ゼレンスキー・ウクライナ大統領による演説単語

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(※本記事内の「2022年3月23日日本国会での演説」の節では、ウクライナ営通信社「ウクルインフォルム」の日本語ウェブサイトhttps://www.ukrinform.jp/exit)から、該当の演説仮訳文exit引用しています。)

本記事では、ウクライナ第6代大統領ヴォロディーミル・オレクサンドロヴィチ・ゼレンスキー(以下、ゼレンスキー大統領)による演説(またはスピーチ)について記載する。

概要

ゼレンスキー大統領の就任期間中である2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻が勃発した。

この非常事態を受けて、ゼレンスキー大統領ウクライナ内向けに、および外の各EU国際機関に向けて、多数の演説やスピーチを行った。

芸能人という経歴もあってかカメラの前でのトークには元々長じており、さらに本人やスピーチライターが優秀であるのか内容も聴者の心を掴むものであった。

特に、他に向けた演説はその歴史文化を踏まえたものとなっており、対内で多くの反を得るばかりか、他の住民からも「あのでは何を話したのだ?」と興味を持たれることもあった。
(ただし、あくまで該当に向けた演説のため該当外の人が聴くと一部違和感を覚えるような発言もあったりする。こればかりは各民性や歴史視点の違いによるものなので仕方ないところもあるが。)

なお以下の紹介では省いているが、他議会で行われた多くの演説ではほぼ毎回、そのから寄せられた支援について多大な感謝の念を示している。

さらに、多くの演説において、子供の死者数について触れている。その死者数は日が進むごとに数字が増えている。

2022年2月25日、Facebook投稿動画でのスピーチ

ロシア軍事であるため、侵攻が始まれば数日でウクライナ首都キーフは陥落すると想定されていた。そのため侵攻開始の翌日の2月25日にはくも「ゼレンスキー大統領など政府キーフを脱出するのでは」「既に脱出したのでは」といった憶測(あるいはプロパガンダ)も流れていたようだ。

しかし同日のにはゼレンスキー大統領が自らのFacebookアカウント動画投稿。自らが、そして政権の中心スタッフ首都キーフに居る事を示してプロパガンダを一蹴し、「私たちは皆ここに居て、私たちの独立を守っています」とアピールした。

原文

Всім добрий вечір.

Лідер фракції тут.

Голова Офісу Президента тут.

Прем’єр-міністр Шмигаль тут.

Подоляк тут.

Президент – тут.

 

Всі ми тут.

Наші військові тут.

Громадяни суспільства тут.

Всі ми тут, захищаємо нашу незалежність, нашу державу.

Так буде і далі.

Слава нашим захисникам.

Слава нашим захисницям.

Слава України.

和訳全文

こんばんは、みなさん。

与党代表がここにいます。(※デビッド・アラハミア代表)

大統領府長官がここにいます。(※アンドリー・イェルマーク長官)

シュミハリ首相ここにいます。(※デニス・シュミハリ首相

ポドリャクここにいます。(※ミハイロ・ポドリャク大統領府顧問)

大統領が、ここにいます。

(※シュミハリ首相スマートフォンを取り出して待ち受け画面の時刻を見せる)

 

私たちは皆ここにいます。

私たちの兵士たちがここにいます。

市民たちがここにいます。

私たちは皆ここにいて、私たちの独立を守っています。

そして、これからもそうしていくでしょう。

私たちの守護者に栄あれ。(※原のзахисникамは男性、захисницямは女性の守護者を意味する)

ウクライナに栄あれ。

2022年3月1日、EU議会での演説

2022年3月1日に、ヨーロッパ連合EU)の欧州議会で行われたオンライン演説。途中で心を打たれた通訳がを詰まらせる場面もあったという。

子どもの死者数について:

Once again, President Putin will say that this is “an operation, we are firing at the military infrastructure." Where are our children? What military plants do they work at? On which rockets are they? Maybe they ride in tanks? You killed 16 children.

