを取るもすぐに沈んでいき最下位11着入線。ナリタブライアンは道中後方に付け3・4コーナー中間で前へ上がっていき、2着のフィールドボンバーに3・1/2馬身差付ける圧勝を披露した。
- サクラローレルと椿サブトレーナーは観客席のスタンドで初対面となったが、この時の史実のサクラローレルはまだ新馬戦にすら出ておらず、新馬戦は翌年1月となっている。
- 出会った翌日のローレルが出走した模擬レースの種目は短距離ダートだが、史実でローレルが初めて勝利を挙げたのもこの短距離ダートであり、ダートも重であった。(距離は1400m。漫画内では天候は雨だが、こちらでは晴である。)
- この時点で「凱旋門賞に勝った欧州以外のウマ娘は66年の歴史上ひとりとして存在しない」はずで、そうなると史実で言えば1988年辺りのはずだが、冒頭の凱旋門賞から3年という説明から考えると1989年と1年ずれている。なお、単行本では数年後という表記になっている。
第6話
- ヴィクトリー倶楽部は「サクラ」の冠名を持つ競走馬を多く任されていた境勝太郎調教師の「勝」から来ていると考えられる。ただ同じ境調教師管理馬だったサクラエイコウオーがモチーフとされるヨシノプリヴェールはこの倶楽部に所属していないようだ。
- スプリンターズステークス(GI)の場面があるが、これはサクラバクシンオーが1回目の勝利を挙げたときのものである。2着のヤマニンゼファー、3着のニシノフラワーもこの場面に登場。現在では9月下旬~10月上旬に行われているが当時は12月19日であり、12月12日のナリタブライアンが勝利した朝日杯3歳ステークス(GI)より後に行われている。作中もそれと同じ順番になっている。
- ヒシアマゾンの名前の下に「4戦2勝(うちGI1勝)」とあるが、この時点でのGIの勝利は阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)のことであると考えられる。史実では9月19日にデビューし勝利。その後プラタナス賞、京成杯3歳ステークスで2着を取ったのちに12月5日に行われた阪神3歳牝馬ステークス(GI)に出走して1着を取っている。
第7話
- デビュー戦のモデルとなった1月6日新馬戦は中山6R、芝1600mで天気は晴、良馬場のコンディション。サクラローレルは単勝のシェアが43%での1番人気であった。作中で「半分ちかくの人たちがあの子の勝利を…」とフキダシがあったのはそれを意識してか。
- クラスの話が出てくるが、この時期は新馬・未勝利、現在の1勝クラスに相当する500万下、オープンの3つのクラスに分けられる。昇級すれば大きなレースに挑戦できるチャンスが増える。
- ゲートに入った時大きな声を上げて周りのウマ娘を驚かせているが、史実でも発走前にゲート内で立ちあがる様子が残っている。
第8話
- レースについて、スタート後外から一気に出てきたのが13番アロットオブギフト(作中ではパワフルラビット)。サクラローレルはまずますのスタートで11番手につく。残り1200mのハロン棒を通過した直後並んでいた10番ホワイトローズ(ブルーラズベリー)がサクラローレルを抜かしていった。アロットオブギフトが逃げて全体的に速いペースとなり直線もあまり伸びず9着に終わる。1着はシャインフォード(サンシャインリーフ)、2着はホワイトローズ。
- ビワハヤヒデが登場し「菊花賞(GI)など重賞3勝」とあるが、史実ではこの時点でデイリー杯3歳ステークス(GII)、神戸新聞杯(GII)、菊花賞(GI)の3つの重賞勝ちを収めている。
- チーム<アルデバラン>の「アルデバラン」は「おうし座α星」であり、おうし座で最も明るい恒星の1等星。星の名前はアラビア語における呼び名「アッ=ダバラーン」から来ており、意味は「後に続くもの」。プレアデス星団の後に続いてこの星が昇ってくることからそう命名された。
- チーム<ハダル>の「ハダル」は「ケンタウルス座β星」であり、リギルとも呼ばれるケンタウルス座α星と並んで輝く1等星である。もともとその二つで「ハダル」と呼ばれていたが現在ではこの星のみを指すようになった。名前の由来はアラビア語で「地面」を意味する「ハダール」からといわれているが諸説あるようだ。
- ナリタブライアンを管理していた大久保正陽厩舎はサクラローレルの新馬戦が行われた1月6日、阪神4Rと10Rにそれぞれ1頭出している。だがトレセンでライブ映像を見られるということはウマ娘の世界は一チームあたり所属するウマ娘の人数が現実よりずっと少ないのだろう。
第9話
- サクラローレルの2戦目は1月15日の中山6R芝1600mの新馬戦。当時の規定では同じ節なら何度でも新馬戦に出走することができた。4番のマツブリジャンテ(エスシーフォスター)が逃げ切って勝利、サクラローレルは2着の7番ハヤテエイコウ(ハイヴルーラ)にクビ差での3着だった。
第10話
- モンシュシュクレの勝利した日経新春杯(GII)は史実ではムッシュシェクルが勝利しており、後ろには2着だったメジロパーマーも映っている。同馬はこれでアルゼンチン共和国杯(GII)に続く重賞2連勝となった。
- シュガーセーフティのモデルとされるシクレノンシェリフはデビュー戦と毎日杯(GIII)を2連勝して皐月賞(GI)に出走し3着だった。なお、ムッシュシュクル、シクレノンシェリフ、シュガーネイションのモデルとされるシクレノンヴォルクは史実でも兄弟である。
第11話~第13話