プーチン大統領はまた、「これは作戦だ、々は軍事施設を攻撃しているのだ」と言うでしょう。々の子どもがどこに居たと言うのですか?軍事施設で彼らが働いていたとでも?ロケットに乗っていると?戦車に乗っているかもしれないと?あなたは16人子どもたちを殺したのです。)

2022年3月8日、英国議会での演説

2022年3月8日に、イギリス議会で行われたオンライン演説

イギリスの偉大な劇作家ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』の一節「To be, or not to be」に言及。第二次世界大戦時のイギリス首相ウィンストン・チャーチル演説の一節になぞらえた言葉も盛り込まれていた。

チャーチル首相演説中の一節:

We shall fight on the seas and oceans, we shall fight with growing confidence and growing strength in the air, we shall defend our Island, whatever the cost may bew we shall fight on the beaches, we shall fight on the landing grounds, we shall fight in the fields and in the streets, we shall fight in the hills; we shall never surrender.

々は大洋で戦う。々は自信を強め、を強め、で戦う。々は々のをいかなる犠牲を払おうとも守る。々は辺で戦う。々は着陸場で戦う。々は野原中で戦う。々は丘で戦う。々は決して屈しない。)

ゼレンスキー演説中、上記の一節を引用した箇所:

We shall fight in the seas, we shall fight in the air, we shall defend our land, whatever the cost may be. We shall fight in the woods, in the fields, on the beaches, in the cities and villages, in the streets, we shall fight in the hills... And I want to add: we shall fight on the spoil tips, on the banks of the Kalmius and the Dnieper! And we shall not surrender!

々はで戦います。々はで戦います。々は々の地をいかなる犠牲を払おうとも守ります。々はで、野原で、辺で、都市で、中で戦います。々は丘で戦います……そして私は付け加えたい、々はボタ山(※)でも、カリミウスドニプロ岸辺でも戦います! 々は決して屈しない!)

(※鉱業で排出された土石が積み上げられて形成された山。ウクライナ地方によっては炭鉱業などによりボタ山が多数存在する。例えばドンバス地方など。)

 

子どもの死者数について:

In 13 days of the Russian invasion, 50 children were killed. 50 great martyrs. This is dreadful! This is emptiness. Instead of 50 universes that could live, they took them away. They just took them away.

ロシアが侵攻した13日の間に、50人子どもが殺されました。50人の大いなる殉教者。これは恐ろしい事です!これは虚無です。生きられるはずだった50宇宙が、彼らに奪われてしまったのです。彼らはただ奪ったのです。)

2022年3月11日、ポーランド議会での演説

2022年3月11日に、ポーランド議会で行われたオンライン演説

2008年に同のレフ・カチンスキ大統領ロシアに侵攻されていたジョージアを訪問した際に述べた言葉を引用し、また2010年にスモレンスク近郊で起きた悲劇(前述のレフ・カチンスキ大統領死亡した、ポーランド空軍Tu-154墜落事故のことか)についても触れた。

I will recall the words of President of the Republic of Poland Lech Kaczyński said in Tbilisi in 2008: "We know very well: today - Georgia, tomorrow - Ukraine, the day after tomorrow - the Baltic countries and then, perhaps, the time will come for my country - Poland”.
2008年ポーランド共和国大統領のレフ・カチンスキがトビリシで言った言葉を思い出します。「々は良く知っている:今日ジョージアの番。明日ウクライナの番。明後日はバルト三国の番。そして、おそらくは、々のポーランドの番が来るのだ。」)

On February 24, this terrible "tomorrow" for Ukraine came, which President Kaczyński spoke about.
2月24日に、この恐ろしい「明日」がウクライナにやってきたのです。カチンスキ大統領がおっしゃっていた通りに。)

 

子どもの死者数について:

It is believed that the number seven brings happiness. That is how many neighbors God has given to Ukraine. Does it bring us happiness? The whole world knows the answer today.
(7という数字は幸福をもたらすと信じられています。これはウクライナに与えた隣の数でもあります。これは々に幸福をもたらすのでしょうか?こんにちでは、世界中がその答えを知っています。)

And 78 Ukrainian children who died from rockets and shelling of the Russian Federation know it better than others. A neighbor who brought trouble and war to our land. A neighbor who obviously acts without God.
(そしてロシア連邦ロケットや発によって亡くなった78名ウクライナ人の子どもたちは、他人よりそれをよく知っているでしょう。々のトラブル戦争をもたらした、ある一つの隣明らかをも知らぬ振る舞いをする隣。)

2022年3月15日、カナダ議会での演説

2022年3月15日に、カナダ議会で行われたオンライン演説

ロシア爆を受けたウクライナの名所を列挙し、それらをカナダにある同等の名所に置き換えてみてほしいとり、カナダ人の心情に訴えた。

演説が終わった後には議員らが立ち上がって拍手を送り(スタンディングオベーション)、を震わせてを流す議員もいたという。

The famous CN Tower in Toronto... How many Russian missiles will be enough to destroy it? Believe me, I do not wish this to all of you...
(著名なCNタワー。これを破壊するには、ロシアミサイルがいくつ必要でしょうか? どうか信じてください、私は決してそれを願っているわけではありません。)

But we predict every day how many more missiles can hit our TV towers. And they hit them.
(しかし々は毎日、さらにいくつのミサイル々のテレビタワーに命中するだろうかと予測しているのです。そして実際に命中するのです。)

Our Freedom Square in Kharkiv and your Churchill Square in Edmonton. Imagine Russian missiles hitting its heart.
ハルキウにある々の自由広場と、エドモントンにあるあなた方のチャーチル広場。ロシアミサイルがその中心に命中するところを想像してください。)

Our Babyn Yar is the burial place of the Holocaust victims... The Russians did not stop before bombing even this land. And what about the National Holocaust Monument in Ottawa? Will it withstand the impact of three or five missiles? It happened to us. Air bombs. A minute ago there were people alive. There was a family that just came there. They were alive. And now... You understand.
々のバビ・ヤールはホロコーストの犠牲者の埋葬地です。ロシアはこの地ですら爆撃を止めません。オタワにある国立ホロコースト記念碑ではどうでしょうか?この記念碑は3つの、あるいは5つのミサイルの命中に耐えることができるでしょうか?これが々に起きている事なのです。爆です。1分前には人々は生きていた。家族がちょうどそこに到着したところだった。彼らは生きていた。そして今は……。お判りいただけたでしょうか。)

 

子どもの死者数について:

Imagine hearing the report on the dead every day. Yes, you are the president or the head of government, but you just hear about it, about the dead children. And the death toll is growing. 97 children were killed as of this morning.

(死者の報告を連日聞くことを想像してみてください。そう、あなたは大統領あるいは政府の長で、しかしあなたはそれを聞くことしかできないのです、死んだ子どもに関する報告を。そしてその死者の数は増え続けているのです。今までに97名子どもが殺されました。)

2022年3月16日、米国連邦議会での演説

2022年3月16日に、アメリカ合衆国連邦議会で行われたオンライン演説

ラシュモア山に刻まれた偉大な米国大統領4名(ジョージ・ワシントントーマスジェファーソン、セオドアルーズベルトエイブラハム・リンカーン)について言及し、民主主義独立自由・思いやりといった今日米国の礎を築いた人々だと賞賛。そのようなウクライナも望んでいる(しかし、それがロシアの侵攻により脅かされている)のであるとった。

また、1941年12月7日真珠湾攻撃2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件(いわゆる「9.11」)、1963年8月28日キング牧師の演説の一節「I Have a Dream」(私にはがある)に言及しつつ訴えかけた。

子どもの死者数について:

Now I am almost 45 years old. Today my age stopped when the hearts of more than 100 children stopped beating. I see no sense in life if it cannot stop death. And this is my main mission as the Leader of my people – great Ukrainians.