- レースのモデルはサクラローレルの3戦目となった1月30日の東京2Rダート1400mの未勝利戦。晴れていたが重馬場だった。シクレノンヴォルクは外を回って先頭に並びかけるが、サクラローレルはさらにその外を回って直線で一気にかわした。シクレノンヴォルクはそれに食らいつくが2着、3馬身差でサクラローレルが勝利をあげた。7馬身離れて3着が入線。
第14話
- 作中サクラローレルはクラシック1戦目の皐月賞を目指している。たが、これは演出上仕方のないところではあると思うが、史実では違っており初勝利の後はダービーを目指したローテを取っている。
- 2月12日は広い範囲で大雪がふり、東京では23cmの積雪を観測した。この影響で土日だった12日、13日は競馬を開催できずナリタブライアンが出走した共同通信杯4歳ステークスやタイキブリザードのデビュー戦は14日に延期された。
第15話
- スノウインハザードのモデルとされるのはタイキブリザード。デビューはサクラローレルよりも遅く2月14日。実況の「下馬評に違わぬまさに『大器』!!」はその「タイキ」にかけていると思われる。タイキブリザードはヒシアマゾンと同じく海外で生まれ、その後日本に輸入された○外の馬である。
- タイキブリザードの半兄にシアトリカルがおり、アイルランドとアメリカで活躍、特にアメリカ移籍後の1987年にはGI6勝含む9戦7勝を記録し、引退レースであるブリーダーズカップ・ターフでは凱旋門賞馬のトランポリーノを半馬身差で勝利し、その年のエエクリプス賞最優秀芝牡馬を獲得した。
第16話
- 共同通信杯において、ナリタブライアンはスタート直後3番手だったが外から被され5番手で囲まれるような格好に。だが4コーナーから直線にかけてできた隙間から抜け出し、ノーステッキで直線突き放し4馬身差で勝利した。
第18話~第20話
- レースの元ネタはサクラローレルの5戦目であり、タイキブリザードの2戦目である4歳500万下のレース。中山ダート1800mで晴、良馬場のコンディションだった。タイキブリザードはスッと出て行って2番手につけたがサクラローレルは出足が遅く、鞭も入れながら直線半ばで3番手集団につけた。一時内外挟まれて後退する様子を見せるもおおよそタイキブリザードの直後を追走、直線で外に持ち出して競りかけていった。たが懸命に追うも3/4馬身差の2着だった。3着とは7馬身差をつけており、このレースでは2頭の実力が抜けていたことが分かる。また上がり3ハロンはサクラローレルの方が0.1秒早かった。
第21話
- ヨシノプリヴェールのレースの元ネタはサクラエイコウオーの弥生賞(GII)。本編と同様サクラローレルの敗戦の後に行われたレース。1番人気はナムラコクオー(マツカゼリュウオー)、2番人気はエアチャリオット(ディアシャーロット)でこの2頭が単勝オッズ2倍台と抜けた人気だった。ゲート入りではサクラエイコウオーが立ち上がる様子をみせた。スタート直後はサクラエイコウオーが先頭、その横に絶好のスタートを切ったエアチャリオットが並び、ナムラコクオーは中団に控えた。道中はサクラエイコウオーが単独先頭となり、鞍上小島太騎手がずっと手綱を引っ張って抑えている様子が見られる。3コーナー付近からナムラコクオーは前へと進出し、エアチャリオットもサクラエイコウオーに並びにいった。残り400mで内からサクラエイコウオー、エアチャリオット、6番イナズマタカオー、ナムラコクオーの順でほとんど並びながら直線へ。だがサクラエイコウオーは粘り続け残り200mの坂でむしろ後ろを突き放した。エアチャリオットはそこから2と半馬身差で2着、ナムラコクオーは追い込むもハナ差で3着だった。
- 最後チラっと写ったレースは中山競馬場で行われた4歳500万下の条件戦。圧倒的な1番人気に応え快勝した。
第22話
- 山桜賞は中山芝1600mで行われた500万下の特別競走。サクラスーパーオーは後ろから一気に追い上げて勝利した。
- 山桜賞と同日に行われたダービー卿チャレンジトロフィー(GIII)にはサクラバクシンオーが出走して勝利を挙げている。アマギハピネスのシーンでバクシンオーが体操服姿でゼッケンをつけているのはそれが理由。
- 2月の京都記念はナリタブライアンが共同通信杯を勝利した前日に行われたレース。仮に雪で延期されなかったら同日兄弟重賞制覇という珍しい記録が達成されるところだった。
第23話
- 1994年の皐月賞。まずサクラエイコウオー(ヨシノプリヴェール)が中から先頭を主張し、内枠に入ったナリタブライアンは好位少し後ろにつけた。サムソンビッグはその斜め右前に位置取り、前から13番目にサクラスーパーオー(アマギハピネス)がいた。逃げたサクラエイコウオーに全馬がついていき、とにかくペースが非常に速かった。向こう正面から3コーナーにかけ漫画と同じようなポジションになる。4コーナーあたりでサクラエイコウオーはメルシーステージとアイネスサウザーに捕まり、その2頭は直線で外からナリタブライアンが抜いた。このときサクラスーパーオーは14番手くらいだったが大外から一気に先頭へ迫っていった。だが2番手に上がった時点でナリタブライアンは3馬身半差でゴールしており届かなかった。
- シンボリルドルフの皐月賞は2:01.1、ナリタタイシンの皐月賞は2:00.2、中山芝2000mの当時のレコードはディセンバーSでスダビートが出した1:59.5で斤量は皐月賞よりも3kg軽い。
第24話
第25話
第26話~
関連静画
関連チャンネル
関連リンク
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関連項目
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