(私は現在だいたい45歳です。しかし100名をえる子ども心臓鼓動を止めたとき、私の年齢は止まってしまいました。私はもしこのような死を止めることができないなら人生に何の意味も見出せません。そしてこれは、私の人々――偉大なウクライナ人たち――の導者としての私の最大の使命なのです。)

2022年3月17日、ドイツ連邦議会での演説

2022年3月17日に、ドイツ連邦議会で行われたオンライン演説

ドイツ経済を優先してロシアから天然ガスを輸入するパイライン計画「ノルドストリーム」を推し進めた事、NATOへの加盟やEUへの加盟の問題を遅らせている事などを摘し、これらはウクライナの苦難を隠して見ようとしない「」であるとして、かつての「ベルリンの壁」に喩えた。そしてを乗り越えて見てみてほしい、を壊してほしいとめた。

また、かつてドイツが助けられた「ベルリン大空輸」はが安全であったからできたことだが、ウクライナは安全ではなくなっているので輸すらできず、ロシアミサイル爆だけが与えられるものになっている……との苦を訴えた。

他のと同様に、ドイツからの支援に大いに感謝する旨も告げてはいた。しかし全体としては、これまでの同の方針を批判して転向をめるようなニュアンスが強い演説だったとの見方も少なくない。

子どもの死者数について:

Thousands of Ukrainians died in three weeks. The occupiers killed 108 children. In the middle of Europe, in our country, in 2022.

(3週間のうちに数千人のウクライナ人が亡くなりました。占領者は108人の子どもを殺しました。ヨーロッパん中で、々ので、この2022年にです。)

2022年3月19日、スイスの反戦集会での演説

2022年3月19日に、スイスのベルンで行われた数千人が参加する大規模な反戦集会にて行われたオンライン演説

自然生活準の豊かさを称賛し、ウクライナもそうなろうと努していたのだが、2月24日にすべてが変わってしまったと嘆いた。また、同銀行戦争を始めた人々(ロシア政治家たち)の資産が預けられており、それを凍結してほしいと訴えた。さらに同の某有名食品企業について、同社が掲げるスローガンは「グッドフード、グッドライフ」であるのに、ロシアでの事業を停止していないとして苦情を述べた。

この集会には同のイニャツィオ・カシス大統領も出席しており、演説後に「これだけ多くの人々が、あなたの民が孤独でないことを示しにきた」とゼレンスキーりかけた。

2022年3月20日、イスラエル議会での演説

2022年3月20日に、イスラエル国会に当たる「クネセト」で行われたオンライン演説

ウクライナ第5代首相「ゴルダ・メイア」がウクライナ出身である事に触れ、彼女の言葉を引用した。

That is why I want to remind you of the words of a great woman from Kyiv, whom you know very well. The words of Golda Meir. They are very famous, everyone has heard of them. Apparently, every Jew. Many, many Ukrainians as well. And certainly no less Russians. "We intend to remain alive. Our neighbors want to see us dead. This is not a question that leaves much room for compromise."
(だからこそ、私はあなた方もよく知っている、キーウ出身の偉大な女性の言葉をあなた方に思い出していただきたいのです。ゴルダ・メイアの言葉を。この言葉は非常に有名ですから、もが聞いたことがあるでしょう。おそらくは全てのユダヤ人。同様にたくさんの、たくさんのウクライナ人。そしておそらくは少なくないロシア人も。「々は生き続けるつもりです。々の隣人たちは々の死を願っています。これは妥協できる問題ではないのです。」)

また、ロシアの侵攻が始まった「2月24日」は国民社会主義ドイツ労働者党(すなわちナチス)が設立された日付でもあることをり、ウクライナ人が世界中に避難して安全な地をめていることをかつてのユダヤ人のそれに喩え、ホロコースト被害者埋葬された土地バビ・ヤールにもロシア爆を行っていることをり、イスラエル/ユダヤ人からの共感をめた。

その上で、イスラエルミサイル防衛システムが最高である(いわゆる「アイアンドーム」をしていると思われる)ことを摘し、ウクライナイスラエルからそれを購入させてもらえないという現状を訴えた。

2022年3月22日、イタリア議会での演説

2022年3月22日に、イタリア議会で行われたオンライン演説

「この戦争を始めた者たちはイタリア休暇の場所として使っているのです」とり、「殺人者のリゾートにならないでください」「彼らを締め出してください」と訴えた。

子どもの死者数について:

When I addressed a rally in Florence and dozens of other European cities a little over a week ago, I asked all Italians, all Europeans to remember the number 79. The number of children killed in Ukraine at that time.
(1週間と少し前に私がフィレンツェや他のヨーロッパ都市で行われた反戦集会において演説した際、私は全てのイタリア人、全てのヨーロッパ人に、79という数字をおぼえておいてくださいと頼みました。この数字はその時点で、ウクライナで殺された子どもたちの数でした。)

Now it's 117.
(今、その数字117になっています。)

38 children more during these days.
(この日数の間に、38人の子どもがさらに犠牲になったのです。)

This is the price of the delay.
(これが遅延の代償です。)

2022年3月23日、日本の国会での演説

2022年3月23日に、日本国会で行われたオンライン演説

会場は衆議院第一議員会館会議室及び多ホールで、衆参両院の議員が出席する中で行われた。

ロシア侵略により原子力発電所が脅かされていることを訴え、さらにロシアの脅威を津波に喩えるなど、明言はしないものの、日本人記憶に刻まれた2011年3月11日東日本大震災記憶に訴えかけた。

また、ロシアサリンのような化学兵器を使う可性を憂慮しているとして、こちらも明言はしなかったものの、1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件に準えてウクライナが感じている恐怖を伝えた。

以下は、ウクライナ営通信社「ウクルインフォルム」の日本語サイトhttps://www.ukrinform.jp/exit)中、「ゼレンシキー宇大統領の日本の国会での演説全文exit」のページからの引用である。ウクルインフォルムが、演説ウクライナ語原文から日本語に仮翻訳したものであるそうだ。

なる細田議長、山東議長、岸田首相日本国会議員の皆さん!

そしてなる日本の人々よ!

私、ウクライナ大統領にとって、日本議会歴史で初めてあなた方に呼びかけられることは、大変な光栄である。

私たちの首都は、8193キロメートル離れている。均すれば飛行機15時間だ。ルートによって異なる。しかし、私たちの自由の感覚の間には、どのような距離があろうか? 私たちの生きることを望む気持ちの間には? 私たちの平和を望む気持ちの間に距離があるだろうか?

2月24日、私は、その距離を全くにしなかった。私たちの首都の間には、1ミリ距離すらも。私たちの気持ちの間には1距離もなかったのだ。なぜなら、あなた方が私たちのところにすぐに支援に駆けつけてくれたからだ。私は、そのことにつきあなた方に感謝している。

ロシアが、ウクライナ全土の平和を破壊した時、私たちはすぐに、世界が本当はどんな姿なのかをにした。世界が本当に戦争に反対している様子を。世界が本当に自由を支持していることを。世界が本当にグロバルな安全保障を支持していることを。世界が本当に一つ一つの社会の調和ある発展を支持していることを。日本は、アジアにおいて、そのような立場のリーダーとなった。あなた方は、このロシア連邦が始めた残酷な戦争を止めるために、すぐに活動を開始した。あなた方は、ウクライナにおける、つまり欧州における平和達成のためにすぐに活動を開始した。そして、それは本当に重要なことなのだ。地球上の一人一人にとって重要なことなのだ。なぜなら、ウクライナ平和がなければ、世界中の一人として、確信を持って未来を見ることができなくなるのだから。

あなた方一人一人が、チョルノービリチェルノブイリとは何かを知っているだろう。1986年に大きな爆発の生じたウクライナ原子力発電所だ。放射線が漏洩した。それは、地球上の様々な場所にをもたらした。チョルノービル原子力発電所周辺30キロメートル圏は封鎖されている。そこは危険だ。封鎖区域を満たすには、発電所の爆発被害を除去していた時から、何千トンもの冷やされている使用済み燃料、破片、機材がある。地上に。

2月24日、その地に、放射性降下物を空気中に巻き上げながら、ロシア装甲車がやってきた。チョルノービリ発電所は制圧された。で、武で。想像して欲しい。事故のあった原子力発電所が制圧されたのだ。破壊された原子炉を覆うシェルターが。稼働中の使用済み燃料保管庫が。ロシアは、この場所を戦争舞台に変えたのだ。30キロメートル圏の封鎖間を、ロシアは、私たちの防衛軍に対する新たな攻撃の準備のために利用しているのだ。

ロシア軍ウクライナ領への侵入後、彼らがチョルノービリ大地にもたらした被害、どの冷却設備が損傷したのか、放射性降下物が地球にどのように拡散したのかを分析するには何年もかかる。

皆さん!

私たちの土には、4つの原子力発電所が稼働している! 15個の原子炉だ。それら全てが脅威にさらされている。ロシア軍はすでに、欧州最大のザポリッジャ原子力発電所戦車撃した。戦闘行為の結果、何もの産業生産施設が被害を受けており、その多くが特別に危険な場所だ。攻撃は、ガス・石炭パイラインや炭鉱にも脅威をもたらしている。

先日、ロシア軍は、ウクライナスーミ州の化学製造所も攻撃した。そこでアンニアが流出した。私たちは、化学兵器の攻撃の可性があるとの警告を受けている。特に、シリアで使われたことのあるサリンによるものだ。

世界政治家たちの議論要なテーマの一つは、もしロシア核兵器を使った場合、どう対応するかという話になった。世界における全ての人、全てののあらゆる確信が、全に破壊された。

私たちの軍人は、すでに28日間、ウクライナ英雄的に守っている。28日間、世界で最大の規模を持つから、全面的な侵攻を受けている。しかし、その面では最大ではない。さらに、も最大ではない。そして、倫理面では最小である。

ロシアは、ウクライナ平和な町に対して、ミサイル1000発以上放ち、数えられない数の爆を行った。ロシア軍は、何十もの私たちの町を破壊した。いくつかは全に燃やし尽くしてしまった。ロシアの占領の被害を受けている多くの町やでは、人々は殺された族、友人隣人を尊厳を持って埋葬することもできていない。破壊された建物の中庭や、道路の横や、単にそれが可だという場所に、埋葬せざるを得なくなっているのだ…。

何千の人が殺された。その内、121名が子供だ。

約900万人のウクライナ民が、ロシア軍から身を守るために、仕方なくを、自分のふるさとを去っている。私たちの「北方領土」「東方領土」「南方領土」が空っぽとなっている。人々がその死の脅威から逃げているからだ。

ロシアは、私たちのへのアクセスすら封鎖した。普通の貿易手段をだ。そうすることで、他の潜在的な世界侵略者に対して、航を封鎖することで、自由な民に圧をかけられることを示したのだ。

皆さん!

ウクライナパートナーと私たちの反戦連合現在世界の安全が最終的に破壊されてしまわないようにするための、保を与えることができる。世界に人々の自由のための支えが存在し続けるための保だ。人々と社会における多様性を保存するための支えだ。を守るための。私たちや、私たちの子供、私たちの孫のために、今後も平和が存在し続けるという確信のための。

あなた方は、際機構が機していないことをにしているだろう。国連や安保理すらもだ。彼らは何ができるのだろうか? 彼らは、革が必要である。正直さの注入が必要だ。効果的になるために。議論するだけでなく、本当に問題を解決し、本当にを行使できるようになるために。

ロシアの対ウクライナ戦争によって、世界は不安定化した。世界は、多くの新しい危機の入り口に立っている。明日がどうなるか、が今確実に理解しているだろうか?

世界市場の大荒れは、食料輸入に依存する全てのに問題をもたらしている。環境面と食料面の挑戦は、過去に例のない準だ。重要なことは、現在戦争を起こすことで強な罰が生じ、戦争は始めるべきではない、平和を破壊すべきでないということを、地球上の全ての侵略者、明らか侵略者にも潜在的侵略者にも、確信させられるかどうかにある。責任ある国家平和保護のために団結することは、全に論理的で正しいことである。

私は、あなた方のがこのような歴史間に原則的な立場を取ったこと、そしてウクライナへの支援を与えてくれていることに感謝している。あなた方は、平和回復するために、アジアで最初に、ロシアへのに強な圧をかけ始め、対露制裁を支持した。私は、あなた方に、制裁を続けるよう呼びかける。

そして、状況を安定させ、ロシア平和を探させ、私たちのウクライナへの残酷な侵攻の津波を止めさせるべく、あなたのパートナーであるアジア々の努をまとめるよう呼びかける。ロシアへの禁輸が必要だ。ロシア軍お金が行かないように、ロシア市場から企業を去らせねばならない。私たちのロシア軍を止める私たちの防衛者、私たちの戦士への更なる支援が必要だ。そして、ウクライナの復についても、もう今考え始めなければいけない。ロシアによって破壊された町々や、ロシアによって荒らされた領土に生活を取り戻すために。

人々は、これまで暮らしていた場所に戻らなければならない。彼らが育った場所に。彼らが、そこが自分のだと感じる場所に。自分の小さなふるさとに。私は、あなた方はこの感覚を理解していると確信している。自分のふるさとへ戻らなければ、という気持ちを。

私たちは、新たな安全保障を作らねばならない。平和にとっての脅威が生じる度に、予防的に毎回強固に機するように。

現存の際機構を基盤にそれが可だろうか? このような戦争の後では、絶対理だ。新しい機構を創設しなければならない。新しい保を。あらゆる侵略に対して予防的かつ強に機する保だ。日本リーダーシップは、その創設において不可欠となるかもしれない。ウクライナにとって、世界にとっての。私は、あなたにそれを提案する。

世界がもう一度、明日がどういう日となるかについて確信を抱けるように。明日が訪れることへの確信、明日が安定し、平和なものとなることへの確信だ。私たちにとって、将来の世代にとっての明日への確信である。

皆さん!

日本の人々よ!

私たちは、あなた方と一緒なら、多くのことを行うことができる。想像するよりもずっと多くのことをだ。

私は、あなた方にどれだけ急速な成長の歴史があったかを知っている。あなた方が調和を築き、それを守ることにどれだけ長けているかを知っている。あなた方が、どれだけ原則を守り、生活を大切にしているか、環境を守っているかについても。それらの根っこは、あなた方の文化にある。ウクライナ人が心か愛しているあなた方の文化だ。私は、単に上辺だけでこのように話しているのではない。本当にそうなのだ。

2019年、ちょうど1年半前、私がウクライナ大統領になると、私の妻オレーナは視の不自由子供のためのプロジェクトに参加した。そのプロジェクトは、オーディオブックを作るプロジェクトだ。彼女は、日本昔話を読んだ。ウクライナ語でだ。なぜなら、その昔話は、私たちにも子供たちにもわかりやすかったからだ(編集注:「桃太郎exit」と「二ひきのかえるexit」)。そのことは私たちのウクライナの人々のあなた方の築き上げた物への大きな関心のにおける、たった一滴に過ぎない。

価値の面で、私たちとあなたたちは似ている。私たちのの間にどんなに大きな距離があろうとも。いや、その距離は実は存在していない。なぜなら、私たちの間には、心の中に同じようにぬくもりがあるからだ。共通の努のおかげ、ロシアに対するさらに強い圧のおかげで、私たちは平和へ辿り着ける。そして、私たちのを再建することができる。国際機関革することができる。

私は、その時も、今と同じように、日本が私たちと一緒にいてくれていることを確信している。この決定的な時の、私たち全員のための、反戦連合の中にて。

ジャークユ! ありがとうございます!

ウクライナに栄あれ! 日本に栄あれ!

上記で全文引用したものはウクルインフォルムによるウクライナ語からの翻訳文だが、実際の演説映像では在日ウクライナ大使館関係の人物による同時通訳が行われた(なお、かなり同時通訳が難しい文章であったらしい)。その通訳文の書き起こしは以下のサイトなどに掲載されている。上記の翻訳文との違いについてべてみるのもよいだろう。

子どもの死者数について:

Thousands were killed, including 121 children.

(数千人が殺され、その中には121人の子どもも含まれているのです。)

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ゼレンスキー・ウクライナ大統領による演説

90 ななしのよっしん
2022/08/22(月) 19:00:38 ID: M2k0HkGxcp
ゼレンスキー演説見てスタンディングオベーションしたり号泣したりしている様をめて見てみると
何で統一教会みたいなインチカルトくならないのかが何となくわかるな
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91 ななしのよっしん
2022/09/16(金) 23:28:59 ID: GFsSrjqrvj
>>90
何につけどこか冷静に見るは必要だと思うよ
支援するにしても損得勘定はの中で行い
口では障りの良い言葉を並べて行動は淡々とやるって感じで
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92 ななしのよっしん
2022/09/17(土) 21:58:26 ID: ReAwqU/TvK
ある演説が人々を感動させたから、というだけの理由で「真実、あるいは正当に違いない」
思い込むのは愚かだが、その裏返し
ある演説が人々を感動させたから、というだけの理由で「危険なカルトに違いない」と思い込むのも
同じくらい愚かだ

そもそも、上手な演説とヘタな演説ではその効果に違いがある、というのは単なる事実の問題であって
それを否定してみたところで意味はない
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93 ななしのよっしん
2023/01/19(木) 22:00:29 ID: bz9IfO8PEj
2022年末の演説も加えて欲しいな。
ウクライナ民を鼓舞する名演説だったと思う。
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94 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 00:25:30 ID: V8EINxSj+B
去年の頃にウクライナ侵攻があることに気付いた
知り合いがロシアウクライナ戦争してるって話聞いてさ、それで
まあ、だから何?って感じ
戦争ぐらい世界のどこでもあるっしょ
何をそんなに必死になってロシアがどーのウクライナがどーのってさ
君らも案外暇人だよね
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95 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 00:31:04 ID: vLAommPdWW
世間知らずが中二病を発症するとこうなるんだな
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96 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 00:40:46 ID: V8EINxSj+B
一歩下がった地点から見ているだけだよ
なにものにも染まらないのがの流儀だからさ
そんでもって、染まり切ったらに冷を浴びせ掛けて落ち着かせるのが自分の役じゃないかなって思ってる
なにをそんなに必死になっちゃってんの?ってさ
高見から俯瞰する人間も多少は必要でしょ?はそういう役を自負している
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97 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 00:44:11 ID: O1afpX8jAJ
自分がまともというつもりはないが冷笑こそ至高だと考える高二病ムーブはほどほどにしとけよ
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98 ななしのよっしん
2024/01/06(土) 08:34:43 ID: vLAommPdWW
>>96
戦争知ったのが頃とか言われてもただの情報弱者としか言えないし、
法振りかざしてるのにその脅威と縁で高みの見物決め込めると思ってるのも世間知らずとしか言いようがない
そんなんで物事を俯瞰して諫める役回りなんて務まるわけないじゃん

はっきり言うが、君は「なにものにも染まらない」のではなく周囲について行けなくて浮いてるだけ
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99 ななしのよっしん
2024/03/03(日) 06:02:12 ID: DiikmwXwDi
に対しての言葉選びがメッチャ上手いのは推敲担当か大統領か、教養の深さが垣間見えるのも面い 当時の大統領就任式のスピーチはゲティバー演説パロディだったらしいし
イギリスにはバトルオブブリテンのチャーチル(We shall never surrender)、生きるべきか死ぬべきか(シェイクスピア
アメリカにはキング牧師や9.11真珠湾(からの軍事的攻撃という恐怖)→航空機が必要という訴えを強調&「NATO加盟ないし全な欧州国家としての独り立ち)」
日本には福島のふの字も出さずにチェルノブイリ話題広島長崎という単を使わずに核兵器地下鉄という言葉を使わずにサリン化学兵器)、ロシアウクライナの「北方領土」「東方領土」「南方領土」を破壊していると、「察する文化」にクリティカルな遠回し表現
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